健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

血中乳酸値の制御

2015-10-01 08:30:55 | 研究
慶応大学の研究成果として、乳酸アシドーシスにつながる血中乳酸値の上昇に対して、酸素濃度センサー分子であるプロリン水酸化酵素PHD2を不活性化させることによって、肝細胞がより多くの乳酸を血中から取り込むことで血中乳酸値を低下させるメカニズムを解明したと発表(慶應義塾大学)があったそうです。乳酸アシドーシスは、心不全、敗血症などの重篤なショック状態により血中乳酸値が上昇することで引き起こされる病態で、致死率が約50%と高く、早急な対応が求められているそうです。これまでは、細胞の酸素濃度センサーであるPHD2が不活性化すると、低酸素応答が活性化して、大量の乳酸が細胞から血中に放出されるとされていましたそうですが、今回の研究によって、肝細胞における低酸素応答は、乳酸の放出を亢進させるのではなく逆に乳酸の取り込みを活性化させるという、従来の認識を覆すものだったそうです。
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