花夢

うたうつぶやく

2008年題詠 066~070

2013年10月31日 | 題詠2008感想


すんすんと伸びる真竹に夏の日のひとりごとなら寂しくないわ
066:ひとりごと(kei)

おもむろに正しいものになりかわる日没とともに葱をきざめば
067:葱(斉藤そよ)

このカラダ水にさらした玉葱のようだね少し透きとほっている
067:葱(紫月雲)

灰色の別れ話がちらほらと この踊り場は廣すぎないか
068:踊(酒井景二郎)

腕の中の深い呼吸の音階が俺の危險な部分に觸れた
069:呼吸(酒井景二郎)

病む人のうすき呼吸をたしかめて白き花瓶に挿す夏の花
069:呼吸(ひぐらしひなつ)

籍という名前の錨を持たせてもわたしの痛みはわたしのものだ
070:籍(こはく)

本籍はみずうみにおく ほとぼりがさめるころには雪も降るから
070:籍(斉藤そよ)



後半にさしかかると、走っている人たちの持久力が試されますね。
題詠って、前半に新鮮さ生かして度肝を抜くような走り方を見せる人と、後半にハイになってぐんぐん良くなってく人がいて、面白いなぁ。と思います。

そのなかで、コンスタントにいいものを詠み続けている人もいるわけですが。