ハナママゴンの雑記帳

ひとり上手で面倒臭がりで出不精だけれど旅行は好きな兼業主婦が、書きたいことを気ままに書かせていただいております。

女王陛下の葬儀 《前編》

2022-09-20 22:21:27 | 王室

イギリスでは例年、9月に入るとすっかり秋めいて、灰色空から雨がそぼ降る日が多くなりがちです。

なのに女王陛下が逝去されてから、不思議とほとんど雨が降っていません。

私が知る限りでは、ロンドンに雨が降ったのは、女王陛下の棺がエディンバラからバッキンガム宮殿に戻った晩だけです。

 

エリザベス女王陛下の葬儀が、昨日9月19日月曜日、執り行われました。

朝の天気は曇りがちではあったものの、雨にはならなかったのでひと安心。

70年もの長きにわたって君主をつとめた女王陛下への天の恵み、神様からのご褒美だったのかもしれません。

数晩にわたって葬列の沿道でキャンプした人たちもいたそうですから、

雨が降らなくて、荒天にならなくて、本当によかったです。

 

Lying in state (棺の公開安置)は、葬儀当日の午前6時半に無事終了。

長時間並んでおきながら弔問できなかった人が出ないようにするため、行列への参加は、前夜10時40分頃を最後に禁止されました。

よかった・・・自分の前で Lying in state が時間切れになったらすごくガッカリする人がたくさん出るだろうと、心配だったんですよね。

 

Lying in state のためウエストミンスター・ホールに置かれていた棺は、午前10時44分、同ホールを出発。

目指すは葬儀が執り行われるウエストミンスター寺院です。

英国議会の議事堂として使われているウエストミンスター宮殿とウエストミンスター寺院の位置関係をこれまでよく知らなかったので、

大きな画像で確認。なるほど、寺院の正面入口は反対側にあるけれど、建物自体は隣接しているんですね。

議事堂があるウエストミンスター宮殿は、テムズ川にかかる橋からの画像ならよく見ていたんですが。

こうして上から見て、ようやく寺院の位置がしっかり把握できました。

どうでもいいですが、寺院て上から見ると、十字架の形をしているんですね。

赤い軍服に身を包んで棺を肩に載せて運ぶ、お馴染みの8人の兵士さんたち(Pallbearer)。

葬儀のための行進の際は、棺は砲車に載せられ、142人の海軍兵士さんたちに引かれました。

これは1901年のヴィクトリア女王のときに始まった慣習で、エリザベス女王の父君も同様に運ばれたそうです。

 

ウエストミンスター・ホールからウエストミンスター寺院までの近距離を、運ばれていく棺。

女王陛下の4人のお子さんたちと、近親や親族の男性陣がその後を歩きます。

アンドリュー王子もハリー王子も、軍服ではなくスーツ姿に戻っていました。

 

寺院内に運び込まれ、主祭壇の手前に設置される棺。女王陛下ご自身が結婚された(1947年)のも、戴冠された(1953年)のも、、

ウィリアム王子の結婚式に出席された(2011年)のも、ここウエストミンスター寺院でしたから、陛下にとってお馴染みの場所です。

 

 

主祭壇に向かって右側手前に、近親者や親族が着席しました。午前11時過ぎ、葬儀がスタート。

通路を挟んで左側の左端から、チャールズ国王夫妻、アン王女夫妻、アンドリュー王子、エドワード王子夫妻。

二列目左端にハリー王子夫妻が見えます。

通路の右側最前列には、ウィリアム皇太子夫妻とジョージ王子(9歳)とシャーロット王女(7歳)。

 

葬儀の最後、正午数分前に、全国で一斉に2分間の黙祷が捧げられました。

棺はふたたび砲車に載せられ、午後0時20分頃、女王陛下のロンドンでの最後の行程が始まりました。

棺が屋外に出てきたら、まるで女王陛下の旅立ちを祝福しているかのように、外は日が射していました。

  

官庁街ホワイトホールを進み、・・・

 

・・・ホース・ガーズ・アーチをくぐってホース・ガーズ・パレードを通過します。

 

バッキンガム宮殿へと続くザ・マル大通りに入ると、間もなく右手に、女王陛下のご両親の銅像。

 

英連邦諸国の兵隊さんも参加していたため、見慣れない制服もたくさんありました。

 

女王陛下との最後の別れを惜しむ、沿道の人々。

 

 

バッキンガム宮殿では、女王陛下に仕えてきたスタッフが整列して葬列を見送りました。

 

見送ったあと、整然と宮殿内へと戻る皆さん。

 

ウエストミンスター寺院を離れてから約1時間10分後の午後1時半ごろ、葬列はウェリントン・アーチに到着しました。

ここで棺は、砲車から霊柩車へと移されます。

 

棺の上に載せられていた花輪は、バッキンガム宮殿とクラレンス・ハウス(チャールズ国王のこれまでのロンドンでの住居)と

ハイグローヴ・ハウス(同国王のグロスターシャーにある別邸)の庭からの植物で作られたそうです。

チャールズ国王の希望でローズマリー、イングリッシュ・オーク、マートルが使われましたが、そのうちマートル(ギンバイカ)は、

エリザベス女王の結婚式(75年近く前!)のブーケに使われていたものから育てたものだそうです。

添えられたカードには In loving and dedicated memory と書かれ、チャールズ国王のサインが添えられていました。

 

オートバイや複数の車に付き添われ、女王陛下の棺は、・・・

 

・・・午後1時40分ごろ、国歌の演奏に包まれながら、永眠の地となるウィンザー城に向けてゆっくりと走り出しました。

 

《 後編につづく 》

 

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