潮風で錆びてしまったこころなど土に還しておしまいなさい
このごろはボーダーといふ横しまの、ああ、Tシャツのことなんだけど、 077:横(村本希理子) 横にして運び出せればびしょぬれの体も淡い化石のようで 077:横(虫) あいさつか何かの合図 手の甲を鳥がしゅくしゅくついばみにくる 078:合図(斉藤そよ) 明滅の合図に満てるこの街でほたるのやうにあなたをさがす 078:合図(本田鈴雨) あけがたの舗道にのこる吐瀉物のような合図でかまわないから 078:合図(村上きわみ) 一枚の落ち葉が合図わたくしがその樹にもたれることをゆるして 078:合図(冬鳥) 蝉がまだ鳴いているのね ふもとまで孤児をむかえにゆく時間にも 079:児(我妻俊樹) 選歌にずいぶんと時間をかけてしまっていて、2008年の題詠というと遠い過去の出来事になりつつあるのだけれども、更新をしたあとも何度か読み返しています。 自分の指針をさぐるものとして、とても有意義だったりします。 |