春江美術館・画廊春 (彫刻家 奥村信之・描く詩人 水村喜一郎作品常設) 

春江美術館・画廊「春」作品展示の様子を 画廊犬コテツと共にお伝えします。

水村喜一郎 竹紙絵(ちくし絵)展のご案内 画廊春

2018年03月29日 | 画廊春展示

奥村信之ブロンズ作品展を9月まで開催していますが、壁面では月替わりに絵画を展示しています。

4月は水村喜一郎竹紙絵展を開催します。

展覧会のリーフレットが出来上がりましたのでご紹介します。

会期は4/5~となっていますが既に展示ができましたので、今日からでもご覧になれます。

竹紙絵とは、作家の水上勉先生(故人)が若狭で竹を使って和紙を漉かれたのですが、水村さんにこの紙を使って絵を描いてみてはと勧められたことから描かれるようになったとのことです。

唇で絵筆 あふれる詩情 両腕なくし洋画家に 

 水村さんは東京の下町、向島でとび職の長男として生まれた。九才の時、遊んでいて高圧線に触れて感電。一命は取り留めたが両腕を失った。小さい時から画家を志望し、「たまたま腕を落としたので、とび職はできず、画家になれた」と話す。

 中学一年から油絵を描き、正規の絵画教育は受けなかったが「描きたいものを描いてきた」。

 アトリエでは、絵の搬入と搬出以外は独力で、「気に入るまで絵の具を塗り重ねるスタイルだ。そのため絵は重層的になり、盛り上がったマチエールで見せる。・・・

     後略

二〇一五年三月一八日 中日新聞

画廊春 水村喜一郎展の記事より

 

  当画廊にて三回目の作品展です。

若狭で漉いた竹紙に墨と水彩でざっくりと描かれた作品は油彩に負けない質感で魅了してくれます。奥村ブロンズ作品と合わせてお楽しみください。   画廊主

 

今回の展示では竹紙絵11点、デッサン1点、油彩5点、書2点 計19点を展示します。

是非ご来場の上 ごゆっくりごかんしょうください。

 

大垣市藤江町4-14 画廊春 代表 田渡達久

   Tel    :  0584-78-0043 

       Email  :    dentotakkyu@yahoo.co.jp

 

 

 

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2018奥村信之ブロンズ作品展③ 画廊春 奥村氏が語る不思議な縁

2018年03月15日 | 奥村信之 彫刻家

 

以前にもブログに書きましたが、本日は奥村信之氏がローマ法王像を制作するに至った縁(えにし)についてご紹介します。

昨年奥村氏は自身3人目となる現ローマ法王、フランチェスコ法王像を制作しバチカンに奉納しました。

ヨハネパウロ2世、ベネディクト13世、フランチェスコ法王と3代連続で法王像を制作する栄誉をいただいた彫刻家は他にはいません。

かのミケランジェロやベルニーニでさえ、一人の法王を刻んだだけです。日本人として大変名誉なことであると思いますが、この事実はあまり知られていないのが残念です。

奥村氏とローマ法王像制作のつながりについて 奥村氏の書簡を引用しながら説明したいと思います。(以下書簡より)

ローマのボルゲーゼ宮殿は、ローマにある大宮殿の一つです。宮殿内は、コロンブスが持ちかえったと言われる金を贅沢に使って、天井に装飾をほどこしてあります。有名な支倉常長の等身大肖像画があります。

この現当主の像(カヴァツァ氏)も、奥村が作りました。

ここから不思議な縁がはじまりました。

今は、1階をスペイン大使館、2回をメルリ・リンチなどに貸しています。

アルテーナの宮殿も、ローマの宮殿も私邸で、一般の人は入れません。

 

18世紀後半から19世紀初めは、カミッロ・ボルゲーゼが有名で、ナポレオンの妹パオリ―ナの旦那です。

ナポレオンは、このボルゲーゼの美術品がのどから手が出るぐらいほしがっていたそうです。

このように、ナポレオンとも親族関係にあります。

ボルゲーゼ家は、法王も出したローマで一番の貴族です。今は政府に買い取られて、ボルゲーゼ美術館とボルゲーゼ公園になりましたが、かつてのファミリーは、ここのヴィラに住んでいました、敷地の広さが80ヘクタール(24万坪) ローマ市内の地図を見ると、中心の大部分を占めています。

 

その直系が、アルテーナ(ローマから30㎞)のボルゲーゼ宮殿に住んでいらした、パウロ・ボルゲーゼ公爵、

その像を奥村が作りました。

世界ふしぎ発見で出演された奥様が、プリンセス、ニケさんです。

 

ボルゲーゼ宮殿は、このアルテーナの宮殿(夏の宮殿)と、ローマにある宮殿があります。

全て、17世紀初頭、シピオ―ネ・ボルゲーゼ枢機卿が建設しました。

ボルゲーゼ宮殿は、このアルテーナの宮殿(夏の宮殿)と、ローマにある宮殿があります。

全て、17世紀初頭、シピオ―ネ・ボルゲーゼ枢機卿が建設しました。

 

シピオ―ネ・ボルゲーゼの叔父さんが。1610年代法王になったパウロ・ボルゲーゼ・5世です。

パウロ5世は、いち早く、ベルニーニの才能を見出し、ローマに呼び寄せ、彼に英才教育をさせました。

シピオ―ネは、ベルニーニに、いろいろな彫刻の仕事を注文し、その中でベルニーニは腕を磨いていきました。

また、支倉常長が、ローマに来た時には、おじさんに言って、支倉と会うように勧めたりしました。

今年(2016)は、慶長渡欧使節団の支倉が、ローマ法王パウロ5世に謁見してから、ちょうど400年目にあたります。

 またシピオ―ネは美術収集家としても、有名で、今、ボルゲーゼ美術館にある作品群は、彼の貢献度が大きいです。


ローマ法王を輩出したボルゲーゼ家が代々大切にし育ててきた彫刻家の才能は、ベルニーニから奥村信之と時代を超えて受け継がれ、奥村氏が3人のローマ法王を制作することにつながってきたのです。

奥村氏は常々、「不思議な縁で造らされているようだ。」と語っていますが、支倉常長の時代からボルゲーゼ家を介してローマ法王像の制作とまさに不思議な縁でつながっているようです。

 

粘土の段階のフランチェスコ法王像です。


次回は奥村氏が目指す イタリアンロストワックス、イタリアブロンズ鋳放し技法について説明します。


奥村氏の作品は画廊春にて展示中です。肖像彫刻とは違った奥村氏渾身の彫刻群が集まっています。

皆様足をお運びの上、ご鑑賞ください。

 

大垣市藤江町4-14 画廊春 代表 田渡達久

   Tel    :  0584-78-0043 

       Email  :    dentotakkyu@yahoo.co.jp



 


 

 

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2018 奥村信之ブロンズ作品展② 画廊春

2018年03月06日 | 奥村信之 彫刻家

3/1より奥村信之ブロンズ作品展を開催しています。

本日は奥村先生の傑作の1つであるジャスティス像を詳しくご紹介します。

ジャスティスは正義と公正の神です。目隠しをして右手に剣を持ち、左手には天秤を持っています。

何ものにも捕らわれず、正しい判断をして裁きを下す神です。検察庁や法律事務所に掲げられているのを見かけます。

日本では閻魔大王といったところでしょうか。

奥村彫刻はあくまでも人体の骨格、筋肉、内臓までも正しく把握したうえで造形的な美しさを追求しています。

イタリアンロストワックス技法による鋳造は、陶芸と同じくまさに窯から産まれたばかりのような感動を印象付けます。

優雅で気品に満ちた立ち姿に目を奪われてしまいます。

このような傑作がこの画廊春に在ることが不思議な気持ちになってしまいます。

よくお客様にこのことを尋ねられるのですが、奥村氏と私は学生時代からの友人であるため快く作品を預けていただいています。

この写真は昨年末に日本橋の高島屋での個展でのスナップです。

奥村氏は実に温厚誠実であり、その人柄からはイタリアでの長い苦労をうかがい知ることはできません。

あるテレビ番組で「石の上にも30年」と語ってみえましたが、相当な修行をされてきました。

学生時代より天才的な造形力があり、「これはかなわないな」と感じていましたが、まさかここまで努力されているとは長年知りませんでした。

私も個人的に何体か分けていただきましたが、奥村彫刻と過ごす日々は本当に幸せです。

 

是非画廊に足を運んでいただき、直に手に取り奥村彫刻の素晴らしさを味わってください。

奥村作品のコレクションは画廊春にお任せください。

奥村氏による肖像彫刻のご注文も承ります。

 

ところで作品展の合間を見て私も作品を作っています。

大人の図画工作といったレベルですが恥ずかしながらご紹介します。

草間彌生風のモビール(ヤジロベエ)です。

春風にふわふわ、ゆらゆらと動きます。

材料は厚紙、枯れ枝、石などとアクリル絵の具です。

簡単ですので作ってみてください。楽しいですよ。

 

 

大垣市藤江町4-14 画廊春 代表 田渡達久

   Tel    :  0584-78-0043 

       Email  :    dentotakkyu@yahoo.co.jp

 

 

 

 

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