ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

『三千円の使いかた』

2022-03-13 21:17:46 | 
『三千円の使いかた』 原田ひ香 中公文庫
 就職して理想の一人暮らしをはじめた美帆(貯金三十万)。結婚前は証券会社勤務だった姉・真帆(貯金六百万)。習い事に熱心で向上心の高い母・智子(貯金百万弱)。そして一千万円を貯めた祖母・琴子。御厨家の女性たちは人生の節目とピンチを乗り越えるため、お金をどう貯めて、どう使うのか?「節約」の知識が深まる家族小説!
 ハウツー本ではない、小説である。しかし、お金に関するあるある感が満載。
「あの人のせいで私は我慢しているというような状態はやめるべき」あの人とは夫。
「お金や節約は人が幸せになるためのもの、それが目的になったらいけない」
「人生はいつからでも できることがある」
と生き方に前向きにもなれる気がする。

『柘榴パズル』 彩坂美月 文春文庫
 「この夏が、永遠に続けばいいのに」。とぼけたお祖父ちゃん、明るいお母さん、クールなお兄ちゃん、甘ったれの妹。十九歳の美緒を囲む、仲のいい家族の日常。身近で起こる奇妙な事件は、山田家の皆が力を合わせて謎を解く。
そんな一家に、怪しい影が忍び寄り――。ある家族のひと夏を描いたミステリー連作短編集。
 軽~いミステリー。各章のはじめに提示される陰惨な事件の新聞の切り抜き?が どう絡むのか?嫁の名前をしょっちゅう間違えるお祖父ちゃん。異常に人懐っこい妹。クールな兄。娘と一緒に浴場に行かない母。嵐を怖がるあたし。違和感の理由が、きれいに解き明かされる。ミステリー愛好家ではない私には思いもよらない真相だった。
 月が欲しいと言ったあたしに、兄が月をプレゼントするところは、ロマンチック。
 絵にかいたような仲のよい家族とは、幻想。なんやかや、あるのが家族。幻想に惑わされてはいけない。
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