誰からも触れられないで (明後日は新月) ここで着信を待つ
またひとり可愛い女子が騙されて咲き乱れ散る午後のゴシップ
ひたむきな瞳のひかり 彼女らの恋愛もまた宗教のよう
抱擁はときに優しく無責任 ほ・ほ・ほたるこい
誰しもがあなたのように強くって正しく生きられないと言われる
女子として「瞳を閉じて背を伸ばし待つ」なんてダメ ちゃんと見なさい
白雪姫も揺さぶって救いたい・・・いいえ、それでは目覚めないから
極寒のような批判に耐えてまで守ろうとする花の蕾よ
ためいきはすこしあたたかいけれど冬の空気に紛れてしまう
純粋なことが哀しくなったとき一緒に朝焼けを見ましょうね
育たずに流れてしまう受精卵 どこから母となるのであろう
自分など生まれなければそれはそれなどと思っていた思春期で
卵子とはわたしのものなのだろうかわたしのものなら悪く言えるが
子を宿すための身体(からだ)のシステムとエラーにわたしの出る幕はなく
日帰りの掻爬手術を終えたならなにもなかったこととなる春
当然のように生まれてきたわたし そして勝手に老いてゆくのだ
自分など生まれなければそれはそれなどと思っていた思春期で
卵子とはわたしのものなのだろうかわたしのものなら悪く言えるが
子を宿すための身体(からだ)のシステムとエラーにわたしの出る幕はなく
日帰りの掻爬手術を終えたならなにもなかったこととなる春
当然のように生まれてきたわたし そして勝手に老いてゆくのだ
下腹部にマグマを抱く わたしには強く憎んだ経験がある
二日目のわたしのなかに蠢いているどうしても生まれないもの
月に一度は殺して捨てるごめんねと思うことさえなくなって
生まれたら死ぬ約束で生きているわたしのなかに生きるにくしみ
二日目のわたしのなかに蠢いているどうしても生まれないもの
月に一度は殺して捨てるごめんねと思うことさえなくなって
生まれたら死ぬ約束で生きているわたしのなかに生きるにくしみ
「ただ裸になってみたいだけのよる」
やくそくを白紙にもどすごちゃごちゃのおもちゃ箱かたづけるみたいに
こうふくをねがっていても生みたての「さよなら」はもうあたたかくない
便箋を汚して終わるただ裸になってみたいだけのよるでは
しあわせの青い鳥ならおとなりの子猫がきのう捕って食べてた
ひとりだけ泣くのははんそくかもしれないはやくおとなになりたい
ひらひらのしあわせを脱ぐ拭っても拭ってもまだ消えない ひとり
「星屑ぽえめる」
HOSHIKUZU POEMAR SPECIAL EDITION vol.2 収録
しなこさんの絵につけました。2005年制作。
やくそくを白紙にもどすごちゃごちゃのおもちゃ箱かたづけるみたいに
こうふくをねがっていても生みたての「さよなら」はもうあたたかくない
便箋を汚して終わるただ裸になってみたいだけのよるでは
しあわせの青い鳥ならおとなりの子猫がきのう捕って食べてた
ひとりだけ泣くのははんそくかもしれないはやくおとなになりたい
ひらひらのしあわせを脱ぐ拭っても拭ってもまだ消えない ひとり
「星屑ぽえめる」
HOSHIKUZU POEMAR SPECIAL EDITION vol.2 収録
しなこさんの絵につけました。2005年制作。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/79/ee47e243db36f1cc8941a2df2004217a.jpg)
「この、夏」
泥濘に生きるあなたの透き通る花弁をいつも羨んで、夏
この風は行き場をなくすわたしはまたその沼に湿り気を足す
追憶の鮮やかすぎる色彩に負けないように生きていきます
「うまくいかない物語」
あのひとの家の花壇に住んでいるおやゆび姫を見てみないふり
スカートを翻す自由奔放なアリス、あの子とまた喧嘩する
歩道橋あたりで着信音が鳴りムーミン谷に行くのはやめた
小軌みつきさんの「キャラ短」に参加。
あのひとの家の花壇に住んでいるおやゆび姫を見てみないふり
スカートを翻す自由奔放なアリス、あの子とまた喧嘩する
歩道橋あたりで着信音が鳴りムーミン谷に行くのはやめた
小軌みつきさんの「キャラ短」に参加。