先日、誘われて鉄骨建築のある公共施設の上棟見学会に出掛けた。一般住宅や木造建築の棟上げというのはよく聞くし、子供の頃は近所の棟上げ式での餅撒きの餅を拾いに行った思い出もある。しかし、鉄骨建築のビルでも上棟式というのがあるのだろうか。
参加したのは上棟見学会で「上棟式」ではないが、「上棟」と銘打っているのは棟上式に代わるか、別途行われた上棟式に付随する見学会という意味なのだろう。確かに、既にビルの柱やコンクリートの床や壁、階段などの基本構造などは仕上がっていて、あとは床を張ったり天井や電気設備など付帯設備の工事を残すだけになっていた。
今回は公共施設なので、一般利用者から希望者を募っての見学会を行ったということなのだろう。基本構造が出来上がった時点での見学会なので「上棟見学会」と呼ぶことにしたのだとすれば、やはり鉄骨ビルにも「棟上げ」の概念があるものと思われる。木造・鉄骨造りに拘わらず建物を建てる側の方々にとって、その無事完成と利用者の無事故を願うために「式典」があるのはきっと周知のことなのだろう。自分としては、今回見学会に参加してみて初めて鉄骨ビルにも上棟式があるのだと、建築に携わる人々の「願い」と出会うことになった。
