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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

地がき論文改造

2009-01-16 | 研究ノート
・地がき論文の考察を考える。イントロを大きく改訂するとなると、考察も当然大幅改訂になるわけだが、こちらは混迷してきた気がする。英語でこのまま進めると訳が分からなくなりそうなので、一度、日本語で書き直す。ううむ。このまま作業をしているとはまりそうなので、一度、Iくんに送って議論してから進めることに。

・油断している間に、査読がいくつも重なってしまった。しかも、一つはかなり重い。しばらくは、どんな審査依頼が来ても、とてもじゃないが断るしかない。今回の査読は出来は悪くないので、勉強にもなるんだけど・・・。

・ヤチダモ種子の散布実験のデータを掘り返してみる。だいぶ忘れていたのだが、ようやく記憶が戻ってきた。種子の重さ、風速、滞空時間、距離などをまとめてみることができるようにデータの形式をそろえる。このころはまだRを使っていなかったので、データセットが分かりにくいといったらない。そろえるだけで結構な時間がかかってしまう。再解析で何か見えてくるだろうか・・・。

虎刈りヒノキ

2009-01-15 | Weblog
・Tさんとともに、ヒノキ採種園の断幹と枝の剪定。I先生にご指導していただいたとおり、2mの高さで断幹しつつ、枝を半分程度に切り詰める。最初はこんなに切り詰めて大丈夫か?とおそるおそる切っていたのだが、だんだん調子(?)が出てくる。



・作業途中に、「カラスがロープにひっかかっている」という情報が寄せられたので、いったん中断して現場確認に行く。ぐるぐると歩き回った結果、昆虫トラップの紐が羽と足に絡んで、宙吊りになったカラスを発見。なんとかトラップを引き下げて、カラスを紐から外すことができた。遠くで見るとやかましいカラスだが、近くで見ると案外かわいい顔をしている。

・採種園に戻って作業再開。小春日和の中、Tさんとは10mくらい離れて別の列で作業をしているので、黙々と作業。ひたすらにヒノキの枝を剪定していると無我の境地というか、なんというか美容師になったような気がしてくる(虎刈りになってたりして・・・)。帰りがけにふと苗畑方面を見ると、この日和に誘われたのかロウバイの仲間が花をつけている。当試験地では花の中心が赤(下の写真)と花の中心が黄色の2タイプがある。



・Kさんからの指摘を元に、地がき論文の大改造に取り掛かる。現在のバージョンを改めて読み返してみると、イントロの流れが確かによくないように思える。とりあえず、パラグラフを大きく移動させたり、全く新しいロジックを考えたり・・・。うんうんとうなりながらの作業。あまり人にお見せできるものはない。とりあえず、大改造版のイントロたたき台らしきものができた(ような気がする)。後はこれを精査しつつ、肉付けしていくという作業が必要である。

ムクノキ

2009-01-14 | フィールドから
・午後からスタッフとポプラの保存園や苗畑での状態を確認に行く。よく活着しているものと、活着していないものがはっきりしている。本試験地には39の改良ポプラ品種があるのだが、品種がはっきりしているうちに、DNAとして保存しつつ、マーカーによる識別のシステムを作ってみようかという気になりつつある。39という数はいかにも手ごろだし・・・。そう考えてみると、品種原木の位置図も作りたいような気がしてきた。

・突然、「ムクノキが見たい」という一般の方からのお電話があり、全木調査のデータを見直してみる。なるほど、当試験地に大きい個体はあまり多くない。しかし、LTER付近では、胸高直径5cm程度の個体は結構生えている。ふと、Iさんに聞いてみると、意外なことに車庫のすぐ裏手にかなり大きな個体があった。



・武蔵野の雑木林を代表する樹木だということで、Sさんからも教えてもらった記憶があるが、当方にとって、このムクノキの性格(種特性?)ってのが、まるでイメージできない(ムクノキの実は美味しいらしいけど・・・)。そもそも、冬のこの時期では、ざらざらとした葉を触らないとなかなか同定できない。これを機に少し気にしてムクノキを観察してみることにしよう。

トドマツ交雑論文修正稿、投稿

2009-01-13 | 研究ノート
・朝から弥生。生協にて、パソコンの電源アダプターの別売りを購入。ノートパソコンを持ち歩くと、電源アダプターが意外と重い。”これを自宅と職場に置いておけば、とっても楽ちん”、というフレーズに惹かれてしまった。これで少しはかばんが軽くなる・・・はず。

・トドマツ交雑論文の英文校閲が戻ってきたと思ったら、いきなり違う原稿ファイルが添付されている。これはちょっとひどいミスだ、ということでクレームを出すと、即座に平謝りのメールと正しいファイルが返ってきた。おいおい・・・。

・この雑誌に修正原稿を提出するのは初めてだったので、最初は手順が分からずに少々戸惑う。いつものことながら、投稿が完成するまでは気が抜けず、意外なほど時間がかかってしまう。修正コメントも追加できていることを確認し、ついに投稿!うーし、後はいい結果を期待しつつ待つだけである。

多角形面積

2009-01-12 | その他あれこれ
・アカエゾマツ論文修正の過程で、サンプリング・エリアを計算しなおすことになった。各個体のXY座標で囲まれた面積を求めたい、というわけ。少しネットで調べてみると、Aさんが既にコードを公開しておられる。時計回りに(X1,Y1, X2, Y2,・・・Xn, Yn)と並べておけば、囲まれた面積がRで計算できる。

・本当は自動的に外側になっている個体を検出して、自動的に時計回りに並べることができるようなコードが書けるといいんだけど、結局、外側の個体を時計回りに並べるところまではエクセルの図を見ながら手動でやってしまった。とりあえず、面積計算は完了。修正原稿の表に反映させる。

・子どものバスケットの練習試合を観戦。今日は動きがイマイチで、シュートの精度がまだまだである(と、観ているだけなので、エラソーなことを言ったりして・・・)。午後から、TVにて高校サッカーの決勝戦を観戦。またもや点の取り合いで面白かった。敗れた鹿児島のエースの試合後の悔しさを堪えるような表情が印象的だった。

高校サッカー

2009-01-11 | その他あれこれ
・子どもの幼稚園のサッカークラブのOBが出場するということで、高校サッカーの準決勝をTVで観戦する。元々、高校サッカーは大好きだ。前橋育英vs鹿児島の試合は序盤からとんでもない展開で、前半だけで5点が入り、最後までドキドキの展開であった。最後は応援していた前橋育英が敗れてしまったが、これだけ点が入るとサッカーも面白い。

抽出マシーン

2009-01-09 | 研究ノート
・Sさんのご協力を得て、ヤチダモ種子の種皮からDNAを抽出を試みる。液体窒素で冷やしつつビーズで粉砕しようと試みるが、ヤチダモ種皮は繊維質かつ硬く、まるで歯が立たない。ということで、久しぶりに乳鉢と乳棒を用いてゴリゴリと・・・。福岡時代を思い出してしまった。液体窒素+乳鉢&乳棒でも、なかなかパウダー状にならず、種皮はなかなか手ごわい。

・すりつぶし後はDNA抽出マシーンにセット。DNA抽出マシーンを初めて利用させてもらったのだが、セット後に放置できるというのは有難い。議後に濃度測定をすると、それなりに取れていたが、PCRにうまくかかるかが問題である。

・Kさんから地がき論文に関するコメントを頂く。一つ一つが的確、かつ、自分では考えることがなかった視点なので、非常に有難かった。この分野の論文を書くのは初めてなので、やっぱり論文の位置づけが不十分であることがよく分かった。自分じゃ見えないもんだよねえ。当方もこういうコメントができるようにならなければいかんのだが・・・なかなか。

都市林ジャングル

2009-01-08 | フィールドから
・試験地スタッフとLTER区の測量。カエデ見本林と異なり、アオキやシュロなどの常緑低木が繁茂しているために見通しが悪いことこの上ない。10×10mの格子点を打つというのが目的なのだが、10mさえも見通せないところが多い。まずは、境界沿いに110mのラインを張ろうとするのだが、意外に手間取る。



・本試験地ではアオキはタマバエに寄生されることが多く、ほとんどまともな実が見られないのだが、1個体だけ,やたらと実がなっているものを発見。環境?それとも、こいつがタマバエ抵抗性を持ってたり・・・しないだろうな。



・午後から樹木園(G02)の個体位置図作成のための測量。3人で1時間半で測量が完了。データを入力し、いざ樹木位置図を作ろうと思ったら、ヒマラヤスギなど巨木の胸高直径がないことに気がついた。

・どうやら70cmを超えるものは測定していなかったようなので改めて測定。完成した樹木位置図を見ると、ほぼイメージどおりである。やっぱりXY座標があると面白い。全個体6000本の樹木位置図作成の野望にはまだまだ遠いが、少しずつ整備していきたいところである。

競争効果

2009-01-07 | 研究ノート
・アカエゾ論文の修正稿〆切りが迫ってきたので、こちらで修正できる部分の改訂を行う。元の原稿、修正原稿、審査者からのコメントを見比べながら、修正原稿に手を加えつつ、審査者へのコメントを作成する。いきなりパソコンで打つと失敗することが多いので、いったん紙に書き込んで数時間放置。夕方から再び再開し、Tくんに送る。

・標高別試験地の最新データを元に、各樹種の隣のプロットの平均直径、平均樹高、BA合計、個体数などのデータを元データに反映させる作業。地図を見ながらアカエゾの左隣、右隣にいる樹種のデータを手作業でコピー。こればっかりは自動化できないので慎重に作業する。とりあえず、個体数(密度に相当)とBAを隣プロットの競争効果を考慮するために、樹高と胸高直径を説明するモデルに加えてみる。

・例えばエゾマツでは、標高だけで説明するとAICは3824なのに対して、隣のプロットのBAと個体数を入れると3778、BAだけを加えると3791のように改善される。アカエゾでも同様に、隣のBAが大きくなるとDBHが小さくなる。しかし、その他の樹種では意外なほど改善されず、例えば、トドマツでは標高だけモデルのAICが2424なのに、標高+隣のBA+隣の個体数では2428、標高+隣のBAで2426となる。



・思ったよりも隣プロットの影響を受けていないということで、ほっとするやら拍子抜けするやら・・・。個体数の影響はプラスになっていたりして、単に生存率が高いところが大きくなるという変な傾向も拾っているようなので、これは抜くべきだろう。全体的に見ると、やはり競争効果を加えた方がAICの合計値はかなり小さい(エゾマツとアカエゾマツの影響が大きいというのもあるが・・・)。とりあえず、隣プロットのBAを加えた競争効果を考慮したモデルを用いるのが良さそう。



・エゾマツとアカエゾマツでは見かけ上は標高が高くなってもDBHが低下するとは限らず、むしろ730mくらいでピークを示すように見える。しかし、競争効果(隣プロットのBA)を考慮すると、標高が高いほどDBHや樹高が低下することが分かった。樹種によって異なるのは、隣のプロットにどの樹種がくるかという組合せの問題があるからだろう。何はともあれ、完全ではないにせよ、ある程度は隣のプロットの影響を考慮した上で、標高が成長に及ぼす影響を評価できそうである。

個体位置図

2009-01-06 | 研究ノート
・昨日、取得した測量データを元に個体位置図作成を試みる。grade、degreeともに何とか変換方法が分かった。三角関数sinとcosを使ってXY座標にするのだが、最初は逆に使ってしまい、裏返しの位置図を作成してしまった。樹種ごとにプロットするまで間違いに気がつかなかった。危ないところである。ようやくバブル図で個体位置図を作ると、トウカエデやモミジバフウの群落が思い出されてなかなか楽しい。プロットの実感があると、個体位置図は見ていて飽きない。

・論文査読あれこれ。集中して読むと、ようやく頭に入ってくる。コメントする内容を考えながら、少しずつ読み進める。昨晩からトラブル続きだったトドマツ交雑論文の校閲依頼もようやく完了。今回は校閲会社の年末年始の”閉店”にまつわるメンテナンス業務にやられた感がある。全体として遅々として進まないものの、それぞれに何とか前進はしているようである。

・Mくんから標高別試験地の最新データを送ってもらったので、これを元に再解析。なぜかコードが走らないと思ったら、チョウセンカラマツ×カラマツをチョウカラ×カラマツと修正していたせいだった。この簡単なミスが分からずに、しばらくうろうろとしてしまった。しばらくデータに触っていないと、恐ろしいくらい記憶がなくなっているものである。〆切り間近になるとパニックになりそうな危険な香りがするので、とりあえず講演集のたたき台を作成。どこまで面白くできるか、これからが勝負である。