「石内都展」

「石内都展　見える見えない、写真のゆくえ」　2021.4.3－7.25　西宮市大谷記念美術館
休館日：水曜日　開館時間：午前10時～午後5時

フリーダ・カーロの遺品のスカーフ




＜Frida by Ishiuchi＞＜Frida Love and Pain＞メキシコの女性画家フリーダ・カーロの衣服や愛用品を撮ったシリーズ。留め具のついた服、メキシコぽい服、足を固定する留め具のついた靴、大きさもヒールの高さも違う靴、痛み止め（？）の薬。フリーダ・カーロの人となりが浮かんでくる写真群。


＜ひろしま＞広島原爆資料館に寄贈された被爆者が身に着けていた衣服などを映したシリーズ。穴があいていたり、血がにじんでいたりする衣服。この服を着ていた人は？「モットイキタカッタヨ」「イタイ、タスケテ」服を着ている人たちの声なき声が聞こえてきた。確かに肌で聞いた。

＜連夜の街＞全国の赤線跡に残る元遊郭を撮影したシリーズ。タイル、ステンドグラスなどノスタルジーを感じる家の意匠。

＜Scars＞＜INNOCENCE>体の傷跡を写したシリーズ。傷も私の一部、すべてを抱いて生きていく。そんな決意が傷をさらすことで見えてくる。


＜sa･bo･ten＞　サボテンや多肉植物を写したシリーズ。エロイ。

＜Naked Rose＞普通の人ならば撮らない薔薇の写真。ちぢれたり、変色したり、しわぽかったりするバラたち。バラだから綺麗だとは限らない。綺麗なものも、汚いものも、全部同じバラ。人と同じ。

　「よかった」の一言に尽きる。

　大谷美術館はお庭も素敵