おはようございます。今日は人物画名品展の紹介をさせて頂きます。
澤田文一という作家がいますが、おそらくは彼の作品の中でも傑作中の傑作だと考えます。
サイズはP10号ほど ほどというのはボードに描かれており 絵にあわせて額が作られています。
一目見るなり惚れるというか 釘付けになってしまいました。
今までたくさんの作家作品をコレクションして、美術館で観てきましたが
私の中ではこれ以上の作品に出会ったことははありません。
世の中には評価額の高い作家もたくさん見えますが
実力で選ぶならこの作家 この作品にはかなわないと思います。
絵の強さ、深さ、精神性というか崇高さをたたえるこの画面は
並々ならぬ力量 ストイックに絵に打ち込む画家の魂を感じさせます。
題名は「或る女」 おそらく澤田氏の心に生きる女性でしょうか
澤田氏の作品には聖書を題材とした作品も多いのですがそれとは一線を画したところにある
現実の生々しい女が描かれています。清らかでありながら現実の愛に溺れる女性とでも
言いましょうか。
おそらくはモデルを見て描いたのではないでしょう。
こういった精神性を造形的にどう表しているかですが(嗅覚的にたどりついたのかもしれませんが)
計算された画面構成があります。
画面左上の星 女の襟元から覗く白いブラウス、マフラーをもつ手とその指が絶妙の配置のアクセントとして
画面を引き締めています。その対角線の中心に愁いを湛えた女性の顔が控えめに観るものを見つけています。
そうなんです。鑑賞者が女性を観ているのではなく 女性に見つめられているのです。
絵画の歴史上こういった絵を描いたのは フランシスコ デ ゴヤ を真っ先に思い起こします。
ゴヤと澤田文一 この二人が私の中では 魂を揺さぶる画家であります。
今回の企画展は連休明けまで開いておりますので 是非ご来場ください。
画廊春は大垣市藤江町4-14にありますが はじめての方は皆さん道に迷われます。
大垣市ドラッグユタカ旭町店の裏(北側)にありますので そこを目印に来て頂けるとよくわかります。
お待ちしております。
Tel 0584-78-0043 画廊春 代表 田渡達久
澤田氏は「モデルを見て描いた作品はない」と言っています
それでいて、どんな顔立ちでも描ける画家は日本にはいないと思います
澤田文一さん 本当に素晴らしい作家です。
世の中の薄っぺらい絵で売れてる作家さんとは違います。