井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

北海道の花ツチアケビ2

2018年08月13日 | 日記


ツチアケビの花。
3枚の萼片は三菱形につき、2枚の側花弁は萼片とほぼ同形、同色。唇弁は肉質で黄色、中央に雄しべと雌しべが合着した「蕊柱」をつくり、
花粉塊を昆虫に託す。



ツチアケビの果実。
ツチアケビの果実は図鑑に「肉質でバナナ状に下垂」と表現されるが、ウィンナー・ソーセージと言った方がぴったりする。
この多数の果実をつける姿が修験僧の持つ錫杖に似るというので「山の神の錫杖」の別名もある。



ツチアケビの果実と種子。
ラン科の果実は蒴果で熟すと裂開して微細な種子を風に似せて散布するのが普通。
しかし、ツチアケビの果実は完熟しても裂開しない。
スイカ並みの甘味があるともいい、動物に食べられて種子散布がなされる。
種子はラン科の中では大きい方で周囲に翼がつく。動物の糞が乾燥した後、風に乗って飛ぶものと考えられる。
ツチアケビの果実を乾燥したものは「土通草」と呼ぶ生薬で強壮剤になるという。「通草」は「アケビ」のことで、ツチアケビの名はこの生薬名からとも言われる。
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