花夢

うたうつぶやく

2008年題詠 036~040

2012年06月18日 | 題詠2008感想


春の手が波をなだめる あと少し船のつもりでいていいですか
036:船(村上きわみ)

有刺鉄線その他もろもろデスマッチみたいな口論ばかりしていた
038:有(丸山汰一)

有人の駅がきょう無人駅になり風の乗車率すこし高まる
038:有(原 梓)

逃れきて書棚の陰にできたての固有名詞を呟けば春
038:有(ひぐらしひなつ)

有り体に言えば泣きそう はつなつの風にいくつも結び目がある
038:有(村上きわみ)

咳声と「み」の書き文字にまだ少し王子が残ってると指摘され
039:王子(中村成志)

銀色の王子はなさけないだけで悪くはないし眼鏡でもある
039:王子(やすまる)

忘れたいなら青い飴粘りたいなら赤い飴 甘いのはどっち?
040:粘(さくら♪)



ほんとは、一首一首にきちんとむきあってコメントをつけるのが、
一番、望ましくて勉強になるんだと思うのだけれど・・・。

美術館に飾られた一枚の絵のように、
ただ立ち止まって見入ってしまう瞬間があって、
そのまま切り取って飾っておきたいような作品を前に、
拙い私の言葉でなにかを添えるのはかえってつまらないような、
そんな気分に、なりまして。