花夢

うたうつぶやく

001:風のうた

2006年08月31日 | 題詠2006感想
自分が完走するまでは、他の人の作品への感想はおあずけ。
と決めていたので、我慢していました。
でも、感想で走るのも楽しみにしていました。

けれど、いざ目の前にしてみると、
それぞれの短歌にくらくらしてしまいそうです。


ふぉわらぁんふぉうわうらぁんでんせんがのたうちまわるからみつけ、風
cooca

風の中でいちばん、面白いと思いました。
風を使うのではなく、風そのものを詠んでいるのが、際立って見えました。
ひらがなの羅列もなんだか、のたうちまわって、からみついているような、風のかたちのように見えます。
最後に「、風」でストンと終わらされるのもとてもステキ。



いつわりの風が吹くのでこのまちの動詞は時制を完了できない
あおゆき

文法が出てきて面白いと思いました。
カチッと真面目な感じで、でも主題はとても叙情的。

少し気になったのは、“時制を完了する”という言い回しが耳慣れなかった点です。
時制と言うと、過去、現在、未来を指すようなイメージがあったからでしょうか。
「時制を過去にする」もしくは「動詞を完了形にする」というのがよく聞く言葉なので、立ち止まって考えると、これでいいんだっけ?と思ってしまったのですが・・・・
単純に私の勉強不足かもしれません。
(調べようと思ったのですが手立てがわかりませんでした、不確かな発言でごめんなさい)

文法にまみれてごちゃごちゃと考えてしまいましたが、でも、ここの「動詞は時制を完了できない」は好きなのです。
きっと、なにをするにも「~してしまった」って言えないのだろうな。と。
いつまでたっても、動詞は「~している」と言う進行形のまま。

それは、いつわりの風が吹くからね。このまちに。
ほんとうのことを聞いてしまえば、終わらせることもできるのに。



よくのびた四月の腕にまきとられ風があまさを増してゆきます
村上きわみ

アルフォンス・ミュシャの絵のように感じました。
風を紡いでいる女神の姿のような・・・。

四月という季節と、腕にまきとられるという行為とで、風があまさを増していく。
風がまるで練り飴のようです。腕にまきとられるごとにあまくなっていく。
ゆるやかに、春の季節が濃くなっていく様が描かれています。
静かに、言葉がほどよい重さを持っていて、とても心地よいです。



<振り返り>
今までも、題詠の存在は知っていましたが、自分が100首・・・しかも題に沿って短歌を詠めるとは全く思っていませんでした。
しかし、この題詠100首blogの告知を読んだとき、半ば直感的にやってみよう。と思ったのです。
一番最初の風の題は、私のそんな気持ちを後押しするように、軽やかに背中を押してくれました。

題詠の感想

2006年08月31日 | 題詠2006感想
題詠100首を詠みきったので、今度は、感想で走ろうと思います。
自分が走っているときに、いろんな人の感想を頂いたことがとても嬉しく、走る力となりました。
そんな嬉しい気持ちの恩返しが少しでもできたらなぁ。と思っています。
(恩返しになるのかどうかもわからないけれど)

きっと、極端な発言や、的外れなコメントなどもあるかとは思いますが・・・・。


私も、「好き」なものを「好き」と、立ち止まって叫ばなくては。


カテゴリは「題詠2006感想」にて。
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どうぞ、よろしくおねがいします。

完走報告(花夢)

2006年08月21日 | 題詠2006
完走してしまいました。

妥協、逃げ、甘え、の入った作品も多く、
「してしまった」という表現が、今の私に、一番しっくりきます。
しかし、とりあえず、なんとか100首、詠むことができました。

題詠に参加したのは初めてだったのですが、
一緒に走る参加者の皆様の姿、作品に刺激され、励まされました。
それだけで、この題詠に参加できてよかったと思います。

私の拙い短歌を読んで感想や激励の言葉をかけてくださった方々には、ほんとうに感謝の気持ちでいっぱいです。
大きな、大きな力になりました。ありがとうございました。


今度は、自分が感想を伝える側にまわりたいと思っています。
いろんな作品をゆっくり読もうと思います。
よろしくお願いします。