これ以上海月の呼吸見ていてはだめだひみつもほどけてしまう おとくにすぎな 海月の呼吸。 ふわふわといつまでも。 そんな呼吸を見ていたら、「ひみつもほどけてしまう」ような、ゆったりと緩んでいくこころ。 お題が「上海」とは思えないほど巧みな詠みで、くらげの呼吸に吸い込まれていきます。 全体がくらげのまったり感で、とろけそうな雰囲気。 けれど、その分、普段こころをしっかりと締め、秘密を閉じ込めていることもよくわかります。 |
似合わないことばこぼれて手拭いでぬぐえばしみる上海ブルー 斉藤そよ 上海ブルーって言う青色があるのかな。と思って検索をかけたのですが、どうやらお酒の名前のようです。いい名前ですね。 でも個人的に、この作品の「上海ブルー」は青色そのものであってほしいなぁ。などと、勝手なことを思っています。 私が見つけたお酒には「上海碧」と書いてあるから、きっとくっきりと濃い「碧色」なのでしょう。上海ブルー。 似合わないことばのこぼれた先。 まるで影のように、一点の碧色を落とす。 そんな印象をもって、私の心に残りました。 ひらがなのせいか、全体的にやわらかい雰囲気で、静かにしっとりとしみる作品です。 |
強烈な夏のうねりに飛び込もう上海ハニーのリズムにのって 凛 オレンジレンジの「上海ハニー」という選択がありましたか! しかも、意外にも、題詠の中に上海ハニーを詠みこんだ作品はけっこうありました。 そのなかでも、この作品はカラっとしていて、読んだ瞬間、私の頭のなかにも上海ハニーが流れ出しちゃいました。 「夏のうねりに飛び込もう」というのが勢いがあっていいですね。 ノリノリです。 |