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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

からし蓮根とEcology Letter

2006-08-24 | 研究ノート
・火の国,熊本からの森林組合作業班の方など6名研修で林内案内.日ごろ,林業現場で働いておられる方との交流はなかなか楽しい.やはり,というべきか,木材丸太の価格,作業道の入れ方,木材生産の方法などについては,非常に関心が高い.山火事後のウダイカンバ林,マカバの天板生産にも興味を持っていたようだ.九州では,カンバの仲間といえば”ミズメ”といった話にもなる.材の立方単価というものは,普段,木材生産に関わっていない人にとってはまるでピンとこないものだが,この辺はツーカーで話が通じる.

・お茶のみ時に,熊本名物,からし蓮根の正式な食べ方は・・・との話.実は今まで,辛くてそのまま食べるのが大変そうだったので,せっかく詰められたからしを蓮根の穴から押し出して食べていた.が,そんなやり方はむろん邪道である(もちろん,お湯で洗う必要もない・・・).ところで,蓮根の穴に詰めているからしには,小麦粉が混ぜられていることを初めて知る.考えてみると,全てがからしだったら勿体ない上に,さすがに食べられないか・・・.

・戻ってきて,Joshi et al. 2001 Ecology letters, 4: 536-544を読む.が,なかなか頭が切り替えられない.ごく一般的な草本3種,Trifolium pratense, Dactylis glomerata, Plantago lanceolata, 

をヨーロッパの8箇所(イギリス2箇所,ドイツ,スイス,アイルランド,スウェーデン,ギリシャ,ポルトガル)から種子を採取して,相互移植してHomeとAwayの比較を行っている.

・結果としては,3種ともにHomeの方がFitnessが高く,Homeから植栽地までの距離が離れるにつれてFitnessが減少するというHome-site advantage仮説を支持する内容だが,解析の仕方はなかなか凝っているようで,もう少しマジメに読まないと理解できそうにない.Discussionもシンプルだが,深い感じである.

Ecology Lettersという雑誌に掲載されている論文を読むのは,これが初めてである.体裁もカッコいいし,内容的にもハイレベルのようだ.いつか投稿してみたいと思って,Impact Factorを調べると,なんと5.151!Ecologyよりも上ではないか(生態分野では4位).「いつかきっと」と思いつつ,なかなかハードルは高そうである.