源氏物語と共に

源氏物語関連

蜻蛉

2008-11-29 11:36:36 | その他
蜻蛉の巻


蜻蛉の意味を調べたら、ちょっと違っていた。
私はてっきりウスバカゲロウと思っていたが、
カゲロウはトンボという意味もあるそうだが、
はかないもののたとえなんでしょう。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%82%B2%E3%83%AD%E3%82%A6


庭の葉裏に糸を伸ばしたような先にちいさな白い点があって、
それがてっきりウスバカゲロウの卵とかとばかり思っていた。
勘違いかもしれない。


薫が最後に詠んだ
ありと見て手にはとられず見ればまた
          ゆくへもしらず消えしかげろう   (蜻蛉)




なかなか良い歌のように思う。


しみじみして薫の君が可愛そうに思った。


ゆくへで、「橘の小島はかはらじをこの浮舟ぞゆくへ知られぬ」(浮舟)
という浮舟の歌も思い出す。


講座では全く人気のない薫。


口語訳では私は薫が良いと思っていたのに、講座では皆さんに総スカンだった。


実際、宇治十帖の原文を読む度に、
薫のイメージが崩れていったのは残念だった。


薫の浮舟をのぞく姿は、衣の音がするからと上着を脱いで下着姿であったし、
憧れの女一の宮の薄物姿を覗き見した後は、
女二の宮に同じような姿でコスプレをさせている。


最後は女一の宮の手紙を得るため、明石中宮に頼んで
親しくもなかった女二の宮への手紙を得ている。


滑稽であり、見苦しい点は父柏木が帝に頼んで手に入れた唐猫のくだりのようである。


宇治十帖になってから、匂宮も薫も世俗的すぎる描き方で、
その内容に少々うんざりしている。


紅梅の巻で、源氏のはしがはしにもかからない人達といわれていたが、
今思うと光源氏の世界はやはり上品だった。


恋に落ちた薫は愚かにも大君の像まで作りたいと言い出し、
声も似ている中の君にせまるがすでに身重であることを知り、手をひく。
大君の形代として浮舟を得るが、匂宮も浮舟を手に入れてしまう。


2人の間で浮舟は悩んで、姿を消してしまう。
宇治川に身を投げたとされるものの、遺体のないまま葬儀が行われた。


蜻蛉のようにはかない、世の無常。
この和歌を最後に蜻蛉の巻は終わった。


いよいよ「手習」と「夢の浮き橋」で最後。
どんな源氏物語になるのか楽しみである。


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徳川美術館

2008-11-26 09:35:00 | その他

イメージ 1


名古屋の方から、徳川美術館のチラシをもらいました。


国宝絵巻、「橋姫・宿木(三)」の展示と
日本の楽器展があります。
徳川美術館
http://www.tokugawa-art-museum.jp/


私が注目しているのは、チラシ裏にあった南宋の七弦琴。
源氏物語の時代よりも後世ですが、
すたれていたという琴(きん)が残っているのは珍しいですね。


パンフだけでも聞いてみましょう。


ご存知かもしれませんが、
京都の藤袴プロジェクト
http://www.kbs-kyoto.co.jp/contents/fujibakama/


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レッドクリフ

2008-11-18 23:52:26 | 日記
源氏物語と全く関係ないのですが、
話題のレッドクリフを観てきました♪


「三国志」を全く知らないから、かえって良かったのかもしれません。


レディースデイだっただけに、朝からすごい人でビックリ!


や~、来年のパート2も観ようと思います。


原作を知っている方はイメージが違うかもしれないけれど、
色々な武将が出てきてへぇ~と感心。


血がいっぱい出て最初は苦手でしたが、後半その内容の良さに引き込まれ
三国志にとても興味を持ちました。


スケールの大きい壮大な映像も、そのお金がかかっているだろう映像にも驚きました!
音楽もなかなか良かったですね~


個人的に琴の場面では何弦か?と思ってみたり(笑)


配役が結構良かったので、調べました。


「さらばわが愛/覇王別妃」の主役の方が曹操の役とは知らなかった。
トニーレオンさんも金城武さんも素敵☆でしたが、
役が良かったのか、ちょっと注目の俳優さんもありました。


美しい林志玲さんの映画デビューも良かったです♪
もう一人の女の方も良かったです。


せっかくの「赤壁の戦い」はパート2に続くとの事。エッ~?でしたが。




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大映映画 「浮舟」

2008-11-17 10:34:48 | その他
先日、学祭で古い大映の映画 1957年作 源氏物語「浮舟」を観ました。

この映画は昔にローカルなTVで観た時は、画像が暗くて途中で挫折。

しかし、今回は大きな画面で綺麗な色もついており、
皆さんと一緒なので、最後まで観ました~
http://www.kadokawa-pictures.co.jp/official/genjimonogatari_ukihune/

薫に長谷川一夫、
匂宮に市川雷蔵、浮舟に山本富士子。
音羽信子が中の君、三益愛子が浮舟の母、中村玉緒が浮舟の侍女でした。

この頃の大映の映画に写るものは、ほとんどが本物と聞いています。
衣装や調度品、建物、小道具にいたるまで、素晴らしい☆と思いました。
特に衣装の布が綺麗でした(高島屋)

内容はかなり違ったところもあったり、あくまでも長谷川一夫が主役の映画です。
つい笑ってしまった所も沢山ありました。
女性を撮ると美しいといわれる衣笠貞之助監督のようです。
その後の談笑で出演者の話などつっこみどころ満載でした。


昨夜も、CS時代劇チャンネルで1951年の源氏物語(白黒)をしていましたが、
浮舟の時よりも6年前。
長谷川一夫の光源氏が踊る場面はまだ若くて綺麗です。
音羽信子の若紫がとても可愛く、木暮美千代の藤壺が色っぽくて・・?
こちらは吉村公三朗監督です。こちらもつっこみどころ満載でしょう。
白黒はきつい・・

市川雷蔵が光源氏で「源氏物語」も以前にローカルなTVでしていました。
寿美花代が藤壺で?と思ったのを覚えています。
映画 源氏物語 色々
http://homepage3.nifty.com/genji_db/eiga.htm


この12月に、南座顔見世の夜の部に市川海老蔵の光源氏があるそうです。
どんな光源氏でしょう。口跡が良いと聞くので、きっと素敵でしょうね~☆

講座では、伊丹十三の光源氏も良かったという人や、
宝塚の春日野八千代が最高だったという人もいます。
私はたぶん生まれていないので、全く知りません~

沢田研二や東山紀之の光源氏ドラマは見たと思いますが、
詳しい記憶がありません~
ジュリーはこの間のNHK音楽番組で見たら、
顔が長谷川一夫に似てきたような~(笑)

吉永小百合が紫式部役の「千年の恋」は
ちょっと内容がメチャクチャなように思いました。

光源氏はいったい誰がはまり役でしょう。
難しいです。

・・という訳で昨夜の教育TV源氏物語特集を見逃しました。
再放送はないようで残念!
http://www.nhk.or.jp/etv21c/backnum/index.html
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縹(花田)色

2008-11-14 09:15:43 | 

イメージ 1


何かの折に寂聴さんが説明されていて印象的な場面の色が東屋に出てきた。


浮舟と契った薫が宇治へ浮舟を連れて行く道中、
霧がたちこめ、袖がぬれて、桂の紅と直衣の縹(はなだ)色の着物が重なり合っって
色変わりして二藍(ふたあい)=紫がかった色  に移って見える



山深く入るままにも、霧立ちわたるここちしたまふ・・
・・・袖の重なりながら長やかに出でたりけるが、川霧にぬれて、
御衣(おんぞ)紅なるに、御直衣の花のおどろおどろしう移りたるを(東屋)




縹(はなだ)は藍だけで染める青色のこと。
縹は花田とも書かれ、、花とは「つき草」つまり露草の事である。
花の夏期に花を採取して汁を紙にふくませて保存し、
染色時に花の色素を水に溶かし布に移すことから「移し色」とも呼ばれるが、
大変褪色しやすい。


枕草子でも『つき草。うつろひやすなるこそうたてあれ』とあり、
後には藍のみで染めた色の総括となる。


もっとも花田は当て字と見る説もある。花色は花田色の略。


縹色は藍色より薄く、浅黄色(あさぎいろ)よりも濃い。
(浅黄色は浅葱色とも書き、若い葱の色)


藍色はタデ科の藍草で染められた色。浅黄色はその藍の薄い色。
しかし、縹色だけが藍のみで染められている。


藍色も浅黄色も、刈安や黄蘗(きはだ)などの黄色染料が掛け合わされ
緑がかった色になる。


縹色のみが
黄色がまったく感じられない空の色ととらえていたようだ。


霧にぬれて衣装の赤系と青系の袖の重なりが紫色に移ってみえるとは
綺麗な描写である。


(吉岡幸雄「日本の色辞典」と長崎盛輝「日本の伝統色」より抜粋)
画像は日本の色辞典から。


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