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一句鑑賞

俳句ブログも長くなりました。この歳なりの記事が書ければと思ってますが、やや怪しげな時もあります。よろしくお読み下さい。

寒禽

2016-01-24 21:28:50 | 日記
寒禽
2011-01-26 22:23:09 | 日記
寒さの底がまだ見えませんね。
わが家の周りでは、名を知らない鳥たちを見かけます。
千両などの実を食べたり、咲き残っている山茶花の蜜を逆さまになって吸う目白。
銀杏の高みの枝へと舞い上がり枝に小さな勇姿を見せる名を知らぬ鳥。
不思議と鳴き声は聞こえない、目白が樹をを移るときに細やかな声がするぐらい。
そんな寒禽の例句を二つ・・・

寒禽の取り付く小枝あやまたず     西村和子

寒禽の嘴をひらきて声のなき      長谷川櫂

両句とも寒禽の姿をよく観察されていますね。


2016.1.24
大雪です、じっと駅伝を見ていました。
駅伝は冬の季語になってもいいですね。


春待つ・待春

2016-01-23 21:57:09 | 日記
春待つ・待春
2011-01-24 23:22:05 | 日記
母と長い時間を過ごす。
3月に91歳となる・・・・例句を開いて驚く。

九十の端(はした)を忘れ春を待つ    安部みどり女

なんの説明も要りませんね。


待春の水よりも石静かなる   倉田紘文

春が近づくと水の動きが早く明るく感じます。
それに対して石は静かに動かないという対比の句でしょうか。
もう一句・・・

待春のふくれ崩るゝ波頭    星野椿

この句も自然の中に動き始めたものを見つけて春を待っているのですね。
波頭がふくれているようだ、それは牙を剥いていた冬の波頭とは違うと言っているのです。


来週は節分立春と春になりますが、まだまだ寒いですね。
春を遠く感じるか近く感じるか・・・そんな日々ですね。


2016.1.23
物凄い寒波です・・・午後から雪になって明日まで降るようです。
5年前の記事をフラッシュメモリーから貼り付けて来たが・・・残りが少なくなった。
立春の前で終わっているのは何故だろうか?思い出せない。
記録していた分だけ貼り付けよう。
この記事の他にも、鑑賞文をけっこう書いて来たので記録に残る分を見てみよう。

日脚伸ぶ

2016-01-21 22:59:49 | 日記
日脚伸ぶ
2011-01-23 21:02:36 | 日記
今夜は第三版から例句を頂きます。

かくし湯のぬる湯にひとり日脚伸ぶ      中村苑子

羨ましいですね・・・隠し湯にひとり手足を伸ばして長湯ですね。
冬も終わりが近づいたと湯の中で実感してるのです。


宍道湖に真向ふ暮らし日脚伸ぶ        都谷文子

これは毎日の生活からできた句です。
宍道湖の向うに沈んでいく日を見ながらの実感ですね。
松江に宿泊したことがありますが、宍道湖の水の匂いをもう一度肌に感じたくなりました。


2016.1.21
20年ほど前に松江と米子のビジネスに宿泊した。
夜はぶらりと散策がてら街を歩き、地酒を求めて(笑)のれんをくぐったことがある。
松江は宍道湖の水の匂いがどこか艶めかしく感じた・・・たぶん夏だったのだろう。
米子ではホテルの上階の食堂から大山山が遠く望めた、その威容は離れていても一種の恐れを感じさせた。





寒灯

2016-01-20 22:59:18 | 日記
寒灯・冬の灯
2011-01-22 21:41:55 | 日記
以前にも取り上げたかな?
例句は・・・

寒灯より紐下りいる人の世や       寺井谷子

照明のプルスイッチに紐を着けて延長しているのですね。
手を伸ばさなくて済みます・・・まさに人の世です。
作者は自鳴鐘の主宰、一度入会しようかと手紙を出したことがある。
丁寧なご返事を頂いて恐縮した。


寒灯の真下に据ゑて面打てり       三森鉄治

能面でしょうか、面は彫るのではなく打つというのですね。
冬の照明の真下で、正面から打っているのです。
据えて打てり・・・ここが如何にも真剣勝負の仕事を思わせます。



2016.1.20 寒し
もう三十年以上になるか義伯父が面を彫っていた。
例句を読み直すと、打っていたのでしたね。
その作品の小面と般若を直に頂いた・・・
「ようすけさんにあれをあげるから持って来なさい」と伯母に言ってにこにこ笑っていたのを思い出した。
しばらく飾っていたが今は抽斗に仕舞ったまま。また壁に掛けてみようかと思う。

小面の口ゆるまざる寒灯下  ようすけ