ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『刑事貴族2』#02

2019-03-15 12:00:18 | 刑事ドラマ'90年代









 
『刑事貴族2』そして『3』は熱血漢の本城刑事=水谷 豊をリーダーに据え、イキのいい若手刑事たちの活躍を中心に描く、チョー明るいアクション活劇へと変貌しました。もはやハードボイルドのハの字もありませんw

この第2話の主役は、前半が本城&原田(田中 実)、後半が本城&繁尾(団 優太)と、いずれもシリーズの新顔をプッシュした組み合わせになってます。「水谷さん+若手の誰か」のコンビで話を進めて行くのが、新シリーズの基本フォーマットなんですね。


☆第2話『傷痕/銃弾のリターンマッチ』

(1991.4.17.OA/脚本=尾西兼一/監督=村田 忍)

かつて本城の左肩に銃弾をぶち込んで海外逃亡した、凄腕の殺し屋(南条弘二)が帰国し、再び本城と対決する事になります。

殺し屋の居所を掴むべく、本城は若い情報屋(吉田友紀)を使おうとするんだけど、彼が結婚してカタギになろうとしてるのを知って、躊躇します。

もちろん、刑事ドラマの世界において情報屋が幸せを掴もうとすれば、必ず「これを最後の仕事にします!」とか言って無茶をして殺されちゃうに決まってます。

で、そいつの婚約者(盛本真理子)に主役の刑事が「人殺し!」呼ばわりされちゃうのもお約束。ただし、恨み言を言うだけに止まらず、女の子が自ら殺し屋を探し出し、復讐を図ろうとまでするのは、’90年代ならではの作劇かも知れません。

そんなストーリーはともかくとして、新シリーズの魅力は何と言っても『相棒』よりずっとアクティブな水谷さんと、若手俳優陣とのアドリブも交えた軽快な掛け合いにあります。

特に、ルール違反が許せない堅物の原田=田中実さんと、犯人逮捕の為なら手段を選ばない本城=水谷さんとの対比、そして知らず知らず本城の影響を受けて行く原田の変化が、この『刑事貴族2』の大きな見所になってます。

さらに、本城の得意技であるコスプレを駆使した潜入捜査もシリーズ名物となり、この第2話でも『007』ばりに秘密カジノへ潜入、青木刑事(高樹沙耶)がセクシーなドレス姿を披露してくれます。

高樹沙耶さんは当時28歳。映画『沙耶のいる透視図』『チ・ン・ピ・ラ』等で注目された女優さんで、後に『相棒』でも水谷さん、寺脇康文さんら『刑事貴族』仲間とレギュラーで共演、2008年に芸名を「益戸育江(本名)」に変更されてます。

ゲストの盛本真理子さんは当時20歳。活動のメインはグラビアで、あの頃よくグラビア雑誌を買ってた私は、しょっちゅうこの方の水着姿やヌードを拝見してた記憶があります。

セクシー画像は、オッパイが盛本真理子さん、チッパイが高樹沙耶さんですw
 
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『刑事貴族2』1991~1992

2019-03-15 00:00:10 | 刑事ドラマ HISTORY







 
1991年の4月から翌年3月まで、全40話が放映されました。前作と同じく日本テレビ系列、金曜夜8時枠の刑事ドラマです。

舘ひろし、郷ひろみと続いた主役のポジションを、この『刑事貴族2』からは水谷 豊さんが引き継ぎます。

ちょうど舘ひろし編が放映されてた時期に、水谷さんはテレビ朝日系列の日曜夜8時枠で『ザ・刑事』に主演されており、その後番組が石原プロの『代表取締役刑事』ですから、結果的に日テレとテレ朝が主演俳優をトレードしたような形になりました。

『ザ・刑事』でレギュラーだった小西博之さんと中村繁之さんは後に平成復活版『太陽にほえろ!』=『七曲署捜査一係』のメンバーになるし、『刑事貴族』シリーズも『太陽~』の正統な後継番組ですから、日テレとテレ朝との間に何らかのコネクションがあったのかも知れません。だから主役の「トレード」っていうのも、それほど現実離れした話じゃないと思います。

さて『刑事貴族』ですが、郷ひろみシリーズは私にとってイマイチでした。『太陽にほえろ!』に例えると、郷さんにはスコッチ(沖 雅也)みたいにハードかつシャープな刑事像を期待したのに、実際はベリーソフトな殿下(小野寺昭)だった……って感じです。

だから、女性とのロマンス的なエピソードが多かったですね。郷さんだけじゃなく布施 博さんにまで、安永亜衣さんとの恋愛話が創られてました。女性視聴者には喜ばれたかも知れないけど、男……少なくとも私は、刑事ドラマにロマンスなんぞは一切求めません。

刑事ドラマの刑事は、走って殴って蹴って撃ってナンボです。だから、スッとした顔の若い男女が、オシャレな服着て謎解きばっかしてる昨今の刑事ドラマは本当につまんない。

『太陽にほえろ!』にも一時期、辛気臭いエピソードばっかりで「一体どうしちゃったの?」って言いたくなる低迷期がありました。ちょうど裏番組の『3年B組金八先生』がヒットしたせいもあり、視聴率まで急降下。

存続の危機まで囁かれた当時の『太陽~』でしたが、快活で型破りなキャラクターで(ベリーソフトな殿下と入れ替わりに)登場する、ドック刑事(神田正輝)が状況を一変させてくれました。

『刑事貴族』における水谷豊さんも、まさにそんな感じです。視聴率はどうだったか知らないけど、ひろみシリーズで何となく停滞してた番組の空気が、水谷さんによって一気に活性化したように、私の眼には映りました。

当時、すでに水谷さんは刑事役をかなりの数やっておられて、この番組における「本城慎太郎」はその集大成みたいなキャラクターだったように思います。

正義感が異常なほど強く、悪を懲らしめる為なら手段を選ばないハミダシ刑事で、犯人逮捕の際には必ずプロレス技を使うというw、水谷豊@刑事役の定番メニューのフルコース。

その役ごとにキャッチーな口癖を考案するのも水谷さんのお約束で、本城刑事は「あ~、お恥ずかしいったらありゃしない」とか「あ、ラッキーラッキー♪」等のフレーズがお馴染みになりました。

そんな水谷さんが加わった事で、予定調和に収まらない独特のリズムが生まれ、画面が弾んで見えるんですよね。すると脚本も共演俳優陣の芝居も、瞬時に感化されて弾み始める。『太陽にほえろ!』があの時から神田さん中心の世界観に変わって行ったのと同じような現象が、この『刑事貴族』シリーズにも起こってました。

だから、水谷豊という俳優さんが好きか否かで、以降の『刑事貴族』シリーズに対する評価はハッキリ岐れるかと思います。私は、この時点では好きでした。新鮮で面白かったです。

この時期の水谷さんって、何となく『リーサル・ウェポン』のメル・ギブソンを意識されてたように、私は当時から感じてたんだけど、如何なもんでしょうか?

ちなみに前シリーズ最終回でフッくんがあっけなく殉職(彼は最後までマヌケでした)、実質的に番組を引っ張ってた布施博さんも転属って形で降板されました。

代わって登場するのが『ジャングル』でデビューした生真面目&熱血キャラの田中 実と、体育会系イケメンの団 優太。奇しくもこのお二人、どちらも後に自殺という形で他界されてます。合掌。

そして番組中盤(19話)で高樹沙耶(現・益戸育江)と団優太が本庁への栄転って形で降板。代わりに寺脇康文と鳥越マリが新メンバーとして加わります。

さらに『刑事貴族3』の中盤には沙耶さんが復帰し、水谷・寺脇・高樹(益戸)という、後の『相棒』に繋がる水谷ファミリーが形成されて行きます。『相棒』も『ザ・刑事』と同じテレ朝の番組ですから、やっぱり日テレと何らかの繋がりがあるんでしょう。

そんなワケで、水谷さんが主役になった事により『刑事貴族』シリーズは、よりアクティブになったと同時に、コメディ色も強めて行く事になりました。

そこまでは私も大歓迎でした。舘さん編のハードボイルドな感じも良かったけど、基本的に私は明るい作風が好きなんです。『ジャングル』では見せ場が無くてブレイクし損ねた田中実さんが、ここでは準主役級でプッシュされてるのも嬉しかったです。

だけど、前にも書いた通り、回が進むにつれて若手キャスト全員が水谷さんのカラーに染まり、水谷さんのリズムに乗って、何となく一本調子な世界になって行っちゃったのが、個人的には残念でした。軽快なフック(アドリブ)の応酬みたいな掛け合いも、エスカレートすると舞台演劇みたいになって来ちゃいます。

ただ、そういうノリも私は決して嫌いじゃありません。例えば『俺たちは天使だ!』(もちろん昭和のオリジナル版)における、探偵たちの軽快すぎる掛け合いなんか大好きです。でもそれは、沖 雅也、渡辺篤史、柴田恭兵、神田正輝と、本当に芸達者な役者さんが揃っていればこそ楽しめる、かなりハードルの高い芝居なんですよね。

私の勝手な判定によれば『刑事貴族2』でそのレベルに達してたのは、水谷さんと寺脇さん、そして実さんの3人だけ。(さすがにベテランの松方弘樹さんと地井武男さんは水谷カラーに染まらなかったので例外とします)

宍戸開さんはキャラクターの良さで何とか見てられたけど、団優太さんはちょっとキツかった。女優陣にもあのノリは向いてないですよね。合わせるのがやっと、だったんじゃないでしょうか?

1人でもついて行けない人がいると、ああいうノリは崩れちゃいます。水谷さんが絡んでる場面ならうまくフォローしてもらえるけど、若手どうしだとキツいですよね。

それと、これも前に書きましたが、キャスト全員が同じ方向を見て進んでいくドラマを、私は面白いと感じられないんです。刑事どうしの対立は描かれてたけど、基本が仲良しだから予定調和にしかならないですよね。それは『太陽にほえろ!』にも言えた事で、だからこそスコッチみたいなカンフル剤的キャラクターが必要になる。

だけど『太陽~』のメンバーは全員、自分の世界ってものを確立してました。いくら番組のカラーがドック色に染まっても、あくまで山さんは山さんだし、ゴリさんはゴリさんのままでした。誰もドックのノリに合わせたりしませんからw

こういう比較論で番組を評価するのはアンフェアかも知れません。『太陽にほえろ!』は『太陽にほえろ!』、『刑事貴族』は『刑事貴族』で別モノなんだから。ただ私個人の好みとして、番組がだんだん「劇団・水谷豊」のミニシアターみたいになって行ったのが、ちょっと残念だったという事です。

なので『刑事貴族2』及び『3』は、飛び飛びにしか観てませんでした。イマイチ私は乗り切れなかったワケですね。
 
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『ザ・ゴリラ7』#09

2019-03-14 12:00:08 | 探偵・青春・アクションドラマ









 
☆第9話『必殺!青きドラゴン』

(1975.5.30.OA/脚本=長坂秀佳&甲幸司/監督=田中秀夫)

10人近い若者グループによる金庫破りが多発し、彼らが武道に精通していることから、ゴリラ7は住み込みの未成年男子たちに武術鍛練を行う謎の施設「青雲寮」に眼をつけ、最年少でカラテの使い手であるミチ(志穂美悦子)を男装のうえ潜入させます。

男子にしては声が異常に高いワケだけどw、タッパがあってやたら喧嘩の強いミチは、みごとに青雲寮の面々を欺きます。

「お前、なぜ脱がぬ? 脱げっ!」

「え……でも……」

「家の中では帽子を脱ぐんだ! 常識だろう!」

……というようなピンチ(?)も切り抜け、集団入浴という修羅場も何とか誤魔化したミチだけど、寮生の中でも最年少の家出少年=ケンイチ(下沢宏之)に着替えを目撃されちゃいます。

だけど「黙っててあげるよ」と言う優しいケンイチと仲良くなったミチは、彼に色々と教わりながら青雲寮の活動に参加するうち、その組織の正体を知る事になります。

寮生たちは武道を教わりながら日々ボランティア活動に勤しみ、どうやら金庫破りも「日本の未来を守るため」に悪徳業者の資金を没収する、慈善事業の一環なんだと思い込まされ……つまり強欲な経営者たちに洗脳されてるのでした。

ミチはその事実を風見(千葉真一)らに報告しつつ、ゴリラ7が踏み込む前に少年たちを説得すべく、自ら正体を明かします。

「みんなは確かにいい事もしてるわ。でも若さはどこにあるの? 確かに立派なところもある。でも同じ気持ちで泥棒もやってるのよ?」

「泥棒だと!?」

「堅苦しくはない? 窮屈じゃない? 若さっていうのは、自分の考え通りに、思いっきり行動することよ!」

「やってるよ、そんなことは!」

「違うわ。知らない間に、誰かの考えを押し付けられてるのよ。ここでは自由にお喋り出来ないのはなぜ? 自由に辞められないのはなぜ? この中に恋人がいる人いる? ガールフレンドを持ってる人いる?」

「…………」

「もっと楽しくやるのが若さよ! 喋りたい時は喋る。デートしたい時にはデートする。踊りたい時には踊る!」

そう言ってミチは、柔道着姿のままゴーゴーを踊って見せますw

「さぁ、踊りましょ? みんな、踊るのよ! 自分の心はどこへ行っちゃったの!?」

いかにも'70年代らしい青春ドラマ演出にはちょっと笑っちゃうけど、ミチが言ってることは的を得てるし、後のオウム真理教やイスラム国問題にも通じるメッセージには心を揺さぶられます。

その甲斐あって少年たちは目覚め、駆けつけたゴリラ7と力を合わせて悪い大人たちをやっつけるのでした。

通常はアメリカ製アクションドラマ『スパイ大作戦(MISSION:IMPOSSIBLE)』やフランス映画の怪盗モノみたいな話が多い『ザ・ゴリラ7』ですが、今回は最年少のミチ=志穂美悦子さんが主役ということで、青春ドラマテイストのカラテ・アクション編となりました。

冒頭、格闘技に精通するには日々の鍛練が必要であることを説明する為に、わざわざ千葉真一さんが弟=矢吹二朗さんと志穂美さんを相手にスパーリングしたり、青雲寮のシーンではミチVSケンイチの回し蹴り対決まで見せてくれる大サービスぶり。

たかが少年相手と見くびるべからず。ケンイチを演じた下沢宏之さん(画像5枚目)は、後に「真田広之」と改名して日本アクション映画界のエースとなり、ハリウッドに拠点を移してジャッキー・チェンと対決する事にもなる、あのお方なんです。

当時14歳で、さすがに幼すぎてスターのオーラは感じられないけど、純朴なお人柄は伝わって来るし、動けばやっぱりシャープだし、何より志穂美悦子VS真田広之のカードが(テレビ番組ゆえ)タダで見られるという贅沢さは、アクション映画ファンならずとも垂涎モノかと思います。

さらに今回は夏八木 勲さんも華麗な格闘アクションを披露。千葉さんと共演の多い夏八木さんは公私共に仲が良かったそうで、普段からJACに出入りしてアクションを練習されてたんだそうです。

アクションはアクションでも、一流スターたちが自ら演じるアクションには格別の価値があります。こんなフィルムを毎週、しつこいようですが「タダで見られた」という夢のような時代。ほんと素晴らしい!の一言に尽きます。
 
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『ザ・ゴリラ7』#01

2019-03-14 00:00:10 | 探偵・青春・アクションドラマ









 
1975年の4月から10月まで、NET(現テレビ朝日)系列の金曜夜9時枠で全26話が放映されたアクションドラマ。

TBS『キイハンター』をきっかけに世界的アクションスターとなった千葉真一さんを主演に迎え、NET&東映が制作した娯楽アクションドラマ『ザ・ボディガード』('74)に続く第2弾で、この後も『燃える捜査網』('75~'76)、『大非常線』('76)と千葉さん(&JAC)の現代アクション路線が続いていきます。

どうやら民間組織らしい秘密部隊「ゴリラ7」は銃器で武装した私立探偵事務所みたいな感じで、その底抜けに明るいノリは後の『俺たちは天使だ!』を彷彿させます。

メンバーは千葉真一を筆頭に、にしきのあきら(現・錦野 旦)、目黒祐樹、千葉治郎(現・矢吹二朗)、志穂美悦子、マリア・エリザベス(現・森マリア)、そして夏八木 勲の7人に、マネージャー役の中丸忠雄。

なかなかの豪華メンバーで、中でも千葉さんと志穂美さんは当時それぞれ主演映画を連作しながら、その合間を縫ってのレギュラー出演で相当なハードスケジュールだったはず。

最大の見所はやっぱりそのお二人のカラテ・アクションで、それが毎週テレビで見られるだけでも贅沢すぎるほど贅沢なんだけど、さらに当時まだ19歳だった志穂美さんの可愛らしさ、他作品では見られないハツラツ演技やお色気サービスが貴重にも程があります。

『ターゲットメン』と同様、ストーリーはあって無いようなもんだけどw、これだけの見所があればドラマ要素などかえって邪魔になるやも知れず、やっぱり華麗なアクションと可愛い女の子が持つ吸引力は無敵です。

もちろん千葉さんと志穂美さんだけが作品を支えてるワケじゃなく、当時バリバリの二枚目歌手でセクシーだった錦野さん、実写版ルパン三世そのまんまの軽妙さが光る目黒さん、実兄・千葉さんに負けないシャープなアクションで魅せる矢吹さん、後に『Gメン'75』でも活躍されるモデル体型の森さん、そして飄々としながら時おり鋭さも見せる夏八木さんと、華も実力も兼ね備えたメンバーが揃ってて一瞬たりとも退屈させません。

兎にも角にも娯楽に徹した本格アクションドラマで、こんな作品は石原プロの『ゴリラ/警視庁捜査第8班』(の初期) 以来、日本のテレビ界から消滅しちゃいましたよね。

その『ゴリラ』はタイトルが似てるだけじゃなく、アジトに銃器倉庫や射撃訓練ブースがあったり、マネージャー役のオジサンがいたりと共通点が多く、もしかしたらこの『ザ・ゴリラ7』をベースに企画が練られたのかも知れません。

ちなみにフランスでは大統領の身辺警護者たちを愛着をこめて「ゴリラ」と呼んでるそうで、それがタイトル『ザ・ゴリラ7』の由来なんだとか。決して千葉さんの容姿を揶揄したワケじゃないんですねw

だけど千葉さんの逞しさと愛嬌は「ゴリラ」の名がぴったりで、その魅力を最もストレートに表現した連ドラとして、もっと再評価されて然るべきじゃないかと私は思います。ほんと理屈抜きに楽しい作品です。
 
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『ターゲットメン』#01

2019-03-13 00:00:06 | 探偵・青春・アクションドラマ










 
1971年の10月から1972年の元旦まで、NET(現テレビ朝日)系列の土曜夜8時枠で全13話が放映された、なんと小林 旭 主演によるアクションドラマ。

制作はNET&東映、音楽は山下毅雄。こんな番組があったことを私はつい最近まで知りませんでした。

警視総監によって選抜された4人(スタート時は5人)の秘密捜査官たち=通称ターゲットメンが、犯罪組織に潜入してテロ事件を未然に防ぐ、刑事物というよりはスパイ活劇に近い内容で、大ヒット作『キイハンター』(TBS系列) の影響を受けた数ある番組の中の1本。

その『キイハンター』が同じ土曜日の夜9時枠でまだ放映中で、明らかにその視聴者層を狙っての企画なんでしょうけど、やはり裏番組(ドリフ)が強すぎたせいか僅か1クールで終了、つい最近まで再放送もソフト化もされない幻の作品になってました。

ターゲットメンに扮するのは小林 旭を筆頭に、上月 晃(初期3話のみの特別出演)、若林 豪、奈美悦子、大石悟郎。悪くないメンバーだけどドリフに対抗するには渋すぎたかも知れませんw

ストーリーはあって無いようなもんで『キイハンター』に日活無国籍アクションのムードをミックスさせた西部劇テイスト。本作が終了した'72年の夏にスタートする『太陽にほえろ!』との共通点は「日活出身のアクション大スターが主役である」ことの1点のみ。

ただし基本は電話番だった『太陽~』の石原裕次郎さんに対して、こちらの小林旭さんはかなり身体を張ったアクションを毎回見せてくれます。初回では走行中のトラックにしがみつき、後の『レイダース/失われたアーク』におけるハリソン・フォードを彷彿させるハードアクション(元ネタはジョン・フォード監督の『駅馬車』)も披露してくれました。

キャラクターの掘り下げは一切ありません。何しろ小林旭さんは拳銃でビリヤードの球を撃って百発百中でゲームに勝つというw、あり得なすぎるスーパーマンとして描かれてます。

とにかくミッションを遂行するターゲットメンの活躍を華麗に描くこと、それのみに徹したストーリーに感動の涙は1滴も流れませんw 石原プロの『ゴリラ/警視庁捜査第8班』をさんざん「ドラマが無さすぎる」って批判しましたけど、本来アクションドラマってのはそういうもんなのかも知れません。

ただし、この時代の番組はドンパチ(銃撃戦や爆破)よりも肉体アクションに力点が置かれており、ドラマ性は薄くても見応えがあります。その違いは(少なくとも私にとっては)かなり大きい。

しかもTVドラマへの出演が極端に少なく、たまに出ても時代劇が中心だった小林旭さんの、これは唯一の現代アクションドラマですから、一見の価値は絶対あります。

全身全霊でカッコつけてる旭さんのチョー昭和的な二枚目演技が、日活映画をあまり観て来なかった私にはかえって新鮮で、正直めっちゃ笑えますw

そんな旭さんの番組が短命に終わり、あくまで自然体の裕次郎さんや格好悪さをカッコよく見せちゃうショーケンさんによる『太陽にほえろ!』が大ヒットしたのは、新たな時代の到来(カッコ良さの定義と演技スタイルの大変革)を象徴してるように思います。

観る機会はなかなか無いかも知れませんが、もし万が一あれば一度試しにご覧あれ。若き若林豪さんも無論カッコいいし、まだ初々しい奈美悦子さんも可愛くて、萌えますw
 

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