GREAT LOVE KINGDOM

山を楽しむために生きる。

心のちから

2006年12月20日 15時20分53秒 | 介護のお仕事
転職…もし転職するなら…☆
『ZECT』に入社して“ゼクト・ルーパー”として下積みをして、いずれは仮面ライダーに…!
『えっ!34歳じゃ無理?!採用は25歳まで!!』
分かりました。諦めます。介護の仕事を続けますよ!

ボクのフロアに先月末に入居されたお婆さんの話です。

入居前の情報では『ほぼ自立されている方だからホームでの生活に慣れれば全然問題ない。』とのことでした。
入居された日は『トイレに行かなくちゃ…トイレに…』の繰り返しで落ち着きがなかったのですが、翌日からは落ち着いて過ごされていました。
しかし入居から3~4日頃から異変が…
身体が後ろに傾いてしまい、とても一人で歩ける状態ではない。
更に排泄がピタリと止まってしまい、顔色は日増しに悪くなる。
入居当時は何となく会話出来ていたのに、この頃から名前を尋ねても『あぁ…あぅ?』と失語状態に…。
ボクは4日目で異変に気付きドクターに連絡を取ったが放置されてしまった。
更に3日後。痺れを切らし更に連絡の嵐を仕掛けるとやっと対応してくれました。
訪問看護士が来訪すると『きっと入居から1週間のストレスで認知症(アルツハイマー型)が一気に進んじゃったんだね。この低下具合はアルツハイマーの典型だよ。』と言われてしまいました。
食事は丸呑み状態で油断をすればティッシュペーパーや他の入居者の食事にも手を伸ばしてしまう始末。
他の入居者からは『あなた何でゴミを口に入れるの!』『ちょっと!それは私のおかずだよ!』と怒られ三昧…。
【怒られる】→【自信を無くす】→【認知症が進む】という悪循環…。
ボクにはそれを阻止することは出来ませんでした。
現在の訪問看護医療は“1クール14日間/月”と言う決まりがあります。
このお婆さんは12月1日から訪問看護を利用。
要は12月14日までは医療保険内で訪問看護を受けられるのですが、期間を過ぎれば実費で訪問看護士を雇わなければいけないのです。
これは家族にとって余りに大きな自己負担となる訳です。
お婆さんは自力で排尿・排便が出来ないので看護士が導尿・摘便を行い、健康状態を保っておりました。
しかし2週間の期限付き。
そこで頼りになったのはパートのおばちゃんたちでした。
普段は書類の提出期限は守らないし、お喋りばかりしているおばちゃんたちですが“薬を飲んでも出ないオシッコ”を言葉巧みに“出させて”しまうのです。
優しい声かけでトイレに連れて行き『そんなに難しいこと考えないで、ゆっくりやれば良いのよ♪』と魔法の様な言葉を投げかけると水道の蛇口をひねるようにオシッコが出るのです。
ボクもマネをしてみました。
『○○さん♪○○さんの好きなようにして良いんだからリラックスしてね♪』と。
しかし全く無理でしたよ・苦。
おばちゃんたちの“心のちから”が功を奏し、排泄に関しては薬に頼らずクリアすることが出来たのです。
そのお婆さんの口癖が『ラブちゃん…ラブちゃんがね…』なのです。
職員は皆『きっとラブちゃんて言うイヌかネコを飼っていたんだね。』と思っておりました。
そして昨日“ラブちゃん”がホームを訪れたのです。
“ラブちゃん”とはお婆さんの3歳になるお孫さんだったのです。
(ボクは直接会うことが出来なかったのですが、どうやらハーフの女の子のようで、パートのおばちゃん曰く“旦那さんの顔を見たけど東南アジア系だからブラジル人ね!”だそうで・苦笑。)きっとおばちゃんたちにとって地球ってのは3大陸位で構成されているのかもしれません。
入居してから認知症が一気に進んでしまったと思われていたお婆さん。
ラブちゃんと対面するや否や“まるで別人のように”話をし始め、ラブちゃんの世話をしたというのです。
環境が人に与える影響ってとてつもなく大きいのですね。
ボクらは入居してくる“お爺さん、お婆さん”をより良い環境で迎えいるのが使命です。しかし、どう考えたって“大好きな家族”に勝る環境はありません。
“心のちから”…。
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6 コメント

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Unknown (セクラクララ)
2006-12-21 15:50:55
あきさん。
覚えてますよ!たしかマ○ゾー君の結婚式の2次会で『鎖骨にボルトが入っている。』って言ってましたよね。
やっぱり家族以上のものってありませんよね。若いうちは友達が回りにいてくれるけど、年を取ったら(特に男性は)徐々に友達って減ってしまいそうだし。
否、そんなことないのかな。生き方次第ですかね。

erinkoさん。
お年寄りに羞恥心を感じさせないことは凄く大切ですよね。中には“男性職員の方が力もあるし安心出来る。”って入居者さんもいますが、異性だと恥ずかしがる方の方が多いかも知れません。
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また、思い出して・・・ (erinko)
2006-12-21 11:50:58
父は、デイのお迎えの女性職員に「今日の髪型いいね~」等とニコニコお話して、やっぱり若い女の子がいいのかしら~(笑)と思っていましたが、家のお風呂は私の見守りを絶対嫌がって、危ないので他の男性に頼んだりしていました。

異性にトイレの介助をお願いするのは恥ずかしいのかも知れないですね。
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家族は凄い (あき)
2006-12-21 00:30:06
前に鎖骨折って入院した時、
ベッドが空かなくて、1日半だけ要介護のお年寄りの大部屋で過ごした時のこと・・・

一人では食事もせず、いつも遠くを見て鼻歌(のようなもの)を歌っていたお婆さんが居たんだけど、
家族が来ると、急に我に返ったようになって
目の輝きが全っ然違ったのを見て驚いた事を思い出したよ。

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人間いろいろ・・・ (セクラクララ)
2006-12-20 23:41:56
やっぱり不安が人に与える影響は大きいのですね。
建物や空気、布団や枕の影響も大きいとは思うのですが、職員が与える影響は最も大きいと思います。
中には支配的なフロアやホームもありますが、ボクのフロアは何がどうあれ入居者本位であるように頑張っております。
お父様もやっぱり不安だったのですね。きっとerinkoさんと一緒に生活できる環境がもっとも安心できるところだったのですね。
スイッチを見つけたときはやっぱり嬉しいですね。
引き出しが増えると仕事が楽になりますよね。
でもボクはまだまだ覚えなくてはいけないことが多過ぎますが・・・。

0024氏。
まさにそれだと思います。
中には男性職員大好きなお婆さんもいれば、寝たきりで身体は殆ど動かないのに(女性職員に対し)『おい。抱いてやるから布団に入れ。』と言葉をかける、おちゃめな爺さんがいたり・笑。
ある意味面白い仕事ですよ。
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Unknown (0024)
2006-12-20 19:53:18
>全く無理でしたよ・苦

お年寄りとはゆえやはり女性、男性看護士の前ではやっぱ恥ずかしさがあるのかもね。
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一過性のもの (erinko)
2006-12-20 18:58:54
父も甲状腺の手術で大学病院に入院した時、顔つきも変わりましたし、家ではしたことの無い徘徊を夜にして、看護士さん泣かせをしました。
退院をと言われた時、こんな状態でお世話出来るかしらと不安になり、先生にご相談したら「何、帰ったらすぐに戻りますから」と言われ、帰ったらほんとにピタッと入院前の状態に戻ったんです。
同じ事かどうかは解かりませんが、思い出しました。

その方の何処にどんなスイッチがあるのか探りさぐりの対応も、自分の心のふり幅を広げてくれます。
スイッチを見つけた時の「よっしゃ!」の繰り返しがいろいろな山を乗り越えさせてくれるんですよね!
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