
MGC製のモデルガン・COLTトルーパーMk-III 4インチはドラマ『大追跡』で藤竜也さんや柴田恭兵さんが愛用されたことでも(その道のマニアには)知られてるけど、私にとっては何と言っても『太陽にほえろ!』のゴリさん(竜 雷太)の拳銃ってイメージが強いです。なにせ『大追跡』は半年しか放映されてないけど、ゴリさんは任期後半の5年近くトルーパーひとすじ!でしたから。
兄弟機であるCOLTローマンMk-III が当時あらゆる刑事ドラマで使用されてたのに対して、トルーパーはなぜか『太陽にほえろ!』と『大追跡』以外ではあまり見かけなかったのが、余計にその2番組における活躍を強く印象づけたのかも知れません。
トルーパーはパイソンと同じ357マグナムの拳銃だけど、パイソン人気の影に隠れて地味な存在になっちゃった印象は否めません。(実銃もそうらしいです)
けど、あのローマンと同じフレームとメカニズムで出来てますから、故障知らずで発火性能バツグン。撮影用プロップとしてはパイソンより遥かに優れてるんですよね。(ただしMGC限定。コクサイ製はローマンもトルーパーもすぐ壊れました)
だから『もっとあぶない刑事』でユージ(柴田恭兵)が使ってたパイソン2.5インチは、発砲時だけMGCトルーパーのフレームにパイソンのバレルを嵌め込んだカスタム・プロップが代用されてました。
私が持ってるMGCトルーパー4インチ(上画像)には、例によってオークションで入手したハンドメイドの木グリが着いてます。これはMGCのトルーパー(あるいはローマン)専用に作られたもの。
MGCのモデルガンは重量アップのためグリップ部分にダイキャストの重りが埋め込まれており、コルト(つまり実銃用)の純正グリップはよほど加工しないと装着出来ないんですね。だから専用のグリップが今でも売られてるワケです。
MGCトルーパーの6インチ。これも『大追跡』と『太陽にほえろ!』で沖雅也さんが愛用されました。(ただし前者では途中からパイソンに、後者ではS&W M29にそれぞれ鞍替えされてます)
『太陽~』ではロッキー刑事(木之元 亮)もスコッチ(沖さん)から譲り受ける形でトルーパー6インチを使用。長銃身のリボルバーは実に画面映えするけど、ああいう長身の人たちが持てばこその格好良さで、チビの私が持ったとてサマになりません。誰がやねんっ!?(激怒)
MGCのSRH(スーパー・リアル・ヘビーウェイト)シリーズのトルーパー4インチです。グリップはMGC純正の木グリ。
COLTローマンの記事にも書きましたが、このSRHシリーズはプラスチックに鉄粉をミックスさせた素材で出来てるので、ずっしり重くて磁石がくっつきます。けど、うっかり落としたらすぐに割れちゃう「脆さ」があり、これを振り回して遊ぼうとか、映画の撮影に使おうなんて思えません。あくまで鑑賞用ですね。
発売当時はまさにその「重さ」と金属っぽい質感に惹かれたワケだけど、今となっては思い存分振り回せるABSモデルが一番です。前述の通りMGCのモデルガンには重しが入ってるからABSでもそこそこ重い。歳を食った今となっては「そこそこ」ぐらいがちょうど良いんですw
こちらはMGC製「COLTピースキーパー」ヘビーウェイト・モデルの4インチ。
実銃のピースキーパーは「COLTトルーパーMk-V」の廉価版で、このモデルガンは「Mk-III」のフレームを流用してますから言わば「なんちゃってピースキーパー」。
パックマイヤーの実銃用ラバーグリップが着いてますが、フレームはMGCトルーパーそのまんまだから加工しないと装着出来ず、大阪に住んでた頃に通ってたガンショップの兄ちゃんに頼んで(たしか五千円ぐらいで)やってもらいました。
後にKSC社がちゃんとした(リアルな)トルーパーMk-Vとピースキーパーのモデルガンを発売するんだけど、こっちの「なんちゃってピースキーパー」の方がなんかカッコいいですw
そして'90年代になって発売されたのが、先ほど触れたKSCのモデルガン・COLTトルーパーMk-V。私が持ってるのはニッケル風メッキ仕様の4インチです。
グリップはホーグ社の実銃用ラバーグリップ。本来このモデルガンには木製グリップが標準装備されてたけど、グリップ無しの中古がオークションで安売りされてたので買いました。後でご紹介するKSCキングコブラに着いてたホーグのグリップがちょうど1つ余ってたんですよね。
言うまでもなくトルーパーMk-Vは先のMk-IIIの後継機で、内部メカが改良されたほか、バレル上部にパイソンと同じベンチレーテッドリブ(発砲時に熱を逃がすための穴)が設けられ、シリンダーがカウンターボアード(背面が少しくぼんでるタイプ)に変更されてます。
モデルガンとしてもかなり進歩しており、ルックスもメカニズムも実銃と瓜二つ。だから実銃用のグリップが無加工で着けられるし、カートリッジもリアルサイズになってます。
あえて欠点を挙げるなら、MGCトルーパーと比べて重量がかなり軽減されちゃったこと。実銃は出来るだけ重量を抑えるよう設計されてますから、リアルに再現すればするほど軽くなっちゃうワケです。
もはやモデルガンはヘビーウェイト素材で作るのが当たり前になったから、重りは必要なしって事なんだろうけど、メッキが出来ない素材なもんでシルバーモデルはABSで作らざるを得ない。今の私は重量にこだわらないから平気だけど、発売当時はそれがとても残念でした。
そしてKSC社は、トルーパーMk-Vの廉価版であるCOLTピースキーパーと、後継機である「COLTキングコブラ357マグナム」も発売してくれました。というか本来キングコブラがメインで、同じフレームを流用できるトルーパーとピースキーパーはついでに作られたようなもの。それならローマンMk-Vも出して欲しかった!
上の画像は私が持ってるKSCキングコブラ、ニッケル風メッキ仕様の2.5インチABSモデル。同じニッケル風メッキでもトルーパーとは色味が違ってるのがKSCさんの芸の細かさ。こちらはもう、ほとんど鏡面に近い仕上がりです。
グリップはパックマイヤー製の実銃用で、木とラバーを合体させたユニークなツートンデザイン。元はホーグ製のラバーグリップ(さっきのトルーパーに着けてるヤツ)が標準装備されてました。
KSCキングコブラのステンレス風メッキ仕様、4インチABSモデル。グリップは標準装備のパックマイヤー製オールラバー。
実はヘビーウェイトモデルも持ってたけど艶消しブラックのボディがしっくり来ず、知人に譲りました。結果、私が持ってるMk-Vシリーズはシルバーモデルばかり。キングコブラは絶対シルバーの方が似合うと思います。
KSCキングコブラが登場した頃はすでにTVのアクションドラマが絶滅状態で、画面で見られる機会はほとんどありませんでした。私が記憶してるのは映画『あぶない刑事リターンズ』と『あぶない刑事フォーエバー』で柴田恭兵さんが2.5インチを使っておられた事くらい。それだけじゃ寂しいですよね。
そして例によって最後は珍品をご紹介。大阪のガンショップで売られてた、MGCパイソンがベースの「初代COLTトルーパー」風カスタム・モデルガンです。サイズは5インチ位でしょうか?
Mk-IIIシリーズが登場する以前のトルーパー(言わばMk-I)はパイソンと似たようなフレームだったらしく、刻印が無いから断言は出来ないけど、カスタムした人は多分それを再現されたんだろうと思います。
シリーズの最終形であるキングコブラと並べるとクラシックさがいっそう際立ち、時代の流れ、リボルバー拳銃の進化を実感できます。新しい方がやっぱりカッコいいけど、味わい深さは断然古い方に軍配が上がりますよね。
渋いですね。質感があり
カッコええですね😊
KSCキングコブラ、とても出来が良かったのに画面で見れる機会が少なかったのは本当に残念ですね。
映画・ドラマじゃないですが、ダウンタウン浜田さんがヤクザ物のコントで艶消しブラックの4インチを派手に発砲してたのを覚えてます(笑)
あれをコントで使うとは贅沢な話ですよねw きっと浜田さんが本物っぽい銃でないと納得しなかったんでしょうw