世の中の二乗>75の二乗

話せば長くなる話をする。知っても特にならない話をする。

もらった血をわける

2011年04月21日 19時14分49秒 | Weblog
京都へ肥田さんとさきこさんに会いに行く。
新幹線で京都まで行って、そこから地下鉄の烏丸線に乗る。
烏丸今出川で降りて、ふたばの豆餅を買っていこうとしたら
ずいぶん混んでいるので諦めて、近くのケーキ屋でタルト2種とシブーストを買った。
風が強い。
また地下鉄に乗って、北山まで行く。
途中、車内放送で「次は北大路です。わ、す、れ、も、の、なさいませんようお気をつけ下さい」と言われて、どきどきする。
北大路では忘れ物がなぜか多くて、駅関係者は毎日心底うんざりしている、とか。
北山の駅まで肥田さんが迎えにきてくれた。
賀茂川ぞいを北上しながら歩く。
桜は花吹雪。
強い風に吹かれて散りながらせまってくる。
肥田家へ。
なんてまあ、すてきなお家か。
雑誌に出てくる京の町家暮らしそのままじゃないか。
目に映るもの全部にはあはあと感心する。
蔵書を勝手に抜き取ってほうほうと見る。
そしたらととんと昼食が出てきて、わーいわーいと食べる。
いい身分になった感じ。
賀茂川沿いを散歩して、釣りをしている少年たちを見る。
上賀茂神社に詣でて、馬や桜や花嫁さんを見る。
桜の下でお花見していた学生さんたちが「じゃあ次の質問、ACのCMのぽぽぽぽーんの中で好きなキャラはなあに?」とかやっていて、非常に楽しそうだった。
「しゃけに行きたい」ってさきこさんが言っていて、
なんのこっちゃいと思っていたら、漢字で書くと「社家」というらしくて、
それは上賀茂神社の神主さんの家だったとこらしい。
そこは庭がご自慢っぽい家で、
庭がご自慢すぎて、生活のためっていうよりも庭のために建てたような家っぽくて、
こういう閉鎖された庭で、もう四季のあらゆることがこの庭を眺めているだけで感じられてしまいそうなこの庭で、
生活していた人というのは、外に出る楽しみだとか、わくわくとか感じていたんだろうかとか、
いや、でもやっぱりいつも同じ風景ばかりでは人間、そうそう満たされるものでもないんじゃないかとか、思ったりした。
風が強くて日も傾いてきて、寒い寒いといいながら帰宅。
夕飯をいただく。
ビールをいただく。
焼酎いただく。
なんて幸せ。
今思ってることで、でもなかなか誰彼かまわず言えることでないことを聞いてもらう。
たまに肥田さんがBGMを「なんかボロンボロンいっててヤだな」とか言って変えたり、
急にギターを持って静かに弾き出したりするのを楽しそうだなと思いながら見る。
お風呂をいただいて、
偶然だろうが3人とも縞のパジャマ着て寝る。
身長的にも文字通り、川の字になって。

翌朝。
まだ冷たい空気の中、むっくりと起きてコタツに入り、
働いているさきこさんを見ながら過ごす。
そしたら朝食が出てきて、うまいコーヒーも出てきて朝から幸せだった。
肥田さんが仕事に行くのでさきこさんと見送って、
なんか変な感じ。
妻公認の愛人?みたいな。
京都本をぐだぐだ見て、さきこさんと一緒に家を出る。
さきこさんの名前の由来を聞きつつ、別れる。
後は、雨宝院行って感動し、千本釈迦堂行って感動し、ル・プチ・メックのパン食べて感動して帰ってきた。
東京ついて、写真の現像するのにショップ55行って、
待ってる間に献血でも、と思って入った。
前回は血の濃さがギリギリ足りず、献血できなかったのだけど、
検査した看護婦さんに「今日はすごく濃いですよ」と太鼓判を押される。
今日の血の濃さは確実にさきこさんのおかげだな、と思う。
さきこさんが作ってくれたものを食べたおかげで、
濃厚な血液ができているのだな。
ありがたいな、と思う。
400ml血をわけて、写真受け取って家に帰った。