健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

進行性骨化性線維異形成症(FOP)の治療法への光

2012-01-25 08:30:50 | 研究
難病の進行性骨化性線維異形成症(FOP)。傷ついた筋肉などが再生する時に激痛を伴いながら骨化してしまう病気です。遺伝子の異常で起き、炎症や痛みを抑える以外の治療薬はない状態です。つまり、治療法がなく、治らないということです。また、治療薬の開発には大きな障害があります。それは、患者数が少ないということです。ところが、iPS細胞の登場がきっかけとなり、FOP患者の皮膚細胞からiPS細胞を作り、骨化を直接的に抑制する方法の開発が可能となりました。そして今回、患者の皮膚細胞からiPS細胞が確立され、そして骨細胞に分化させることに成功したそうです。この骨化を抑制する方法が開発できれば、治療薬もできるかもしれません。患者さんとその家族にとってはやっと見えた光明でしょう。骨格筋の再生時に必要な筋衛星細胞と呼ばれる骨格筋特異的な幹細胞は、筋細胞、脂肪細胞そして骨細胞の遺伝子を持っています。通常では、分化の過程で、骨細胞以外の遺伝子は失われますが、FOPではおそらく骨細胞の遺伝子のスイッチが入ってしまうのだと思います。この世から難病がなくなる日もそんなに遠くないのかもしれませんね。
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