Along with the Mekong

メコン川の流れのように

イルガチェフェ コーヒーの精霊の棲む村

2007年02月18日 | エチオピア日記

7時にホテルをチェックアウトして、憧れのコーヒー産地"イルガチェフェ"へ向かう。ここで生産されるコーヒーがもつ群を抜いた香味が不思議でならないワタシは絶対産地を見てみたいとずっと思っていたが、そのチャンスは意外と早く訪れた。これもコーヒーの精のお導きか・・・(^^ゞ

アジスアベバを出た三菱パジェロは、サバンナを時速140キロで走る。乾いた大地に、きのこ型の可愛いおうちがポツンぽつんと並んでいる。その周りをヤギやロバがうろうろしている。昔絵本で見たような光景だ。
 「お宅訪問してみたいな」、とワタシ。
 「強盗だと思われて切りかかられるぞ」、と師匠。
ふーーーん、そうかもなぁ・・・
  

途中の昼食休憩を入れて、出発から8時間。ようやく憧れの地、イルガチェフェ村に到着した。実はアジスアベバに到着してからずっと目が充血していた。デジカメはどこかの接触が悪くなって壊れかかっていた。それが、この村についた瞬間、充血はさっと引き、カメラは完全復活してしまった。「何かある」。ドキドキしながら村のステーションに向かった。

イルガチェフェでは、収穫はとっくに終わり、今期最後のチェリーの乾燥も終え、ドライベッド(乾燥棚)を片付けているところだった。こうしたステーションは3ヶ所訪問したけれど、どこも本当にちゃんとちゃんと棚干していた。
 

標高2000mにあるステーションは、決して整った空間ではないのだけれど、なんというか、物を作っている場所特有の「熱」や「温かさ」が感じられる場所だった。
 「ここ、精霊が棲んでる」
その場で口にはしなかったけれど、確かにそう感じた。不思議なあたたかいオーラに包まれている場所だった。そして、
 「精霊さん、またワタシを呼んでね」と囁いたのだった。

聞いてはいたことだったけれど、イルガチェフェにはプランテーションはなかった。ガーデンコーヒーといって、農家の庭先で細々と栽培されているコーヒーばかりだ。農家はそのチェリーを摘んで、ステーションに運び、現金で買い取ってもらう。ここまでは雲南もまったく同じなんだけどなぁ・・・
 

今回は時間がなくて、その農家の庭先をじっくり見て回ることはできなかった。さっと見た限りでも、木の種類は3種類あった。妙に葉が小さくて密集している木。あれはなんだったんだろう。確認のためにも、やっぱりもう一度行かなくちゃ。

ワタシをこの道に呼び寄せたのは雲南のコーヒーだけれど、ここまで深入りさせたのは、東京のコーヒーセミナーで飲んだケニアのコーヒーだ。だったら次はケニアにも行かなくっちゃなぁ、なんて早くも「次」に気持を飛ばしている気の多いmame。イルガチェフェで静かな夜を過ごし、翌朝は、未練タラタラ、そして「また来るから、きっと来るから」と一人ごちつつ、イルガチェフェの村に別れを告げ、また8時間をかけてアジスアベバに戻ったのでありました。


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