ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

『火のないところに煙は』『第四の扉』

2019-01-12 21:34:41 | 
 サタプラ。丸ちゃんは、AIが作ったスイーツを食べていないように見えた。ドラマをやっているから、ダイエットしているのかな。

『火のないところに煙は』 芦沢央 新潮社
 「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」突然の依頼に、作家の「私」は、かつての凄惨な体験を振り返る。解けない謎、救えなかった友人、そこから逃げ出した自分。「私」は、事件を小説として発表することで情報を集めようとするが―。
 じわじわと怖い。ざらりと後味の悪い怖さ。短編の共通点が最後にわかり・・・。ラストはもうちょっと踏み込んでほしい気もするが、ぞわりとした余韻だった。
 拝み屋の陣内さんの言葉「その霊との縁を作りたくなければ、寄り添うように語りかけてはいけません」はリアル。お祓いの時は、ついつい「つらいことがあったら、なくなりますように」と祈ってしまいそうになる。気をつけよう。
 裏表紙、中表紙の血痕をようく見るべし。

『第四の扉』 ポール・アルテ 平岡敦訳 早川書房
 密室で夫人が自殺して以来、奇怪な噂の絶えないダーンリーの屋敷。幽霊が歩き回るというこの家に移り住んできた霊能者の夫妻は、関係者を集めて交霊実験を試みる―それは新たな事件の幕開けだった。死体を担ぐ人影。別の場所で同時に目撃された男。そして呪われた部屋に再び死体が現れる…奇術のごとく繰り出される謎また謎!
 静かな村のお屋敷が舞台で、降霊術や幽霊が歩き回る足音など雰囲気がある。次々とおこる殺人に謎が謎を呼び、おもしろかった。
 『カササギ殺人事件』のように入れ子のようになっており、話の終わらせ方も私には思いもよらないものだった。生まれ変わりだと信じ込むというのは、ちょっとどうかと思うが、本格ミステリでおもしろかった。
コメント
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