1.蒼き狼 地果て海尽きるまで
主演が反町隆史ということで、若い人たちの時代になったんだなあと思って大して期待していなかったが、これが予想に反してなかなか楽しめる大作に仕上がっていた。物語はテムジンの出生から、部族間闘争を繰り返してやがてモンゴル統一を果たし南の金帝国に攻め入るところまでを描いているが、最盛時には史上最大の版図を得たとされる「モンゴル帝国」の、これは端緒に過ぎない。まさしく「地果て海尽きるまで」である。
監督
* 澤井信一郎
原作
* 森村誠一
出演
* 反町隆史
* 菊川怜
* 若村麻由美
* 袴田吉彦
* 松山ケンイチ
蒼き狼 地果て海尽きるまで - goo 映画
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2.男はつらいよ(シリーズ第29作) 寅次郎あじさいの恋
マドンナのかがり役がいしだあゆみというこの映画はこれまで何回も見ているが今回も2回通して見た。
5年前に夫と死別したというかがりは、一粒種の娘を丹後の実家(と言っても両親ではなく、自分の養子先である)に預けて京都五条坂の高名な陶芸家の家で女中奉公していた。彼女はそこの高弟と将来を約束していたが彼は東京へ出て自立するため、彼女を捨てて美濃の資産家の娘と婚約してしまう。失意のかがりは職を辞して丹後へ戻るが、それを追いかけて慰めにやって来た寅次郎に情をほだされて、一気に燃え上がってしまう・・ということらしい。
かがりの家に一泊して去る寅に「もう会えないの?」とかがりは必死の思いで問いかけるのだが、寅は「風が丹後に吹けばまた会える」と答える。
ところで寅が彼女に葛飾柴又のとらやのことを教える場面はなかったように思うが、かがりは突然在京の友人を訪れて彼女と共にとらやへ電撃訪問し、「日曜日に鎌倉のあじさい寺で待つ」と寅に付け文する。
満男くんを伴ったこのデートはクライマックスでありながらずっと陰鬱な空気が纏わりついている。かがりは旅先の寅と故郷柴又に帰った寅とはまるで違う人物のようだと指摘する。
女性に積極的に出られると自分は逆に尻込みしてしまうというのが、このシリーズの寅の頑なな性格設定である。女性に決まった人がいても駄目、女性が寅に慕情を寄せても駄目ということで、昔は映画誌などで「寅は実は童貞ではないのか」とか「いや、トルコ(←今はソープランドと言う)通いで女を知り尽くしているからこそ、ああなるんだ」「いやいや寅が惚れているのは実は異母妹のさくらなんだ」とかと議論百出で紛糾(?)したこともあったが、私はその頃はこのシリーズには全く興味がなかったのである。ぁそ。
どんなに性格設定が不自然で現実性がなかろうと、寅は毎回美女に一目惚れし、毎回失恋して、失意のどん底で再び旅に出なければならないのである。そういう映画なのであるから、我々がああだこうだ言ってみても始まらないのだ。
最終48作目のマドンナ・リリー役の浅丘るり子は「このシリーズもこれで最後になるかも知れないから、どうか寅とリリーを結婚させてくれ」と山田監督に懇願したというエピソードがある。結果はご覧の通り、式は挙げないまでも事実上の結婚状態になった。山田監督の終生のテーマは「家族」であるが、それは必ずしも「結婚」や「結婚式」と直結するものではないようだ。
キャスト(役名)
* 渥美清 アツミキヨシ (車寅次郎)
* 倍賞千恵子 バイショウチエコ (さくら)
* いしだあゆみ イシダアユミ (かがり)
* 下絛正巳 シモジョウマサミ (竜造)
* 三崎千恵子 ミサキチエコ (つね)
* 前田吟 マエダギン (博)
* 太宰久雄 タザイヒサオ (社長)
* 佐藤蛾次郎 サトウガジロウ (源公)
* 吉岡秀隆 ヨシオカヒデタカ (満男)
* 笠智衆 リュウチシュウ (御前様)
* 杉山とく子 スギヤマトクコ (かがりの母)
* 関敬六 セキケイロク (仲間のテキヤ)
* 柄本明 エモトアキラ (近藤)
* 津嘉山正種 ツカヤママサネ (蒲原)
* 片岡仁左衛門 カタオカニザエモン (加納)
男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋(1982) - goo 映画
cf.アジサイ寺
cf.鎌倉のあじさい寺 明月院を訪ねて
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3.やくざ非情史 血の決着
元本物のヤクザ(安藤組の組長)だったという安藤 昇主演のこの映画はいわゆる「B級映画」の典型で、1970年当時高倉健や鶴田浩二の主演する主力作品と抱き合わせの併映のために作られた映画群の中の一つである。
「B級映画」と言っても、作品の予算が少ないためにスタッフや役者を揃えるのに制限がかかり、監督もここぞという場面に集中して撮らざるを得なかったということであって、昔はこの「B級映画」こそ素晴らしいのだというファンも多く、鈴木清純監督などには熱狂的なファンが付いていたのである。
主演の安藤 昇を助ける役で大友柳太朗がゲスト出演しているが、この人は昭和30年代の東映映画最盛期には「怪傑黒頭巾」などで主演を張っていた元大スターである。この大友といい「鞍馬天狗」の嵐寛寿郎(アラカン)といい、往年の大スターが晩年はヤクザ映画の端役に納まってしまった経緯を私は詳しくは知らないが、いずれにせよ人の世の栄枯盛衰ではある。
監督
* 萩原遼
出演
* 安藤昇
* 大友柳太朗
* 瑳峨三智子
* 南川直
* 高橋俊行
* 小柳ナナ
* 丸山麗子
* 笠達也
やくざ非情史~血の決着~ - goo 映画
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核密約の最重要文書が消失 外務省、意図的破棄か
米軍核搭載艦船の日本への通過・寄港を黙認した核密約問題に関し、99年段階で外務省条約局長が存在を確認していた日米安保条約改定時などの「最重要文書」が消失していたことが18日、分かった。密約調査を行った有識者委員会の複数の関係者が明らかにした。
当時の条約局長だった東郷和彦氏は、19日の衆院外務委に参考人招致されている。同氏は昨年12月、局長時代に作成した密約問題に関する「重要文書リスト」を有識者委員会に提出。同委員会が省内の文書と照合、東郷氏が当時「最重要文書」として引き継いだ文書の消失が判明した。
核密約に関し99年ごろから米側で関連文書が開示され、国会でも追及が本格化。条約局長が「最重要」と定めた文書の消失は極めて不自然で意図的な破棄の可能性が出てきた。
リストには密約問題に絡む約60の重要文書名が記され、うち15本前後を「最重要文書」としている。
「最重要文書」には(1)核密約の素地となる60年1月6日の「秘密議事録」(2)朝鮮半島有事の密約を記した「朝鮮議事録」(3)東郷氏の実父、東郷文彦氏が外務省北米局長だった68年に作成した核密約に関する引き継ぎ文書 ―が含まれていた。2010/03/19 02:02 【共同通信】
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主演が反町隆史ということで、若い人たちの時代になったんだなあと思って大して期待していなかったが、これが予想に反してなかなか楽しめる大作に仕上がっていた。物語はテムジンの出生から、部族間闘争を繰り返してやがてモンゴル統一を果たし南の金帝国に攻め入るところまでを描いているが、最盛時には史上最大の版図を得たとされる「モンゴル帝国」の、これは端緒に過ぎない。まさしく「地果て海尽きるまで」である。
監督
* 澤井信一郎
原作
* 森村誠一
出演
* 反町隆史
* 菊川怜
* 若村麻由美
* 袴田吉彦
* 松山ケンイチ
蒼き狼 地果て海尽きるまで - goo 映画
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2.男はつらいよ(シリーズ第29作) 寅次郎あじさいの恋
マドンナのかがり役がいしだあゆみというこの映画はこれまで何回も見ているが今回も2回通して見た。
5年前に夫と死別したというかがりは、一粒種の娘を丹後の実家(と言っても両親ではなく、自分の養子先である)に預けて京都五条坂の高名な陶芸家の家で女中奉公していた。彼女はそこの高弟と将来を約束していたが彼は東京へ出て自立するため、彼女を捨てて美濃の資産家の娘と婚約してしまう。失意のかがりは職を辞して丹後へ戻るが、それを追いかけて慰めにやって来た寅次郎に情をほだされて、一気に燃え上がってしまう・・ということらしい。
かがりの家に一泊して去る寅に「もう会えないの?」とかがりは必死の思いで問いかけるのだが、寅は「風が丹後に吹けばまた会える」と答える。
ところで寅が彼女に葛飾柴又のとらやのことを教える場面はなかったように思うが、かがりは突然在京の友人を訪れて彼女と共にとらやへ電撃訪問し、「日曜日に鎌倉のあじさい寺で待つ」と寅に付け文する。
満男くんを伴ったこのデートはクライマックスでありながらずっと陰鬱な空気が纏わりついている。かがりは旅先の寅と故郷柴又に帰った寅とはまるで違う人物のようだと指摘する。
女性に積極的に出られると自分は逆に尻込みしてしまうというのが、このシリーズの寅の頑なな性格設定である。女性に決まった人がいても駄目、女性が寅に慕情を寄せても駄目ということで、昔は映画誌などで「寅は実は童貞ではないのか」とか「いや、トルコ(←今はソープランドと言う)通いで女を知り尽くしているからこそ、ああなるんだ」「いやいや寅が惚れているのは実は異母妹のさくらなんだ」とかと議論百出で紛糾(?)したこともあったが、私はその頃はこのシリーズには全く興味がなかったのである。ぁそ。
どんなに性格設定が不自然で現実性がなかろうと、寅は毎回美女に一目惚れし、毎回失恋して、失意のどん底で再び旅に出なければならないのである。そういう映画なのであるから、我々がああだこうだ言ってみても始まらないのだ。
最終48作目のマドンナ・リリー役の浅丘るり子は「このシリーズもこれで最後になるかも知れないから、どうか寅とリリーを結婚させてくれ」と山田監督に懇願したというエピソードがある。結果はご覧の通り、式は挙げないまでも事実上の結婚状態になった。山田監督の終生のテーマは「家族」であるが、それは必ずしも「結婚」や「結婚式」と直結するものではないようだ。
キャスト(役名)
* 渥美清 アツミキヨシ (車寅次郎)
* 倍賞千恵子 バイショウチエコ (さくら)
* いしだあゆみ イシダアユミ (かがり)
* 下絛正巳 シモジョウマサミ (竜造)
* 三崎千恵子 ミサキチエコ (つね)
* 前田吟 マエダギン (博)
* 太宰久雄 タザイヒサオ (社長)
* 佐藤蛾次郎 サトウガジロウ (源公)
* 吉岡秀隆 ヨシオカヒデタカ (満男)
* 笠智衆 リュウチシュウ (御前様)
* 杉山とく子 スギヤマトクコ (かがりの母)
* 関敬六 セキケイロク (仲間のテキヤ)
* 柄本明 エモトアキラ (近藤)
* 津嘉山正種 ツカヤママサネ (蒲原)
* 片岡仁左衛門 カタオカニザエモン (加納)
男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋(1982) - goo 映画
cf.アジサイ寺
cf.鎌倉のあじさい寺 明月院を訪ねて
============
3.やくざ非情史 血の決着
元本物のヤクザ(安藤組の組長)だったという安藤 昇主演のこの映画はいわゆる「B級映画」の典型で、1970年当時高倉健や鶴田浩二の主演する主力作品と抱き合わせの併映のために作られた映画群の中の一つである。
「B級映画」と言っても、作品の予算が少ないためにスタッフや役者を揃えるのに制限がかかり、監督もここぞという場面に集中して撮らざるを得なかったということであって、昔はこの「B級映画」こそ素晴らしいのだというファンも多く、鈴木清純監督などには熱狂的なファンが付いていたのである。
主演の安藤 昇を助ける役で大友柳太朗がゲスト出演しているが、この人は昭和30年代の東映映画最盛期には「怪傑黒頭巾」などで主演を張っていた元大スターである。この大友といい「鞍馬天狗」の嵐寛寿郎(アラカン)といい、往年の大スターが晩年はヤクザ映画の端役に納まってしまった経緯を私は詳しくは知らないが、いずれにせよ人の世の栄枯盛衰ではある。
監督
* 萩原遼
出演
* 安藤昇
* 大友柳太朗
* 瑳峨三智子
* 南川直
* 高橋俊行
* 小柳ナナ
* 丸山麗子
* 笠達也
やくざ非情史~血の決着~ - goo 映画
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核密約の最重要文書が消失 外務省、意図的破棄か
米軍核搭載艦船の日本への通過・寄港を黙認した核密約問題に関し、99年段階で外務省条約局長が存在を確認していた日米安保条約改定時などの「最重要文書」が消失していたことが18日、分かった。密約調査を行った有識者委員会の複数の関係者が明らかにした。
当時の条約局長だった東郷和彦氏は、19日の衆院外務委に参考人招致されている。同氏は昨年12月、局長時代に作成した密約問題に関する「重要文書リスト」を有識者委員会に提出。同委員会が省内の文書と照合、東郷氏が当時「最重要文書」として引き継いだ文書の消失が判明した。
核密約に関し99年ごろから米側で関連文書が開示され、国会でも追及が本格化。条約局長が「最重要」と定めた文書の消失は極めて不自然で意図的な破棄の可能性が出てきた。
リストには密約問題に絡む約60の重要文書名が記され、うち15本前後を「最重要文書」としている。
「最重要文書」には(1)核密約の素地となる60年1月6日の「秘密議事録」(2)朝鮮半島有事の密約を記した「朝鮮議事録」(3)東郷氏の実父、東郷文彦氏が外務省北米局長だった68年に作成した核密約に関する引き継ぎ文書 ―が含まれていた。2010/03/19 02:02 【共同通信】
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