「大袈裟なままごと」
幼少のころから母の警告は冷蔵庫にて冷やされている
この家に遺されている正義っていうものこそが災いなのに
死ぬことは悲しいという常識でうやむやになる父の激昂
お芝居みたいに嘆かれ舞台幕のむこうでぶれる祖父の生前
クリックをするたび増えるウイルスのように眠気が広がってゆく
逢うたびに痩せこけてゆく老人は過去をいよいよ浄化してゆく
大袈裟なままごとみたいソムリエに似た葬儀屋が凜と佇む
そのむかし祖父が好んだわさび抜きお寿司のなかにひそむ哲学
越えるべき深い悲哀を抱かない祖母のお経が変なリズムで
らんららららんらんらららん雨の降る告別式で悲しむ係
幼少のころから母の警告は冷蔵庫にて冷やされている
この家に遺されている正義っていうものこそが災いなのに
死ぬことは悲しいという常識でうやむやになる父の激昂
お芝居みたいに嘆かれ舞台幕のむこうでぶれる祖父の生前
クリックをするたび増えるウイルスのように眠気が広がってゆく
逢うたびに痩せこけてゆく老人は過去をいよいよ浄化してゆく
大袈裟なままごとみたいソムリエに似た葬儀屋が凜と佇む
そのむかし祖父が好んだわさび抜きお寿司のなかにひそむ哲学
越えるべき深い悲哀を抱かない祖母のお経が変なリズムで
らんららららんらんらららん雨の降る告別式で悲しむ係