ハナママゴンの雑記帳

ひとり上手で面倒臭がりで出不精だけれど旅行は好きな兼業主婦が、書きたいことを気ままに書かせていただいております。

ライヘンバッハの滝

2012-01-22 23:39:03 | エンターテインメント
スイスの中央やや南寄りに位置する、ライヘンバッハの滝(Reichenbach Falls)。

  

滝の足元までは、かわいい赤いケーブルカー (Reichenbachfall-Bahn) で行くことができるみたいです。
         
この滝を世界的に有名にしたのは、何といってもシャーロック・ホームズでしょう。

作者のコナン・ドイルはシャーロック・ホームズが登場する小説を、まず長編で2本発表したが、それほど人気が出なかった。
月刊の『ストランド』誌に依頼され、短編のホームズものの連載を開始したのが1891年7月号。

                     “The Strand”誌。 

またたく間に人気に火がつき、ドイルは連載に追われるようになったが、実はドイルが本当に願っていたのは、重厚な歴史小説で認められること。
ホームズのような娯楽物を書いて時間を取られるのは不本意だったため、ホームズを亡き者にして連載を終わらせることにした。
そうして『最後の事件(The Final Problem)』が発表されたのが、1893年12月号。
ホームズの死に場所として選ばれたのがライヘンバッハの滝で、ホームズはそこで宿敵モリアーティー教授と1対1で対決、格闘しながら滝壷に落ち絶命したのだった。

      
左:『ストランド』誌の挿絵、中:近代の他誌の挿絵、右:グラナダTVのドラマ版での対決のシーン
グラナダTV・ドラマ版でホームズを演じるのは、適役として評判の高い故ジェレミー・ブレット氏です。

≪作中の舞台へは、滝の上部までの道を上り、橋を渡り、丘の下までのコースを辿ることで行くことができる。
 ここには英語・ドイツ語・フランス語でこう書かれた記念碑がある。
 「1891年5月4日、この身もすくむような場所で、シャーロック・ホームズは宿敵モリアーティー教授を打ち倒した」  ・・・『ウィキペディア』より≫

        (右上の1991というのは、  たぶん100周年を記念して1991年に設置されたからでしょうね。)

作者のドイルは、1893年8月に妻ルイーザとともにライヘンバッハの滝を訪れたことがあったそうだ。落差250mもあるこの滝はドイルに強い印象を残したものと思われる。
こうしてうまくホームズを亡き者にし、歴史小説に本腰を入れられることになったドイルは「しめしめ」とほくそ笑んだに違いない。
しかーし! そうは問屋が下ろさなかったのだよ、ワトソン君。

ホームズ作品に熱中していた読者は、ホームズの復活を求めて『ストランド』誌の定期購読をキャンセルしたり、出版社の外でデモをしたりと抗議行動を起こした。
ホームズは、ドイルが認識していたよりずっと偉大な人気者になっていたのである。
読者の熱意に負けたドイルは8年後の1901年に、『最後の事件』以前の事件という設定で長編『バスカヴィル家の犬』を発表。が、読者は納得せず、生きているホームズの活躍を求めた。
ふたたび読者の熱意に負けた作者は、ライヘンバッハから3年後という設定で、短編『空き家の冒険』にてようやく1903年にホームズを生還させたのだった。
ホームズは「モリアーティを道連れに死ぬ覚悟でライヘンバッハの滝に向かったが、日本で生まれたバリツ(baritsu)という武術でモリアーティーを投げ飛ばし、
滝に落ちずに助かった」そうです。(それは良かったけど、でも・・・バリツって、一体何でしょうね?ジュウジュツの間違い?)

滝からいちばん近いマイリンゲンの町には、ホームズとの縁を記念して1991年に、古い英国風教会の地下に、シャーロック・ホームズ博物館が開館したそうです。
建物の近くには、ホームズ像も設置されました。また町中には、ケーブルカー駅や滝へと続く遊歩道の標識も。

                        

お菓子のメレンゲの語源でもあるというマイリンゲン Meiringen。アルプスの山々に囲まれ、夏はハイキング、冬はスキー客、それからもちろんホームズ・ファンでにぎわう、かわいらしい町みたいです。

  

 

この記事のためにいろいろ調べていて、何だか私もマイリンゲンとライヘンバッハの滝を訪れてみたくなっちゃった。
スイスは物価が高いと聞くし、まだ一度も行ったことないけど、
シャーロック・ホームズの一ファンとして、
体力が残っているうちに、いつか行けたらいいなぁ 

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