MATTのひとりごと

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ホノルルのトロリー

2012年06月28日 | ハワイ

現在のホノルルにはたくさんの「トロリー」が走っています。E Noaという会社が運営するWaikiki Trolley

3路線に数10台の「トロリー」を運行させているほか、HIS, JTB, Jalpakなどの旅行業者、

そしてAtlantis Submarine、やHilo Hattieなどのアトラクションや販売店もE Noaに委託して「トロリー」を走らせているため、特にワイキキ地区ではひっきりなしのその走行を見受けます。
でも、この車両「ドライバー・トレーニング・トロリー」はたった一台しか走っていませんのでこれに遭遇するチャンスは極めてすくないと思います。

「トロリー」の本来の意味は市街電車や架線で走るバスの集電装置(ポール)についている接触輪の意味でしたが、それが転じて市街電車そのものを指すようになり、バスのほうは「トロリー・バス」という名称が確立いたしました。

もちろん現在ホノルルを走っている「トロリー」は電気を動力にして走行しているのではなく、ディーゼルを動力にしたバスのボディーを市街電車ふうに作っただけのものですが・・・。

これらのトロリーのボディーのデザインは1986年にWaikiki Trolleyが発足した当時に有名なサンフランシスコのケーブルカー

からヒントを得て考えられたものか先方に仁義を切って車体のデザインを頂いたものと考えられます。

急坂の多い町サンフランシスコの交通機関としての「ケーブルカー」が営業を開始したのは今から140年も前の1873年のことでした。路面の下に常に「前進」するように動いている「ケーブル」を敷設し、「運転手」がそのケーブルを掴んだり離したりする機構と、ブレーキを操りながら車体を「運転」するものですが、Waikiki Trolleyスタートに当たってその車体のデザインだけを「頂いた」のでしょう。ちなみに現在はサンフランシスコでもワイキキ同様のバス形式の「トロリー」も走行しています。

E Noaがなぜこの「ケーブルカー」のデザインを「頂いて」「トロリー」と名づけたのでしょうか。
そのヒントはホノルルの市街地を「市街電車」すなわち「トロリー」が縦横に走っていた時代があったことを記した「Streetcar Days In Honolulu」

にありました。

現在では想像も付きませんが1901年から数10年にわたってホノルルの市街には「トロリー」すなわち「市街電車」が数多く走行していたのです。

E Noaはこの「トロリー」の復活を意識してシステムの名称をWaikiki Trolleyとし、営業を開始したものと思われます。

フラソングの「ヘネヘネ・コウ・アカ」は、リンク先の脚注にあるようにその市街電車が登場したばかりのころに乗車したカメハメハ・スクールの生徒たちによって作られた歌と見られ、市街電車に乗ってワイキキのあちこちに出かける様子を歌っています。

この曲にIZは「Our eyes・・・」というバースを付けて(それも間違って!)歌っていますが、上記のリンクでもおわかりのようにオリジナルの歌詞には無いのであとから誰かが付け加えたものでしょうね。

上記の脚注では当時カメハメハスクールの生徒であったポノ・ビーマーが同級生のルイーズを誘って市街電車に乗ったときのエピソードがつづられていて、どうやらこの曲の歌詞はそのときのふたり(すなわち「for you and I」)のことを歌ったものと思われます。
なお彼らはその後結婚し、5人の子供に恵まれたのですが、「Musical Images Of Hawaii」

にポノの甥のマヒ・ビーマーが書いた解説によると、1937年に大ヒットをしたビング・クロスビー主演映画「ワイキキの結婚」撮影時にポノとルイーズがハワイ文化コンサルタントとしてハリウッドに出かけている際に、不注意から怪我をしたルイーズを慰めるためにポノが「5人の子供たちの待っているハワイに戻ろう!」と作曲したのが「クウ・ホア」という名曲とのことでした。
5人のうちのひとりにPupu Hinuhinuなどの作者でケオラ、カポノ兄弟の母親でもあるウィノナ(ノナ)・ビーマーが含まれています。

ヘネヘネ・コウ・アカという曲はハワイ語の歌詞が付けられているのですが、なぜか「For you and I」という英語のフレーズが各バースに登場する曲なのです。

伝統的なハワイアン音楽をアンプラグドでの演奏とハワイ語だけの歌詞でのコーラスによって盛り立てようという趣旨で設立された「カ・ヒメニ・アナ・コンペティション」も2012年8月25日で28回を数えるに至りました。

その第27回コンペティションに登場した「コイン・ストリート」というグループがこの曲を歌ったのです。

もちろん「For you and I」という英語の歌詞は歌えないのでハワイ語に直して歌ったのですが、その場所に差し掛かるたびに会場が沸くのがまずかったのか結構上手なグループだったのですが4位に終わりました。

最近のワイキキはトロリーよりも二階建てバスが全盛です。当初は観光用に2社がこの運行を開始したのですが、さいきんでは各ツアー会社がそれぞれの二階建てバスを運行させるようになりました。
そして本来であればトロリーのライバルになるところですが、この二階建てバスもしっかりとE Noa社が運行を請け負っているようです。

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4 コメント

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思わず (モリパパ)
2012-08-29 13:14:27
「For you and me」でずっこけるという部分で笑いました。
「’oe a au」と歌ったのでしょうか。
観客の困惑した顔が目に浮かびまず。
ハワイ語初心者のため、訂正願います。

スティールギターか?(溜め息)
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近いですね! (MATT)
2012-08-29 13:16:33
「No `oe me a`u」(For you with me)と歌いました!
私は初心者以前のレベルですのでモリパパかwaka-chanに教えて頂きたいのです。よろしく!
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Unknown (きっき)
2020-04-22 15:23:44
息子が英単語の練習をしていて トロリーバスが出たので調べると電気駆動のバスとありましたが ハワイやグアムではトロリーバスはディーゼルだった気がしたので調べてみたらこちらに辿り着きました。
とても勉強になりました
ありがとうございます
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きっきさん (MATT)
2020-04-22 21:37:48
書き込みありがとうございます。
実は東京にも「トロリーバス」が走っていた時代(1952年から1968年まで)があったのです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%83%BD%E5%96%B6%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%90%E3%82%B9
このトロリーバスはまさしく「電気駆動のバス」でしたが、故障が多かったことと、ディーゼルエンジンを載せたバスの性能が向上したこともあってわずか16年で消えてしまいました。
ただ、立山トンネルを運行するバスだけは全線トンネル内を運行するため排気ガスのでないトロリーバスが採用され、現在も「日本唯一のトロリーバス」として運行されています。
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