水村喜一郎ほど美しいマチエールを持った画家は私は知りません。
写真ではなかなかお伝えできませんが 神秘的で底光りするような光をたたえた画面なのです。
「茗荷」SM 油彩
写真を撮影するために額から外してみると ずっしりと重いのです。
やたら厚塗りをして重厚感を出した絵は時折ありますが、水村先生の作品は全く違います。
ゆっくりと時間をかけて、対象と会話して描いた作品です。
似たような印象を持った画家に、若いころに出会ったセザンヌの作品があります。
全くタイプの違った画家ですが、その制作姿勢には通じるものがあります。
頑固で粘り強くひたすら自らの美を追求する姿が重なります。
水村作品の空間は、先生の歩んでこられた人生そのものではないかと感じます。
作家の水上勉さんが個展の際こんな一文を寄せられました。
「とりわけ半具象の作品だとこの人の力というものが、額の外へほとばしっている音をきくのである。
両手を失って得た恩寵というものを、この人は語りつづけて絵にしているのだと思う。
勝手なことを言わせてもらうと、人生の一日のうちのたった一瞬のできごとが、
心棒になって絵に化生したような感銘をうけるのである。」
水上 勉(作家)
水村作品は実際に絵の前に立ち、静かに鑑賞してはじめてその美しさに心動かされます。
是非 画廊に足をお運びいただきご覧ください。
水村喜一郎展 会期は3/17~3/26(会期中無休)ですが 展示が終わりましたので明日からでもご覧になれます。
ただし、ご来廊の折には 画廊春 までお電話いただけますとありがたいです。
作品のご予約も承ります。
大垣市藤江町4-14 画廊春 代表 田渡達久
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