源氏物語と共に

源氏物語関連

香りについて

2009-09-29 09:24:29 | その他

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第1回ハーブ&スパイス検定を受けてきました。


受かったかどうかは別にして、
このブログで話題にした源氏物語のにんにくの話や正倉院の御物が
問題に出てきたので、ちょっと嬉しかったです^^


先日の講座でも話題になりましたが、今は、アロマが流行っています。
しかし、私はどうも苦手。
アロマ精油は凝縮した香りなので、瓶をあけた時に
私にはきつく感じられます。


むしろ、お香の方が遠くからでもそこはかとなく香り、
私にはこちらの方が合っているように思いました。


お香をされている方は、お香をきくと元気になると言われています。


しかし、アロマも同様に様々な効果があります。
もともとは自然の香り。


何か香りには不思議な力があるのでしょうね。
平安時代も、お香で効果をもらっていたのかもしれません。


ハーブも様々な効果がありますし、
ハーブはむしろ漢方に近いのかもしれません。


藤袴の花は平安時代にとても好まれました。
らに(ラン)の香りといわれ、秋の七草。
葉はそこはとなく桜餅の香りがするとか。


源氏物語では、玉鬘が頭中将の娘で実姉でないと知り
夕霧が藤袴を使って、玉鬘に私の心をご存知ですかと詠む場面と巻名が有名です。
藤袴
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%B8%E3%83%90%E3%82%AB%E3%83%9E


残念ながら、我が家の藤袴が鉢で根詰まりしているせいか
花が見られる前に時期が終わります。
きっと花が開いたら良い香りかと思うのですが、地味で馴染めません。


先回に玉江さんのコメントに
薫の香りについて、仏教系に類似例があるようだと書きました。


源氏物語の香りについては、様々なご本もありますので、
またご参考になさってください。


鎌倉鶴岡八幡宮の蓮画像。花も終わり、実がなっています。


荷葉(かよう)という香りは夏で蓮の香りと、
亡くなられた氷室冴子さんの「なんて素敵なジャパネスク」で知りました。
どんな香りなのでしょうか。
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源氏物語のハーブ&スパイス

2009-09-26 09:53:35 | その他

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興味があったハーブ&スパイス講座に参加。


現代でもハーブ&スパイスは盛んですが、
日本にも、古くからあることに気づきました。


源氏物語「ははきぎ」の巻、
雨夜の品定めに風邪を治すために
「にんにく」の女が出てくるのは有名ですね。


本によると、「にんにく」は古代エジプト時代、ピラミッドを作る人に
すでに強壮のために使われていたとのこと。
ミイラにもシナモン(肉桂・にっき)が防腐のために使用されていたそうです。


日本でも8世紀の正倉院御物にシナモンなどがあるとのことでした。
今も有名な京都名物のお菓子八つ橋はニッキを使用していますね。


スパイスはアジア原産のものも多く、
シルクロードで運ばれたことも理由でしょう。
蘇芳などもそうです。


実際に、漢方として入ってきたものもあり、
源氏物語では染色にも盛んに使われています。


匂宮は薫の体の自然な香りに張り合うように、
丁子(クローブ)染めの衣装をまといます。
さぞ良い香りがしたことでしょう。


蘇芳、紅花(サフラワー)も染色に使用。
うこん(ターメリック)色もあります。


かんぞう(リコリス)は悲しみの色とされます。


セリを摘んでいたり、
万葉集では「はじかみ(しょうが)」の種類もあったようです。


お香でもそうですが、沈香他
大変貴重なものが平安時代の貴族には伝わっていた。
その財力は想像以上でしょう。


そんな事を感じながら、
源氏物語を読んでいくのも面白いと思います。


次第に秋になってきました。虫の音も聞こえます。
観月会や紅葉狩、自然の恵みに感謝できる日本です


画像は生八つ橋(ウィキ・・より)




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客観的?な紫式部

2009-09-17 08:39:03 | 紫式部
「紫式部集」では、
子供への歌は1首だけだそうです。




世を常なしなど思ふ人の、をさなき人のなやみけるに、
から竹といふもの瓶(かめ)にさしたる女房の祈りけるを見て

    若竹の おひゆくすゑを 祈るかな  
      この世をうしと いとふものから   (紫式部集)  




世を無常だと思う私の子供(賢子)が病気になり、
女房がから竹の生命力にあやかって
まじない?で子供の側に、から竹を花瓶に挿す。
その女房が祈っているのを見て詠んだ歌。


普通、母なら子供の病気の時はつらいと思うはず。
髪の毛を振り乱して神様仏様!と祈るのが普通だと思うのですが、
そんな時に、自分が世を無常だ厭っているなどと歌にあるのが
とても不思議に思いました。


紫式部はこの場面を病気の子供、女房そして眺める自分。
何だか傍観しながら客観的に見ているような感じがします。


(ちなみに、から竹はマダケ。普通のタケノコの竹。
唐竹ゆえ中国産とも、いや日本自生かともいわれる。竹は生命力が強い)


しかし、源氏物語では、ヒロイン若紫の登場シーンや、
匂宮や薫の幼い頃の描写は非常に可愛らしく、
母親として子供を見る目が描かれていると思います。


匂宮が紫の上と梅の木を守る約束場面。
匂宮が「母よりもおばあ様(紫の上)が恋しい」と
「目おしすりて」涙をまぎらわせ、最後は涙を見られるのが恥ずかしくて行ってしまう場面など大変可愛らしい描写があります。


また、夕霧が柏木の子であると気づき、幼い薫をじっと観察する場面。
薫がタケノコをよだれをたらしてかじっている様子なども
女性らしい母の目を感じます。




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朝顔(2)追記あり

2009-09-09 08:59:13 | 
今朝は涼しさに目が覚めました。


今年はまた蒸し暑さがぶり返していましたが、
やっと秋の気配がするようになりました。


月も美しく、普段なら夏の夜から虫の音が聞こえるのが、
今年は今頃やっと鳴くようになりました。


今年の中秋の名月は10月3日あたりのようです。


さて先日の朝顔は肝心な事を忘れていました。


朝起きの顔だけでなく、
花がすぐにしおれることから、
朝顔の露と結びつき、露とあらそうはかなさや
無常を表象しています。



(新古今集・秋)
おきてみむと思ひしほどに枯れにけり 
  露よりけなる朝顔の花    

(紫式部集)
消えぬまの身をも知る知る朝顔の
  露とあらそふ世を嘆くかな    




また、枯れるという言葉と結びつけたり、
秘めたる恋と結びつくイメージもあるようです。
(万葉集)
人しれずこひはしぬともいちしろく 
  いろにはいでじ朝顔の花 




このイメージの延長で枯れる関係というか、
宇治十帖で薫が大君追懐に朝顔が刻まれると、
古典文学植物誌知っ得の原岡文子氏は言われています。
光源氏と朝顔の君との関係も、何となく納得するイメージですね。


朝顔種子は漢方では下剤などだったようです。


朝開いて夕方にしぼむ花の風情がありますが、
近代では有名な「朝顔に釣瓶取られてもらひ水」のように、
単に花の美しさをたたえたものもあるとのこと。


最近では秋になってもずっとたくましく咲く
朝顔系の花も見かけるようになりました。


余談ながら、朝鮮朝顔はダチュラ。
一時流行ったエンゼルストランペットのことです。


花も木も大きくて驚きます。
http://kitola.hp.infoseek.co.jp/dokusou/c-asagao.html
深山毒草園」サイトより


(追記)
朝顔の色を知りたかったので、調べました。
長崎盛輝「かさねの色目」では表・縹裏・縹とあり、
当時は白と青の花だったが、
青色の方を重ね色目としたのだろうとありました
しかし、衣類の色としては平安時代にはまだ出てこないとも。


城南宮の「源氏物語の庭」でも同様に縹(はなだ)色になっています。
当時は白色かな?とも思いましたが、同じ白色の夕顔とかぶりますね。
露草同様に青色の朝顔も綺麗だと思います。


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