世の中の二乗>75の二乗

話せば長くなる話をする。知っても特にならない話をする。

ダンス

2007年02月11日 22時25分53秒 | Weblog
スタンリー・キューブリック「2001年宇宙の旅」見ました。
てかまだ見てなかったの?ってぇ感じですが、はい、まだ見てませんでした。
これはね、ダンスです。映画のダンス。
映画にもダンスにも人それぞれの楽しみ方やら見方やらあるとは思いますが、私にとってこの作品は文字通り踊りです。映画全体が踊っていました。
他のキューブリック作品にもないこのダンスはなんなのか。
特に強調されているわけでも、むしろそんな場面出てこないのに、この研ぎ澄まされた人間の肉体を強く意識させるものはなんなのか。
誰が踊っているのか、誰の肉体なのか、そんなことではなくて、ましてどんな躍りか?ですらなくて、ただただ踊っている映画であった。
私はダンサーではないので、あと音感とか運動神経とかないので、ダンスについて踊る側の気持ちというのが全くわからない。
だから余計に興味深く思うんだろうけど、いったいダンサーは何を思って踊っているんだろう。
だから余計に誇張して思い描いてしまうんだろうけど、それは宇宙の中に放り出されたような気分がするのじゃないか。
とてつもなく暗くて広い無重力の、横も縦も右も下もない、時間も音も親も犬もいない、そんな世界なのじゃないか。
そこにおいては精神なんて確固たり得ない。精神の正常を測るための方法が全くない世界なんだから、そこでは精神が役立たないのと同じだ。
唯一わかるのは肉体がここにあることだけなんじゃないか。
私は踊り手の精神はわからない。けれど、踊っている肉体はわかる。
「2001年宇宙の旅」は実に踊っていた。

一気に話は変わって。
「復讐するは我にあり」を見た。
とても面白い映画だった。
三國連太郎の姿にだれぞを思い出した。
小川眞由美の姿にもだれぞを思い出した。

何度目かの「ヘドウィグ・アンド・ザ・アングリーインチ」を見た。
何度目かだったがやはり面白かった。
ラストの印象が前見たときとずいぶん変わっていて、同じ映画を何度か見るのは大事だなと思った。