仕事が入っていなかった一昨日、グロスターの映画館に、待ちかねていた映画 “SULLY” を見に行ってきました。
イギリスでは12月2日にようやく公開になったので。
この映画、 “ハドソン川の奇跡” として日本ではすでに9月24日に公開されていたんですね。
字幕をつけなきゃならない日本での公開よりイギリス公開が2ヶ月以上も後って、いったい何なんだ~!
お二人さん、日本では名前入りの提灯をプレゼントされたようで・・・ (ナゼに提灯? )
トム・ハンクスのサリー機長はちょっと丸すぎる(ファンの方ゴメンナサイ)気がしましたが、
サリー機長の苦悩や内面の葛藤を演じた演技力はさすがでした。
サリー機長(正確には元機長ですが、便宜上こう呼ばせていただきます)、あのあと口髭をやめちゃったんですよね。
個人的にはあの口髭、とてもお似合いだったと思うので、すごく残念・・・
全米公開に先駆けて、ハドソン川を見下ろすレストランで昼食会もあったそうです。
ここで、将来自分がまとめ読みするときの便宜のため、過去の関連記事のリンクを並べておきます。
上記ブログ記事のためあれこれ調べたし、サリー機長の著書も読んだので、ハドソン川の奇跡に関してはほぼ知り尽くしたと思っていました。
それにどうせDVDを買うだろうから、(映画はわざわざ見に行かなくてもいいかな・・・?) とも思ったのですが、
サリー機長ファンとなった私、いざ公開になったらいても立ってもいられず、やっぱり映画館に足を運んでしまいました。 映画の感想ですか?
見に行って良かった! です。 あの象徴となったイメージの再現・・・
万事OKの結果になると知りながらも、何度か目が潤みました。
「155名全員の無事を、できるだけ早く確認して欲しい」 と要請するサリー機長。
数名の軽傷者を出したのみで、想定外の緊急事態に起因する不時着水を見事に成功させたサリー機長たち。
しかしそのあとには、国家運輸安全委員会の厳しい調査が待っていました。
「左のエンジンはまだ完全には停止していなかった」 と聞かされ、自分の判断に疑問を抱かざるを得ないサリー機長。
スカイルズ副操縦士も、眠れぬ夜を過ごします。
コックピットの録音を事故後初めて聞いて、感情を揺さぶられるサリー機長。
自分の判断に誤りがなかったと確信できたとき、また公式にそう認められたときは、どれほど安堵したことか・・・・・
《ネタバレ注意》 冒頭の、1549便のニューヨーク市への墜落シーンはショッキングです。
1549便の乗客の一人は、乗務員たちと再会したとき
「消防士だった私の兄は、9/11で命を落としました。 私の家族は私まで失うことには耐えられなかったでしょう。」 と言いましたが、
同様にニューヨーク市も、9/11の悪夢を呼び覚ますような悲劇の繰り返しには耐えられなかったことでしょう。
“ハドソン川の奇跡” が人々の心を捉えて放さない理由のひとつは、良いニュースが少なすぎるからではないでしょうか。
現代のニュースの大部分を占めるのは、暗いニュース、悲惨なニュース、残酷なニュース。
そんな中で常に安全を最優先に考え、安全性の向上に真摯に取り組みながら真面目に仕事をしてきた一個人が
偉大な快挙を成し遂げて世界の賞賛を浴びたことに、人々は心からの喝采を贈りたいのでは。
13歳のときニュースでキティー・ジェノヴェーゼ事件の報道を見てショックを受け、その時その場で
「自分の助けを必要としている人がいたら、誰かが危険な目に遭っていたら、必ず行動を起こす」 と誓ったというサリー機長。
そんな彼なら、たとえ政治にはド素人であっても、たとえばドナルド・トランプよりはずっと立派な大統領になって
くれるのでは? ・・・と夢想するのは、私だけではないはず。 (トランプと比較することすらサリー機長に失礼ですね。)
サリー機長はすでに政界への進出を勧められ、すでにお断りしたそうです。 残念な気もするけれど、
政治家になって心身を疲弊させてしまわれるよりはいいですね。
全米プレミアに出席した、サリー機長ご一家。
事故当時は15歳と14歳だった娘さんたちも、今や23歳と21歳の素敵なヤング・レディーです
サリー機長ご一家の未来に幸あれ!
《 オマケ① 》
コチラで映画の登場人物のご本人たちと、彼らを演じた俳優さんたちの並んだ画像を見ることができます。
救助に駆けつけたフェリー船長さんは、俳優さんではなくご本人が出演されていたんですね。
《 オマケ② 》
・・・ええ~っ! サリー機長、ご乱心っ!? ・・・・・じゃなくて。 これ、
ジミー・キンメル・ライブ!からのクリップです。 同番組の 「年間予算をすべて注ぎ込んで制作された」 という 「自信作」 は、
“ 国民の英雄サレンバーガー機長の主演で贈る、偉大なる国宝的俳優トム・ハンクスの伝記映画 『ハンクス』 ” 。
『サリー』 で自分を演じてくれたトム・ハンクスに、サリー機長が 『ハンクス』 で彼を演じてお返ししたようです。 動画はコチラ。
上左は、有名になる前のトム・ハンクスが出演したTVコメディー “Bosom Buddies” (1980-1982) のシーンを再現したものらしいです。
サリー機長と “共演” しているのは、オリジナル版でハンクスの相棒役を務めたピーター・スコラーリ(Peter Scolari)で、ハンクスとスコラーリは
女性専用の安ホテルで暮らすため、女性になりすましていたという設定でした。 ハンクスとスコラーリはそれ以来ずっと仲良しだそうです。
(Bosom Buddies のパイロット版の動画はコチラ。 すごーく若い2人が見られます! )
“Chesley Sullenberger... I used to have such respect for you.....”
という、『ハンクス』 を見たあとのハンクスのコメントが笑える。
サリー機長の演技力(?)だって、どうしてどうして、なかなかのもの。
やはり聡明な人は、何をやってもソツがないんだなぁ~!