花夢

うたうつぶやく

023:結ぶうた

2006年11月02日 | 題詠2006感想
題詠投稿受け付け期間が終了してしまいました。
あちこちで「おめでとうございます!」の声があがっていて、私まで嬉しくなります。
やっぱり参加してよかった、と思っています。
まだまだ感想で走ります。走らねば。


片方がゆくえを消したゆびきりをおもう二月の髪を結うとき
ひぐらしひなつ

「結」という言葉がとてもさりげなく織り込まれているところが美しいと思いました。
さびしさの琴線をなぞったような作品です。

髪を結うというのは、何か大人びた雰囲気と、きりっとした空気を感じます。
そのような整った空気のなかで、失ったものの気配をそっと感じる。
この短歌の持つ空気は、静かで、決してざわめいてはいなくて、
そのぶん、静かな静かなおもいがぽつんと残されている感じがします。



結論は小鳥がひいたおみくじにまかせて二人海を見ている
市川周

なんだか可愛い情景です。
小鳥がひいたおみくじってどんなおみくじでしょう。
そして、それとは関係なく、二人海を見ている。
パステル調のイラストになりそうな光景。

結論はおみくじにまかせちゃっても大丈夫のような二人。
ただ海を見ている二人。
そういう二人。



<振り返り>
このあたりは、題がしっくり来たせいもあり、安定して詠めた時期でした。