Along with the Mekong

メコン川の流れのように

タテ書き民族

2006年10月12日 | なんでもない日常のこと
タイ語には句読点がない。単語ごとの余白もない。だから、どこで文章が終わっているのかはっきりしないときがある。修飾語(節)がかかるのが、直前の単語だけなのか、文節全部にかかっているのかなんて、もっとわからない。ネイティブのタイ人だって、一回読んだだけではわからなかったり、人によって解釈が違っていたりするから、ワタシのような、真面目にタイ語学習に取り組むことなく、気迫と笑顔だけで意思疎通を目指してきたようないい加減なガイジンがタイ語の文章を読むのは本当に難儀だ。

けれど、この句読点も区切りもない言語は、本当にタイ人の「白黒はっきりさせない」性格に反映されている。細かいことは気にしない。「大体でいいのよ、大体で」というタイ人の声が聞こえてくるようだ。このお気楽さ加減が大好き~

ワタシタチ日本人は、書くときには横書きが多いけれど、読む場合は、書籍でも雑誌でも、圧倒的に縦書きだ。パソコンの普及とともに、企画書も報告書も横書きが主流になったと思うけれど、国語の教科書も文学書も、依然として縦書きオンリーだ。

イタリア人の友達が「君たちの文字は水平にも垂直にも書けるのか!?」と驚いていたことがあったけれど、確かにアルファベットは横にしか書かないもんなぁ。中国語は縦にも書けるけれど、今や縦書きは書道のときくらいで、日常的にはほぼ横書きだ。日本人は世界でただ一つの縦書き文字の民族なのかしら。

ワタシとしては、やっぱり文字は上から下に読みたい。メモも急いで書くときには縦書きになっていたりする、『タテ書き民族』代表といってもらってもいいワタシ。マニュアルのような説明書なら横書きでもいいが、文字に連れて感情が一緒に振れる小説や思想的な書物は、絶対、上から下に読みたい。だって「うん、うん」ってうなずくときは首も視線も上から下に動くのが自然だもん。

今度飛行機に乗るときは、ガイジンの隣で文庫本を読んでみよう。そして、彼らの視線が本の上で止まったのを感じたら、「何か?」とニッコリ微笑んで、「あーこれですか」と、「ワタシタチ日本人はね、文字を縦にも横にも書ける柔軟な脳の持ち主なんですのよ。しかも、ひらがな、カタカナを組み合わせて言葉を作るだけじゃなくて、この複雑な構成の漢字を2000は覚えていて使い分けているんでございますの」と胸を張って言ってやろうじゃないの。楽しみだわ~

最新の画像もっと見る