源氏物語と共に

源氏物語関連

伊勢物語のふかきこころ 絵合

2014-05-24 10:38:20 | その他
図書館で本を借りると、色々と思うことも多い。

絵合で、伊勢物語と正三位で判断に決めかねていた時、

平内侍に

 伊勢の海のふかきこころをたどらずてふりにし跡と波や消つべき..
 世の常のあだごとのひき繕うひ飾れるに圧されて、業平が名をや朽すべき

宮(藤壺)

 兵衛の大君の心の高さはげに棄て難けれど、在五中将の名をば、え朽さじ と宣はせて  
 見るめこそうらふりぬらめ年経にし伊勢をのあまの名をや沈めむ


と、最終的に藤壺が伊勢物語を良いとしたので、光源氏側(梅壺)が勝ったとある。

山本利達先生のご本をみると面白かった。

源氏物語というのは、比較的紫式部の時代より前の時代設定である。
しかし、書にかんしては今の小野道風(連綿仮名を成立?)を良いとするようだが、
一般的に古きものを良いとする感じもする。

7弦の琴(きん)などもそうだろう。

この藤壺が伊勢物語に流れる深い心といったものをとったのも、
ただ華やかな正三位ではなく一件古いと思われる伊勢物語の、
底に流れる心を、良しとしたのだろうという事だった。

このあたりは興味深い。
伊勢物語の価値、惟喬親王にずっと仕えたという心、
そして清水好子先生によると、
伊勢物語といえば、業平と五条二条后の恋、伊勢斎宮との恋。

藤壺の恋と、業平事件を容認しようとする作者の意図が感じられるという事であるから、
最後に、光源氏が描いた須磨明石日記絵が

皆の心をつかんで
光源氏側が勝った。

それこそ、
光源氏が「中宮(藤壺)ばかりには、見せ奉るべきものなり」
だったのだろうという事である。

(追記)
結局、源氏物語というのは、
その時代の皆が知っている事柄なども参考に、
登場人物の設定を考えたのではないかという事。

現代では伝わっていないお話も、
その要素になっているかもしれません。
そしてはっきりとは語られない宮中のウワサ話なども
上手に取り入れて設定したお話になっているのかもしれませんね~

コメント
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