井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

冬芽の観察3・鱗芽の樹バッコヤナギ1

2015年01月17日 | 日記


バッコヤナギの冬芽。ヤナギ科ヤナギ属。
バッコヤナギの冬芽はミズナラとは対照的に芽鱗の数は少なく1枚のみ。赤褐色で無毛。
芽鱗の多いミズナラは一斉開葉型(1年分の葉をいっぺんに開く)で、芽鱗の少ないバッコヤナギは順次開葉型(枝を伸ばしながら芽を作り開葉していく)である。
花芽はふっくらして大きく、葉芽は小さい。
互生(2/5ラセン生)で、葉痕はⅤ字型。



バッコヤナギの芽吹き。
冬芽を包む芽鱗は新年を迎える頃には成長をとめる。中の芽は春を前に成長し膨らんでいく。
1枚ものの芽鱗は接合部が破れるか、枝につく基部が離れてキャップを脱ぐようにして落ちる。
ヤナギの仲間は葉の展開前に開花する。灰色に見えているのは尾状花序で、多くの毛に被われていて「猫」と呼ばれる。
ネコヤナギとも呼ばれるが、別に標準和名でネコヤナギと呼ばれる低木があるので、バッコヤナギは「山ネコヤナギ」の別名で呼ばれる。
灰色の尾状花序を老婆の白髪に見立てて「バッコ柳」と呼ばれる。「バッコ」は東北弁でお婆さんのこと。



バッコヤナギの小枝。
赤褐色で比較的大き目の冬芽が2/5ラセン生につく。
バッコヤナギの芽吹きは早い方で、この後芽鱗が破れて灰色の花穂をのぞかせる。
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