健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

長期的な有酸素運動が糖尿病性腎症を改善する仕組み

2015-10-12 08:30:00 | 研究
長期的な有酸素運動が糖尿病性腎症を改善する仕組みが明らかになったそうです(財経新聞)。運動不足や肥満などにより血糖値を下げるインスリンの効果が徐々に悪くなる2型糖尿病は世界中で急増しており、医療経済の面からも大きな社会問題となっているのは既にご存知の通りです。これまで、長期的運動によってインスリンを分泌する膵臓の機能が改善して、インスリン分泌を高めることが分かってきたものの、そのメカニズムの全貌は不明でした。今回の研究では、代表的な2型糖尿病肥満モデルラット(Zucker diabetic fatty rat) を用いて、運動を2カ月間行った後の、腎組織の一酸化窒素・酸化ストレス・糖化ストレスの変化について調べたそうです。その結果、長期的有酸素運動により、アルブミン尿や多尿が抑制され、腎機能が改善することが分かったというもの。腎組織を観察したところ、糸球体や血管の障害が改善されていること、腎内の内皮型および神経型一酸化窒素合成酵素が増強していることが明らかになったそうです。一方、酸化ストレスと糖化ストレスのマーカーは軽減していたとも。これらの結果から、長期的有酸素運動は2型糖尿病肥満に対して一酸化窒素の増強、酸化ストレスと糖化ストレスの軽減を介して、腎障害を改善することが分かったというもの。
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