春江美術館・画廊春 (彫刻家 奥村信之・描く詩人 水村喜一郎作品常設) 

春江美術館・画廊「春」作品展示の様子を 画廊犬コテツと共にお伝えします。

虚空蔵寺山門

2014年10月18日 | 旅行

普段アトリエで静物を描くことばかりしている私にとって、おそらくは何十年ぶりかの野外スケッチです。

木陰で描きましたが 結構寒くて指が思うように動きませんでした。

画帳を振り返ってみますと 若き頃のスケッチがありましたので 合わせてのせておきます。

四日市港のドッグ①

四日市港のドッグ②

青墓の地蔵堂

池田山願成寺古墳群のひとつ

改まって振り返りますと 私にとってはどれも懐かしい風景です。

機会があれば また野外スケッチをしてみます。

とりあえず 寒いので春までお預けです。

 

ところで 画廊春では第4回の企画展準備が整いました。

テーマを「風景の記憶」として作品を展示します。

第4回にして渾身の企画を準備できたと自負しています。皆様足をお運びください。

 

画廊春 第4回企画展 「風景の記憶」

会期 11月1日~11月24日 ( 定休日 月 火 水 )

出品作家 阿部幸洋 柴宮忠徳 水村喜一郎

       須田寿  清水勝   中村忠二

       中村徹  難波田龍起 桜井幸造  

質の高い作品を並べます。皆様足をお運びください。

 

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脇田和美術館 秋の旅(3)

2014年10月13日 | 旅行

軽井沢の林の中にあるお洒落な美術館です。

代表作から小品まで ほぼ作家の全貌を鑑賞できました。

脇田さんの魅力は 優しいフォルムとしっとりとした色彩です。

ほとんど詩といっていい作品たちに囲まれて幸せな気持ちになりました。

 

 

画廊春  最近コレクションした 逸品を紹介します。

須田寿 作 「黒い林」

この作品は11月からの企画展で並べます。

 

画廊春 第4回企画展 「風景の記憶」

会期 11月1日~11月24日 ( 定休日 月 火 水 )

出品作家 阿部幸洋 柴宮忠徳 水村喜一郎

       須田寿  清水勝   中村忠二

       中村徹  難波田龍起 桜井幸造  

質の高い作品を並べます。皆様足をお運びください。

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大川美術館・難波田龍起展 秋の旅(2)

2014年10月12日 | 旅行

水村喜一郎美術館を後にして 群馬県の朝妻治郎美術館に向かいました。

悲しいことに美術館は閉鎖されていました。

個人美術館は経営が難しく、特に抽象作品を扱う美術館は大変です。

朝妻治郎は画廊春一押しの作家であり 今回の旅でとても楽しみにしていましたが残念で仕方がありません。

昨日水村さんが長野県は日本一美術館が多いのだが 経営が黒字なのは二つだけとおっしゃりました。

有名な浮世絵を扱う美術館と人気の童画を扱う美術館のみ・・・悲しい現実です。

 

この日は桐生市にある サラリーマン時代の大川栄二さんがコレクションしたことで有名な大川美術館に行きました。

思えば私のコレクションも大川氏に刺激を受けてはじまった節があります。質、量でとうてい及ばないのですが・・・

大川美術館では思いがけず難波田龍起展が開催されており、超ラッキーでありました。

まずは常設作品からじっくりと鑑賞・・・

超一流の作品がずらりと並んでいます。

とりわけ 松本俊介の作品が充実していることに驚かされます。

画集で観た素晴らしい作品が目の前の壁面にずらりと並ぶ様は圧巻です。

俊介の絵を見るだけでここまできた甲斐があるというものです。

ずしりと思い感動を味わいながら次の展示室へと進むと 難波田龍起の部屋です。

はじめは若き日の作品群 

ギリシアの彫刻群にあこがれて制作していたシュール的な作品 はじめてみました。

ここが彼の出発点だったのか・・・少し意外な感じでした。

やがて戦後の復興期 次々と建設されるビルの骨組みから感化されて抽象の道へ入る。

ここから一気に難波田スタイルへと突き進む。

抽象という難解なスタイルを扱いながら しみじみと深い 感情の根源に迫る不思議な作家です。

晩年の大作 「祈り」 「翔」 の前では ただただ手を合わせ 祈るしかありませんでした。

 

画廊春でも5点ほど版画をコレクションしていますが やはり油彩による大作は迫力が違います。

ああ 1枚欲しい  今は買えなくても願い続けると思いは叶う・・・毎日お祈りしよう・・・

・・・と思う作品ばかりでした。

 

今回の旅を通して 画家の執念を肌で感じることができました。

水村喜一郎、難波田龍起 一生をかけて追い求める作品に出会えたことに感謝します。

画廊春に 一点でも多くコレクションすることを心に誓い、やがては画廊を大川美術館のような

個人美術館にしよう。そんな願いと希望を持ちました。

 

明日は脇田和美術館について書きます。

 

 

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水村喜一郎美術館 秋の旅(1)

2014年10月11日 | 水村喜一郎 画家

先日の台風が来た日、雨が上がるのを待ってコテツと一緒に出かけました。

東名高速、新東名ともに通行止めで渋滞につかまり、その日はSAで一泊するはめになってしまいました。

翌日横浜で大学の同級生H君と落ち合い軽井沢方面にに向かいました。

水村さんの美術館は2013年東御市に開館しました。あいにくギリシアに出かけられて休館だったのですが

電話で確認すると翌日は開館するということでしたのでその日は楽しみにして宿へと向かいました。

久しぶりにあったH君と飲み明かし、翌日は二日酔いで体調不良でしたが美術館に着く頃にはよくなりました。

美術館に着くと 団体の方の中に ひときわがっちりとした大きな体躯の水村さんの姿があり大感激です。

じっくりと素晴らしい作品を鑑賞した後 以前 先生の作品を大垣の愛晃堂さんで購入したことや画廊を

開いたことなどを話し 今度個展をお願いできないかと話したところ快く承諾くださり大感激でした。

美術館は息子さんが学芸員として運営されています。

今後は息子さんと連絡を取り合い、段取りをしていきます。

先生も20年ほど前に大垣で個展をしたことや愛晃堂のご主人のことを懐かしく振り返られ、近くの蕎麦屋

さんでお昼をごちそうして頂き、大感激でした。

先生の美術館には天皇皇后両陛下もご訪問されましたが、その時のエピソードなど楽しくお話ししてくだ

さいました。皇后様は先生の熱心なファンで今までに何度も個展に訪れられ、絵も購入されています。

 

水村喜一郎は魂の入った絵を描く 希有の画家です。

デッサンはどこまでも繊細で、細く優しい線はとても魅力的です。

「俺は絵で飯を食う最後の画家になる。」と話してくれました。

66才になられたそうですが、絵にかける情熱は衰えを知りません。

しかし、彼は安易に絵を売らない。

過去の絵は売らず その時その時の個展で勝負すると話されました。

強くて優しく、努力の人 水村さんの個展を当画廊で開けること、とても楽しみです。

個展は来年の春に予定しておりますので 皆様足をお運びください。

 

 

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三橋節子という画家(2)

2014年10月04日 | 旅行

 先月観た三橋さんのことがずっと気になっていました。

アマゾンで画集を取り寄せ、いつも手元に置き眺めています。

彼女の 画家として、母として、あまりにも短く悲しい人生を思うと涙を禁じ得ません。

いつも寡黙であり自らの運命を受け入れてからの彼女の仕事、母としての生き方が

静かにしみじみと彼女の絵に表れています。

画集の写真は平板で表面的なものしか映しだしていませんが、それでも心に浸みるのです。

「吾木香」

若き日の作品です。この繊細なデッサンと色、すでに完成された画家の絵です。

華やかな花は彼女の絵には登場しません。生涯を通して摘んできた野花が題材です。

「芹」

彼女の描く花は 胡粉の白がベースです。自らの命が静かに発光しているようです。

自らの死期を覚悟している時期に描いた 母子像です。

実はこの時期 癌に冒された右腕を切除し、左腕で描きました。

何て健康そうな お母さんの姿でしょうか。両腕でよう肥えた赤子を抱き、

母乳でいっぱいに膨らんだ乳房をくわえさせています。

この時期 彼女は必死に癌と闘っていたことを思うと 涙を禁じ得ません。

絶筆です。天女の体が透き通り深い闇の空に消えていきます。それを見つめる子は何を思うのか・・・

こんな画家がいたことに 驚きと同時に宗教的と言っていいような静謐な悦びを感じます。

 絵は画家の人生そのものだということを 教えてくれる三橋節子さんです。

そういった絵をコレクションして皆さんに観て頂くことが 私の仕事だと思っています。

 

第3回 画廊春企画展もいよいよ残り2日になりました。皆様、足をお運びください。

都合により10/6~10/10は画廊は休業しますのでよろしくお願いします。

 

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