2年ほど前、とても美しい栗原喜依子作品に出会って以来
恥ずかしながら恋のようなものが芽生えまして、どうにかして手元に置きたいと願っていました。
春に体調を崩して以来、酒を断っていたのですが、この美しい少女とお別れすることになり、
今夜は惜別のひとり酒を楽しんでいます。
コレクターとしての血が抜けきっていないので、気に入った作品と別れるときはとても悲しいのです。
大垣市在住のお世話になっていますコレクター様のところに行くので送り出すことと決心しました。
須之内徹氏が、盗んでも手元に起きたい絵がよい絵だと書いていましたがこの絵は正に当てはまります。
手前に置いた奥村氏の猫との相性も抜群ではないでしょうか。
栗原喜依子氏の作品は極めて特殊な道を究めた作品ではないかと思います。
日本的でありながらヨーロッパの香りがします。
一方 奥村氏のブロンズはギリシア、ローマのグレコローマン的な香りが漂いながら繊細な日本を感じます。
二人の作品はとても相性がいいのです。
並べてみると何と美しい調和を保っているのだろうかと感じてしまうのです。
ところで画廊春取扱いの彫刻家、奥村信之氏が九州の「ゆくはしビエンナーレ」において大賞を受賞されました。
奥村氏は、若いころからイタリアに渡り、エミリオグレコの後継者として、地道な研鑽を重ね
地を這うような努力をされました。
ローマ法王像をバチカンに献上するなど具象彫刻家として最高の栄誉、世の注目を集め、素晴らしい活躍をされています。
作品は奇抜さなどとは程遠く、あくまでも対象の内面に肉薄し、世間の好みに流されない寡黙な作風が特徴です。
今回の受賞作品も奥村氏の特質を十分に表しています。
日本における活躍の第一歩としてとても嬉しく思います。
(もちろん既に日本でも多くの作品が収蔵されていますが・・・)
奥村氏とは大学時代の学友であり画廊春をとても大切にしていただいております。
奥村氏の作品は画廊春に13点ほど常設展示していますので手に取ってご鑑賞ください。
http://yukuhashi-biennale.jp/?p=1247
大賞受賞者の声