白亜45会HP管理人

白亜(白堊)45会は、岩手県立盛岡第一高等学校昭和45年卒業の同期会です。

論文誌

2012年10月13日 23時20分05秒 | 業界
本日、物理学会理事会。
議題は沢山あって、面白い事もあるのだけど、論文誌の議論はエンドレスで同じ議論の繰り返し、面白くない。

湯川秀樹がノーベル賞をもらうことになる論文は、京大内の刊行会が出版していた論文誌に掲載されたのだが、その論文誌は、昨今の社会経済状況から物理学会が引き継ぐことになった。これまでは理論だけの論文誌だったのだが実験も加えて装いも新たに出発する。オープンアクセスと呼ばれる、誰でも無料で利用できる論文誌になった。また、ネットのみで印刷をしないことで費用を抑える。とは言えそれなりの額のお金は必要で、それをどのように工面するかについては不確定要素も残っている。この論文誌の方は見通しが明確ではないもののすっきりしている。

議論が面白くないのは、もともと物理学会が刊行している論文誌の方である。今のままではダメなのは明白なのだが、どう変更するかの議論が全く収束しない。理屈ではなく感情が先行するためだと思われる。

現在、物理業界で最も評判が高いのは米国物理学会が刊行している論文誌である。その論文誌に掲載される方が当然のことながら研究者としての評判が高くなる。ヨーロッパ各国では昔からあった論文誌を再編した。日本でも「独自の論文誌をキープする必要があるか?」という意見もある。しかし、全てを外国に委ねるのは色々な意味でリスクがあり、しばらくはこのまま続くであろう。