本家ヤースケ伝

年取ってから困ること、考えること、興味を惹かれること・・の総集編だろうか。

新『ペテン師の時代』。

2006-06-06 13:51:01 | 政治
*今日のタイトルですが、何故「新」と冠するのかと言うと、今年2月11日の当blogに「ペテン師の時代(改)」というタイトルの一文があるからです♪

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   首相に損害回復求め提訴 グリーンピアの2千億円
2006年 6月 5日 (月) 12:12(共同通信ニュース)

 1980年代に各地に建設され、破たんした年金保養施設「グリーンピア」をめぐり、厚生労働省や社会保険庁が総額約2000億円の損害を国に与えたとして、国民年金加入者5人が5日、小泉純一郎首相に損害回復措置を求める訴訟を東京地裁に起こした。

訴えたのは奈良市の谷沢忠彦弁護士(64)や千葉県、大阪府の計5人。

訴状によると、旧厚生省は1975年にグリーンピア建設を決定。その後、年金積立金を財源にして全国13カ所に総工費約1951億円をかけて建設したが、大幅な赤字になり、2000年以降すべて売却処分された。

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   村上代表「金もうけ、悪いことですか」 つきまとう酷評
2006年 6月 6日 (火) 05:54(朝日新聞)

 「もうけようと思ったのではない」

 5日午前。突然開いた記者会見で、数時間後に容疑者となる村上ファンドの村上世彰代表は、ニッポン放送株の取得がインサイダー取引にあたることを認めて謝罪しつつ、こう釈明した。

 だが、会見が熱を帯びるにつれ、相矛盾するような言葉が飛び出す。

 「金もうけ、悪いことですか」

     ■

 99年に通産官僚からファンド運営に転身。00年1月に、日本人初の敵対的株式公開買い付け(TOB)を不動産・電子部品会社の昭栄に仕掛け、02年5月の東京スタイルの株主総会では、株主の支持を求めて派手な委任状争いを繰り広げた。

 ファンドの一貫した理念は、株主にとっての企業価値の向上だ。その実現のため「モノ言う株主」として大幅増配や自社株買いによる株価向上策を求め、「会社は株主のもの」という米国的価値観を社会に広めた。

 昭栄の経営陣は、村上代表からの圧力で経営改革が進み、格段に収益力が増したと認める。村上代表に共鳴し、社外取締役に招いたシステム開発会社ソフトブレーンの宋文洲会長は「日本のコーポレートガバナンス(企業統治)向上に貢献したのは確か。事件で他のモノ言う株主が萎縮(いしゅく)しないか心配だ」と話す。

 だが、企業の経営規律を高めたという声の一方、酷評もつきまとう。

     ■

 04年7月に村上代表が「株を買った」と伝えた明星食品。日清食品との合併や資産売却などを提案した揚げ句、年間利益を上回る大幅な増配を手にした直後に全株を売り抜けた。永野博信社長は「高圧的な口ぶりで繰り返し『株主の権利』を求められた。まるで暴力団だ」。

 大阪・梅田の不動産売却を求められた阪神電気鉄道。統合を決めた阪急側の関係者は「売却で巨額の配当や株の値上がり益を得られれば、投資家の利回りは上がるが、企業はやがてぼろぼろになる」と、村上手法に冷ややかな目を向ける。

 05年秋には、株を大量保有したTBSに「共同経営」をちらつかせて株の買い取りを求める一方、楽天など新興企業にも水面下で購入を勧め、株価が上がった時点で売り抜けた。株式の大量保有情報の開示義務が緩いなど、ファンドへの特例制度を巧みに使って株を買い集め、突然大株主として要求を突きつける手法にも批判がある。

 「会社乗取り」などの著作がある経済評論家の佐藤朝泰氏は「全株主のためと言いながら、やり口は昔ながらの乗っ取り屋と変わらない」と指摘する。村上代表の主張と高利回りに引かれ、運用を委託した大手企業は最近、「乗っ取り屋のイメージが強くなった」として契約を解除した。

     ■

 「日本を良くするなんてNGO(非政府組織)ででもやってくれ。調子にのるな」。東京スタイルの委任状争いで負けた後、投資家からこう罵倒(ばとう)され「利益追求こそがファンドマネジャーとしての自分の職業と決意した」。村上代表は最近、周辺に語ったという。

 高邁(こうまい)な理念と利益最優先の行動。自らのファンドが巨大化するなか理念が薄らいだのか。元々理念は手段に過ぎなかったのか。事件で証券市場からの「退場」を宣言した男の真実は見えないままだ。

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   スギ氏、法的訴えを否定 和田氏の芸術選奨取り消しで
2006年 6月 6日 (火) 06:06(朝日新聞)

 文化庁が芸術選奨を取り消したことについてアルベルト・スギ氏は5日、朝日新聞の取材に「日本政府の迅速な調査と、その結果による賞の取り消しを喜ばしく思う」と満足した様子で語った。「これは和田氏が受ける最も重い罰であり、画家としての将来はなくなったということ。法的な訴えはしない」とも述べた。

 スギ氏は「個人的には騒動が早く終わってほしい」と説明。「日本のみなさんに盗作の事実を証明できるよう、日本で近く私の個展が開かれることを望む」とも語った。

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   和田義彦氏の作品、展示中止に…メナード美術館

 メナード美術館(愛知県小牧市)は、開催中の特別企画展「国画会の画家たち」(25日まで)に出品されている和田義彦氏の作品「卓上静物」の展示を2日から中止することを決めた。

 文化庁が事実関係の調査を始めたことを受け、国画会が1日、和田氏に退会を勧告したため。同美術館は「出品作が他人の作品に似ているという指摘は受けていないが、関係者と話し合った結果、展示中止を決めた」としている。
(2006年6月2日3時6分 読売新聞)

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 以上引用終わり。

*最初に和田某のいわゆる盗作疑惑問題である。
 彼の倒錯した「作品」は「盗作と見られても止むを得ない作品」で「芸術選奨の権威を大きく傷つけた」から芸術選奨は取り消すというのが文化庁の臨時審査会の結論だが、当のスギ画伯は(TBS系の取材には)「そもそも彼にそんな賞を与えたことが問題だ」と応えたそうである。
 私もそう思う。誰が彼を推し、選考委員らは何を調べて何を審査した結果彼にこの賞を与えたのか、その間の経緯を明らかにしない限り文化庁はこの問題の責任をとったことにはならないだろう。TVでは東郷青児美術館がまず和田に賞を与え、それを知った三重県立美術館(←メナード美術館の聞き間違いかも。あちゃ~っ!)が和田の個展を大々的に開催し、これが今回の芸術選奨受賞のライトモチーフになったのだと言っている。東郷青児美術館と言えば例の損保ジャパン(旧安田火災)関連の施設だから笑ってしまう。

 私はもともと「文壇」とか「画壇」とかいったものの「大御所の権威」などは信用していない。甘いものには蟻が群がるものだと思っている。
 スギさんは自分の個展を「日本でやれ、日本でやれ」とうるさいのだが(笑)役所の不手際が彼に迷惑をかけたのは事実だし、話題性もあるので、個展はやってあげた方がいいと思う。で、その際には是非上野だけではなく大阪でもやって欲しい。w

 だいたいが「芸術選奨の権威を大きく傷つけた」のは和田ではなく文化庁なのである。彼らは税金を使って自らの墓穴を掘っているのだ。
 「盗作と見られても止むを得ない作品」と言うが、ある専門家は「和田の一連の作品はスライド・プロジェクター等を使ってカンバスにスギ作品を投影しながら描かないと、あれほどぴったり重なる作品は描けないだろう」と指摘した。盗作というよりも模倣作と言うべきだそうで所謂「作品」のレベルの話ではないのである。

*こういう大騒ぎには必ず大勢に異論を称える目立ちたがり屋が出てくるものだが、今回も作家の森村誠一がしゃしゃり出て来て「いや、あれはオリジナルで盗作なんかじゃない。色使いが違う。タッチが違う・・」と擁護し始めているらしいが、あの人自身がもともと「チック」というか病的な(?)性向の作家なので意外性はない。
 先の専門家は「スギ作品の生命線は構図にあるのだ」として、構図はスギ作品から援用しているのだということを事前に公表して、模倣作として公開するなら何ら問題は生じなかった筈だと言った。

 スギ氏というのはイタリア国内だけで高名な画家だということで、文化庁の役人が知らなかったのも止むを得ないそうである。和田はそれをいいことに、スギ氏には「もう二度としません。コピーは全部こちらへ送りますから(←この約束は反故にされた)どうか訴えないで下さい」と泣いて懇願し、日本国内では「あれは共同作品だ」とか「ピカソは盗作の天才だ」とか「専門家が見れば私の作品のオリジナリティはすぐわかる」とか「悪意ある中傷に基づいて賞を取り消されるのは不名誉なので自分から返却したい」などといったおよそ聞き捨てならない開き直りを繰り返して来たわけであって、盗人猛々しいというか、およそ往生際の悪い、小泉・ポチのような(?)悪党なのである。

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*次に村上ファンド問題だが、東京新聞のみが「司法取引めいた決着」を指摘している。
 これは言わば「トカゲの頭切り」(!)とでも言うべき術策で、村上本人は(一時)引退し刑にも服するからトカゲの本体だけはどうか残して欲しいというものである。政治家たちの何人かも村上ファンドに1枚咬んでいるらしい。

 「金儲けが悪いことだ」などと言ったら竹中が怒るだろう。笑
 金儲け大いに結構だけど、それは公平にフェアにやりなさいよ。
 内部情報で抜け駆けするのはアン・フェアなんですよ、云々。・・・。
 「証券取引法違反」なるものはこの程度のもので、言ってみれば今回もまたしても微罪である。この間村上が2,000億円稼いだと自認するうちのたったの(?)30億円(+αで150億円)に纏わる話である。
 ホリエモンも村上も「先見の明のある人間」であることは事実だが、ただ私には検察の思惑がどこにあるのか今ひとつ鮮明になって来ない。

 それは、一部報道が言うように、検察は本当に「フジ乗っ取り問題で『絵を描いた』のは村上だ」というスタンスなのだろうかという点である。私は殆ど期待していないが、検察がもし相当の覚悟で「村上主犯説」に立脚しこの事件の全容解明を目指すというのなら、これはまた政界ぐるみの一大疑獄に発展する可能性もあるわけであり、小泉ポチが国会閉幕を急ぐ大きな理由がまた一つ増えたことになる。勿論揉み消し得意の安倍がこれに「待った!」をかける可能性も充分にある。
 つまり:

 「村上に乗った機関投資家らが濡れ手に粟のボロ儲けをし、逆にホリエモンに追随した名も無き投資家たちは身ぐるみ剥がされた」・・これがこの間の株を巡る事件の真相でないという保証は実はどこにもないのだということに、我々は気付かないわけにはいかないのである。


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