新しい教室(小玉精子先生)初日(4月21日)の三つ目のモチーフです。
こちらも春の花々を一杯ご準備いただいていました。
写真におさめたものを基に描きましたので、花の種類が違っているかもしれません。
どういう花か分からないままに描くことは苦手ですので、
一応、上の方は百合、右側はフリージア(黄と紫)、
左側はカーネーション(白)とスターチス(青)と
勝手に見立てて、描かせていただきました。
ここしばらく、自分なりのテーマは前ブログで触れました「成竹」です。
即ち、描く対象にダボハゼみたいに飛びつくのではなく、
絵としてどう描くかという全体の「構想」を決めてから筆をおろすことです。
今回は概略次のような考えで臨みました。
モチーフは色相の配置が素晴らしくこれを生かした絵にしよう、
主役は紅白の百合で、それに合わせたバック全体の色に。
右側は黄色と紫という補色関係を大事に、
左側は青白をコラボさせ爽やかさを、
花瓶と左下バックの色も落ち着いた暖と寒の色で、
そして全体は春らしく華やかに、
・・・てなことを意識しながら描こう、と。
中でも青と白の部分を描くときは、どういうわけか、
若山牧水の「白鳥は悲しからずや、海の青・・・」の短歌が脳裏に。
でもどんなに粋がっても、所詮邪念に染まった自分には、
歌のように優雅には表現できませんでした。
作業間、“色相”重視でいくと決めましたが、形はというと、百合以外は小ぶりの花々、
その花の特徴らしい形をとりながら色を配していくのは、
これはこれで結構苦労したことでした。
「ランプライト」という水彩紙、ここ数点アップしましたのは全てF4サイズでしたが、
本作からF6サイズに拡大です。
かなり水を打っても、反り返りは少ないようです。
ユリがはちきれんばかりに咲いて…と思いつつ説明を読んで、納得致しました。
絵にするとなると、ただ目の前の物を写せば良いだけではありませんよね。
構想を決めて色々な色合いを考えながら最終的には細かい部分までと大変なことだと思います。
本当に春らしい華やかな花々を有難う御座いました。
背景を含めた色合い、重量感、濃淡やコントラスト、全体のバランスなどなど、深みがあるのだな、と。
作品は、色彩鮮やかなユリを中心に牧水流の青白の淡さ、黄紫のアクセント、花の重量感も含めたバランスが良いように思いました。
心が落ち着く癒しの絵を見せていただきました。