健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

体内時計が狂うと不妊症になりやすい

2015-10-13 08:30:39 | 研究
体内時計が狂ったマウスは、人間の30代半ば~40代に相当する年齢で性周期不整や不妊を起こすことが明らかになったそうです(財経新聞)。女性生殖機能では「視床下部-下垂体-性腺系(HPG軸)」が性周期を形成し、それには体内時計中枢としてはたらく視床下部・視交叉上核の時刻情報が必須であることが知られているそうです。今回の研究では、体内時計の概日リズムを制御する遺伝子を欠損したマウス(CryKOマウス)を用いて調べたところ、通常妊娠出産が可能である早期加齢期8~12か月齢(ヒトで換算すると30代半ば~40代)に性周期不整や不妊を起こすことが明らかに。さらに、このマウスの体内時計周期と明暗環境周期を調和させたところ、早期に発症する性周期不整が改善し、妊娠成功率は劇的に上昇することが分かったそうです。また、遺伝子欠損のない野生型マウスを、通常妊娠出産が可能である早期加齢期(8~12か月齢)に不規則な明暗環境条件におくと、性周期不整が惹起されたそうです。これらの結果は、早期に発症する性周期不整・不妊などの生殖機能の加齢変化が、体内時計の機能に強く依存することを示していると考えられるそうです。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする