花夢

うたうつぶやく

2008年題詠 076~080

2014年07月02日 | 題詠2008感想


このごろはボーダーといふ横しまの、ああ、Tシャツのことなんだけど、
077:横(村本希理子)

横にして運び出せればびしょぬれの体も淡い化石のようで
077:横(虫)

あいさつか何かの合図 手の甲を鳥がしゅくしゅくついばみにくる
078:合図(斉藤そよ)

明滅の合図に満てるこの街でほたるのやうにあなたをさがす
078:合図(本田鈴雨)

あけがたの舗道にのこる吐瀉物のような合図でかまわないから
078:合図(村上きわみ)

一枚の落ち葉が合図わたくしがその樹にもたれることをゆるして
078:合図(冬鳥)

蝉がまだ鳴いているのね ふもとまで孤児をむかえにゆく時間にも
079:児(我妻俊樹)



選歌にずいぶんと時間をかけてしまっていて、2008年の題詠というと遠い過去の出来事になりつつあるのだけれども、更新をしたあとも何度か読み返しています。
自分の指針をさぐるものとして、とても有意義だったりします。