花夢

うたうつぶやく

2008年題詠 061~065

2013年05月08日 | 題詠2008感想


anata@wasurerarenai.com宛のメールが戻ってきます
061:@(西原まこと)

コポコポと@のかたちして水は暗渠のみずとなりゆく
061:@(冬鳥)

悲しみはたとへば浅蜊が砂を吐くやうにほつほつ語られてゐき
062:浅(野州)

切り捨てた別のわたしがあの春の浅みで泣いてゐるかもしれず
062:浅(萱野芙蓉)

それでいてここを浅瀬と思わせるあなたの所作にときおりは倦む
062:浅(村上きわみ)

白い人がたたずむといふ階段でいつも片方脱げるスリッパ
063:スリッパ(萱野芙蓉)

眩しくてつぶっていると寝てしまうほど金魚鉢からっぽだった
065:眩(我妻俊樹)



静かでほの暗い作品たちが集まった。
好き。