・トドマツ標高別の解析を進める.平均樹高については,むしろ低標高の植栽地で標高差が大きくなるほど樹高が低くなる傾向があるが,930m以上ではその関係はクリアではなくなる.生存率そのものが低くなるので,残ったものだけの平均樹高だけを見ていると傾向が見えにくいということなのであろう.生存率とは全く異なる傾向だ.
・Joshi et al. (2001)とMontalvo and Ellstrand (2000)の解析を参考に,生存率と適応度に関する形質を掛け合わせたものと標高差の関係を調べる.Joshi et al. (2001)では個体当たりの花序数を用いていたが,ここではMontalvo and Ellstrand (2000)に従って,適応度に関連する形質として平均樹高を用いる.平均樹高が適応度に関連するかどうかは微妙だが,ここではサイズ依存的に種子生産量が増えるというSato and Hiura (1998) For Ecol Manageを論拠にできるということにしよう.
・反復間で違いがあったのは,試験地自体が風害を受けた730mの植栽地だけであった.ということで,ここでは反復はプールして,母樹ごとの生存率と平均樹高を掛け合わせたものを一つのデータとして扱っている.厳密に言うと問題がありそうだが,樹木の場合には比較的少ない母樹で個体数が多いような試験設計がなされることが多いので,母樹別平均値を使うのは一つの手であろう.
・種子産地と植栽地の標高差をx,生存率×平均樹高をyとして植栽地ごとに回帰分析を行い,回帰直線を一つのグラフにまとめる.このように示すと,植栽地による標高差が適応度の推定値(生存率×平均樹高)に及ぼす影響が傾きとして比較できる,はずである・・・.
・全ての植栽地において,高度に有意な関係がある(ただし,標高730mのみは5%水準).興味深いことに,全ての植栽地において標高差が大きくなるほど生存率×平均樹高が小さくなっている.まさしく,Homeの有利性を示しているのだが,ここまで一貫しているとは想像以上である.回帰直線は,530m以下と730m以上で大きく様子が異なる.y切片の値の大きな違いは,700m以下の標高でトドマツが優占して自生していることに関係しているのであろう.傾きについては,もうちょっと考え見る必要がありそうである・・・.
・Joshi et al. (2001)とMontalvo and Ellstrand (2000)の解析を参考に,生存率と適応度に関する形質を掛け合わせたものと標高差の関係を調べる.Joshi et al. (2001)では個体当たりの花序数を用いていたが,ここではMontalvo and Ellstrand (2000)に従って,適応度に関連する形質として平均樹高を用いる.平均樹高が適応度に関連するかどうかは微妙だが,ここではサイズ依存的に種子生産量が増えるというSato and Hiura (1998) For Ecol Manageを論拠にできるということにしよう.
・反復間で違いがあったのは,試験地自体が風害を受けた730mの植栽地だけであった.ということで,ここでは反復はプールして,母樹ごとの生存率と平均樹高を掛け合わせたものを一つのデータとして扱っている.厳密に言うと問題がありそうだが,樹木の場合には比較的少ない母樹で個体数が多いような試験設計がなされることが多いので,母樹別平均値を使うのは一つの手であろう.
・種子産地と植栽地の標高差をx,生存率×平均樹高をyとして植栽地ごとに回帰分析を行い,回帰直線を一つのグラフにまとめる.このように示すと,植栽地による標高差が適応度の推定値(生存率×平均樹高)に及ぼす影響が傾きとして比較できる,はずである・・・.
・全ての植栽地において,高度に有意な関係がある(ただし,標高730mのみは5%水準).興味深いことに,全ての植栽地において標高差が大きくなるほど生存率×平均樹高が小さくなっている.まさしく,Homeの有利性を示しているのだが,ここまで一貫しているとは想像以上である.回帰直線は,530m以下と730m以上で大きく様子が異なる.y切片の値の大きな違いは,700m以下の標高でトドマツが優占して自生していることに関係しているのであろう.傾きについては,もうちょっと考え見る必要がありそうである・・・.