花夢

うたうつぶやく

「短歌の作り方、教えてください」俵万智×一青窈

2011年03月24日 | 感想
4046214287短歌の作り方、教えてください俵 万智 一青 窈 角川学芸出版 2010-05-22by G-Tools


もともと短歌の指南本として気になったわけではなく、
一青窈さんの歌詞が好きだったので手に取ってみました。

一青窈さんの歌詞にはとても独特な言い回しが使われていたり、
ポエトリーリーディング的な楽曲があったりして、
その奇抜な言葉の観念と感性、そして世界観に刮目していました。

そんな彼女が短歌を作るとなるとどうなるのかな、と。
俵万智さんという組み合わせもどうなるのかな。と気になるところでした。

しかし、さすが一青窈・・・!!!

珊瑚触れしっぺ返しに真水と酢で洗い流す右手が寿司屋
一青窈


とか言う、ものすごい感性にまみれた作を持ってくるという・・・・。
いやー、面白かったです。

俵さんは懇切丁寧に、短歌的なものに導く。
ということを教えている印象を受けましたが、
例えば・・・・

吟行会で短歌のことを

「仕事だからいちいち無理をして、毛糸玉になっているのを、わざとするする引っ張り出してほら紐だよ、こうやれば紐だよ、って今言ってるだけで、やっぱ毛糸玉は毛糸玉だからそれがゴロゴロしていると、ああまた毛糸玉がこんなしかもこんなにこんがらがってるよ、もっと上手くまけよみたいな」

と言っている穂村弘さんだったら、
彼女の感性にどういうふうに対応するかなぁ。というのも、
個人的にはとても興味が湧きました。

「だれでも詩人になれる本」やなせたかし

2009年02月24日 | 感想
477400426Xあなたも詩人 だれでも詩人になれる本
やなせ たかし
かまくら春秋社 2009-02


by G-Tools

アンパンマンの作者、やなせたかしの詩論。

1977年「詩とメルヘンの世界 もしも良い詩がかきたいなら」(講談社)を再編、改訂したものだそうです。

「この奇妙な本は読むことによって、ひとつの詩的精神を波立たせようとこころみている」
というとおり、詩の書き方のハウツー本というより、
いい詩とはどのようなものか。ということに触れています。
多くの抒情詩が収録されているのも良いです。

そのスタンスや内容にとても共感し、読み応えはありましたが、
やなせたかしの志す詩の世界が、
不安定で「エリート否定の世界」であるのなら、
抒情詩は、いったいだれがどこへ導くのか。
という問題が含まれているように思います。

それを、プロ、アマ関係ない世界で、
老若男女すべての人にゆだねてゆこうと、
喚起させる試みがこの本の意図なのでしょうけれど。

その性質を基調としたがゆえに、
社会の波のなかで簡単に切り捨てられ、
先導者や、確固として守ろうとする者が不在となってしまったのではないのだろうか。とも。

そして、その抒情というカテゴリーを復活させようというのが、
やなせたかしの「詩とメルヘン」の試みのようにも思えるのです。
(その「詩とメルヘン」も休刊になってしまいましたが)

B001ODPD2C詩とファンタジー 2009年 03月号 [雑誌]
かまくら春秋社 2009-01-19


by G-Tools

「詩とファンタジー」
やなせたかし編集責任。
90歳になられたそうです。


「ひとさらい」笹井宏之

2009年01月27日 | 感想
http://www.bookpark.ne.jp/cm/utnh/detail.asp?select_id=59

不勉強な私は、この本をまだ、手にとっていなかった。
そして訃報も知らないでいたのです。

笹井さんのブログに行くと、
私のブログからしつこいほどのトラックバック。
心苦しく思っていました。

ずっと、読めると思っていたのです。
これからも、あなたの作品を。


心よりご冥福をお祈りいたします。


笹井宏之氏のブログ
【些細】 【温帯空虚】
やわらかい言葉が、大好きでした。

「詩とファンタジー」創刊

2007年10月19日 | 感想
「詩とメルヘン」の意志を継ぐ、新たな雑誌が創刊されるそうです。

やなせたかし責任編集
「詩とファンタジー」
オーディションシステムの雑誌創刊。

詳しくは、かまくら春秋社のホームページにて。

7月21日締め切りで第1号の詩の応募が始まっています。

10月上旬、刊行予定だそうです。

B000WZJK18詩とファンタジー 2007年 12月号 [雑誌]
かまくら春秋社 2007-10-19

by G-Tools

10月19日に創刊されました。
美しい絵と言葉が溢れる雑誌です。
叙情の風は微かながら、今も途切れることなく紡がれています。
その風に吹かれ、心地良い思いで胸がいっぱいになりました。

「詩とメルヘン」は、私が言葉を綴るキッカケとなった雑誌でした。
とてもとても嬉しい。