井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

手稲山山麓の花たち4

2014年06月20日 | 日記


シウリザクラの花。バラ科サクラ属。
サクラ属は大世帯でサクラ、ウワミズザクラ、バクチノキ、スモモ、モモの5亜属に分けられる。
シウリザクラはウワミズザクラ亜属で花はウワミズザクラにそっくり。
シウリザクラの開葉はそれ程遅くないが開花は開葉よりずっと遅くなる。



シウリザクラの葉。
シウリザクラの葉、基部はハート形(心形)で蜜腺は葉柄上部につく。
花がそっくりなウワミズザクラでは、葉の基部は円形で蜜腺は葉柄ではなく葉身基部につく。
葉をチェックすることで良く似た両者を見分けることが出来る。



シウリザクラの葉の巻くオトシブミ。
オトシブミは葉が柔らかいうちに巻いて中に卵を産みつけ、「ゆりかご」をつくる。
ゆりかごをつくるときに粘液を使わないという言い方もされるが、このシウリザクラの葉では何らかの粘液が使われているようである。
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手稲山山麓の花たち3

2014年06月19日 | 日記


ニシキゴロモ。シソ科キランソウ属。
葉の色が美しいことから錦の衣に見立てて「錦ごろも」と名でけられたとされるが、少し名前負けしている。
花の上唇は小型で2裂、下唇は大型で3裂する。



サルメンエビネの蕾。ラン科エビネ属。
ラン科には常緑葉をもつものが多いが、日本のエビネ属は全てが常緑性。
サルメンエビネも緑葉で越冬する。その越冬葉はサイハイランにも似るがサルメンエビネの方がずっと大型になる。新しい葉の中から花序(蕾)を伸ばす。



サルメンエビネの花。
萼片や側花弁は黄緑色、唇弁は紫褐色を帯び、縁は縮れて中央に3個のとさか状突起がつく。
サルメンエビネは寒地性のエビネで夏の暑さを嫌うという。
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手稲山山麓の花たち2

2014年06月18日 | 日記


オオタチツボスミレの白花。スミレ科スミレ属。
オオタチツボスミレの白花品。カタクリやエゾエンゴサクの白花はアルビノとして稀に現われるものとされるが、オオタチツボスミレの場合は群落をつくることもあり1品種扱いされる。



タニギキョウ。キキョウ科タニギキョウ属。
キキョウは秋の七草にも数えられ、「草原に咲く青紫色の秋の花」というイメージになるが、タニギキョウは「谷」の名前通り日陰を好む「白い初夏の花」である。
花冠は5裂、花柱は3裂で、地下茎を伸ばしてしばしば群落をつくる。



クマイザサの食痕。イネ科ササ属。
北海道の日本海側に分布するササはチシマザサ(ネマガリダケ)とこのクマイザサ。
標準和名はシナノザサだが、北海道ではクマイザサの方が通りがいい。
クマイザサやチシマザサの葉に連続した穴をあける犯人はコチャバネセセリ、笹類を食草とする。
茎頂の未展開の葉(ひも状)の端を食いちぎることで、葉が展開するときれいに連続した穴が並ぶ。
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手稲山山麓の花たち1

2014年06月17日 | 日記


キジムシロ。バラ科キジムシロ属。
座布団状に拡がる葉を雉の座るむしろに見立て「雉むしろ」と呼ばれる。
葉は奇数羽状複葉で3小葉のものも混じることで3出複葉のミツバツチグリと見間違うこともあり要注意である。
花をつけて普通葉をつけない茎を「花茎」と呼び、キジムシロのような茎葉が根出葉と比べて著しく小型になるのを「花茎状」という。



ミツバツチグリ。バラ科キジムシロ属。
開花期が一緒で全体にキジムシロによく似ていて、両者の見分けが観察会などの課題となるが多い。
5小葉以上の葉がなければ「三つ葉ツチグリ」となるが、その確認には以外に手間がかかる。
キジムシロは葡蔔枝を出さないがミツバツチグリは葡蔔枝(ストロン)だす。



ヒメヘビイチゴ。バラ科キジムシロ属。
ヘビイチゴ属のヘビイチゴは花後花床が膨らんでイチゴ果状となるが、ヒメヘビイチゴはキジムシロ属で花床は花後も膨らまない。
3出複葉でミツバツチグリに似た部分もあるが、ミツバツチグリが花茎に複数の花をつけるのに対してヒメヘビイチの花は葡蔔枝上の1個つき、葉と向かい合ってつく。(葉対生という。)
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アリ散布14ヒメオドリコソウ2

2014年06月16日 | 日記


ヒメオドリコソウの群落。
ホトケノザが個体数を減らしている中で、ヒメオドリコソウは大きな群落を作っていて多年草のような雰囲気をみせる。



ヒメオドリコソウ、秋の開花。
ヒメオドリコソウの花期は5~6月とされているがこの花は10月下旬に開花している。
環境に応じて柔軟に対応できることが個体数を増やしている秘密かもしれない。



モミジバヒメオドリコソウ。
葉の鋸歯が深く切れ込んで「モミジ葉」の名がつけられる。
ヒメオドリコソウとホトケノザの交雑種であるという。
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