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ヨハネの黙示録13章

2021年09月17日 06時59分37秒 | ヨハネの黙示録
ヨハネの黙示録13章 二匹の獣
1.海からの獣(13:1-10)
12章から続くドラマの配役として、赤い竜の協力者、二匹の獣が登場します。一匹は海からの獣。もう一匹は地からの獣です。
最初に海の獣。不気味な外観をしています。獣が被る冠のギリシア語は、王位を意味するディアデーマ。12:3では7つの冠。ここでは10の冠です。一説に、すべての統治者を総称する数とされます。ひょうは、荒々しく、素早いことを意味し、熊は強力な破壊力、獅子は脅かし、つまりこれら獰猛な動物の姿を通して、地上を支配する者の圧倒的な力を語っているのでしょう。この獣は竜、つまりサタンに権威を与えられています。それは、神を汚し、キリスト者を迫害し、あらゆる地に支配権を振るうのです。この海の獣については、種々の学説がありますが、昨日も述べたジュイッシュ・トラディション、つまり旧約聖書の象徴的表現と関連して考えると、ダニエル書にある第一の幻に通じる内容です(7章)。ダニエル書では、海から上がってきた四つの獣は、具体的にバビロン、メド・ペルシア、ギリシア、ローマと帝国主義的な支配の象徴でした。ヨハネはそのイメージを統合して一つの獣とし、過去から未来に至る地上のあらゆる横暴な政治的権力者を象徴的に語っているのです。
5節、「四十二か月の間」これは11章の異邦人が踏みにじる42カ月、つまり二人の証人が証言をする期間の1260日と同じです。8節、地に住むというのは、地上に住んでいるというよりも世俗の価値観に生きている人のことです。そのような人たちが、皆獣を拝むようになる、つまり妄従するというのでしょう。そんなことがあるのかなあと思うかもしれません。けれども、日本人もつい70年ほど前は、そのような時代を過ごしました。
2.地からの獣(13:11-18)
 次に、11節、この海の獣の協力者として地の獣が登場します。12節、この地の獣は海の獣の像を造り、人々に拝ませています。そして拝まない者をみな殺させています。さらに17節、一つの許可書を与え、売買の自由や生活権を奪いながら、海の獣、強いては海の獣に権力を与えた竜、サタンに人々を仕えさせています。これもかつて、キリスト教会の牧師たちを含む神道、佛教、キリスト教のすべての宗教家が、アジアの被支配国の人々に、宮城遥拝を強制するように動員された時代を思い起こすと、あながちありえないことではありません。ちなみに、18節の「666」という数字、これは皇帝ネロのヘブル語名を数字化したものという説、またユダヤの完全数を7とすれば、6は不完全な支配の力を意味するという説があります。
こうして12-13章を通じて、大きな赤い竜=サタン、女と子ども=キリスト教会、海の獣=政治的権力、地の獣=支配的政治体制を支える人々(宗教的存在)、と四つの配役が出そろったことになります。こうして彼らの繰り広げるドラマはと言えば、まず天上で、赤い竜、サタンと呼ばれる存在が神との戦いに負けて、地に投げ落とされること、そして投げ落とされたサタンは地を舞台に激しくそのうっぷん晴らしをしていることの二つになります。そして、サタンは地上の政治的権力者やその体制を支える人々に働いて、神に敵対し、神に従う者を滅ぼそうとしている、というわけです。ただその日数は、42カ月間という限度がある、というわけです。
 そこでヨハネがこのドラマを描く本当の趣旨を考えてみたいのです。大切なのは、当時のオリジナルリーダーがこれをどう読んだか、です。つまりユダヤ人の知識的前提でこれを読んでいく。となると、当時の読者はこの箇所を読みながら、これはダニエル記の象徴的記述と同じ、そうか、ダニエルの時代と同じことが起こっている、と考えたことでしょう。
そして既に8、9章では、旧約の出エジプトのイメージを使いながら世の苦しみはいつまでも続くものではない、もうすぐ新しい出エジプトが始まろうとしている、という慰めが語られました。10、11章では、その苦しみの時から逃げたりせず、証しすべき時には証しすることだ、と勧められます。さらにこの12、13章では、同じように異教的権力の迫害にさらされたダニエルの時代、ダニエルがどのように対応したかに思いを寄せられるのです。つまり、ダニエルが、迫害下にあっても、いつも通り、神に祈り、感謝して生きたことへの気づきです。9節、聖徒は忍耐し、揺るぎのない信仰に立つように、と勧められています。つまり読者は、困難があっても、心を騒がせず、神に信頼し、静かに、自分自身のペースを守って生きることを、ここで教えられるわけです。では今日もよき一日となるように祈ります。

<クイズコーナー>
最初に昨日のクイズです。「一人の女と赤い竜の戦いは、旧約聖書のどんなストーリーを踏まえて書かれていますか?」答えは、創世記3:15。サタンと女の末との闘いが描かれた箇所ですが、サタンとイエスの戦いを預言する箇所です。では、今日の聖書クイズを一つ。「13章に出てくる海の獣は、旧約聖書の何書を背景としているものと考えられるでしょうか」答えはまた明日、今日もよき一日となるように祈ります。

<天草さんのフォローアップ>          
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