横浜市は舞岡公園で栽培、加工された乾燥シイタケから、国の暫定基準値を上回
るセシウムを、3月と10月の収穫分から検出したそうですが、どういう経緯で検査
することになったのですか?(はてな?さんのキニナル)
まず市民団体が10月分の検査をした後、収穫期で分けていた3月分を検査。3月分
は市を含め3通りの結果が出たが、突出して高い数値が記者発表された。
ライター:吉岡 まちこ (2011/12/21)
舞岡公園ってどんなところ?
戸塚区の舞岡公園は、港南区と栄区と戸塚区のちょうど接点あたりにある。自然
の地形を生かし、昔ながらの田園風景が残された公園だ。
市民団体が田畑を耕し農作物を育て、林を手入れし、里山のあるべき姿を目指し
実績を積み重ねてきた。
郷愁を感じる風景が広がる舞岡公園
横浜市は、公園内の全域または特定エリアを民間に委託する指定管理者システム
を採っている。
舞岡公園の、農体験区域の指定管理者は「舞岡公園田園・小谷戸(こやと)の
管理運営委員会」(以下、「会」と呼びます)。登録ボランティア約500名を抱え
る市民団体だ。
まず、ことの経緯をうかがいに行った。
指定管理者、通称「小谷戸の里」の事務所
市民団体の「会」が先に測った。まず経緯を確認。
早速本題に入ろう。
小谷戸の里のしいたけは、原木栽培といって丸太に菌を植え付けて育てる方法
作っている。原木栽培の場合、収穫は春と秋の2回。収穫した後は天日乾燥し、そ
の回ごとに袋に詰めて保管しているそうだ。作ったしいたけは、園内で作った野菜
と炊き出し等に使われ、ボランティアがたべている。
今回ニュースになるまでの流れを大ざっぱに言うと、最初市民団体の「会」サイ
ドが独自で10月収穫分の乾燥シイタケを検査し、検査結果を受けた横浜市が10月
収穫分と、そのついでに3月収穫分を測ってみたら、3月収穫分に極端に高い数値
が出た。
市はその数値を記者発表したが、その6、7分の1にしかならない値も、実は同じ3月
収穫分から出ていた。
そして、3月収穫分2.6kgのうち1.8kgは、すでに延べ800人近い会員が、公園内の
農作業のあとに行なわれる炊き出しで食べてしまっていた、というものだ。
公園を管理する横浜市環境創造局HPに掲載がある。
●記者発表については、TOP→新着一覧→11/4の記事(PDFファイル)
http://www.city.yokohama.lg.jp/kankyo/kisha/h23/images/111104-2-1.pdf
●経緯と追加測定結果についての続報は、TOP→新着一覧→11/8の記事
http://www.city.yokohama.lg.jp/kankyo/park/shiitake1107.html
続報の中で、数値の経緯をまとめた表がこれだ。
※わかりやすくするために、市民団体の「会」サイドで測った箇所は黄色に着色
「会」と、市の環境創造局と健康福祉局から聞いた話をもとに、もう少し詳しく
時系列を追って見てみよう。
11月1日
■「会」が、11月23日開催の収穫祭の使用に問題がないか調べるため、乾燥しい
たけ【10月中旬収穫分】を独自に検査。検査機関は、鶴見区にある民間の検査機
関(株)同位体研究所。
結果:セシウム134+セシウム137の合計(以下「セシウム」と表記) 1,181ベ
クレル/kg
国が定める食品の暫定基準値500ベクレルを上回っていたため市に報告(11月2日
AM8:30送付)
↓
11月3日
■市は、同じ袋にあった残りの乾燥しいたけ【10月中旬収穫分】を検査。検査
関は横浜市衛生研究所。
結果:セシウム 995ベクレル/kg
■併せて、「会」に残っていた【3月下旬収穫分】も市が持ち帰り検査。
結果:セシウム 2,770ベクレル/kg
■併行し、「会」側でも【3月下旬収穫分】を民間の同位体研究所で検査。
結果:セシウム 290ベクレル/kg
↓
11月4日
■「会」は、AM8:30、【3月収穫分】の検査結果290ベクレルを市にファックスで
報告。
■市は午後、【10月収穫分】の結果995ベクレルと、【3月収穫分】の2,770ベクレ
ルを記者発表。
■市は午後、「会」の結果が290ベクレルだった【3月収穫分】検体とまったく同
じ袋にあった【3月下旬収穫分】を再検査。
結果:セシウム 393ベクレル/kg
横浜市
11月21日{2011}までに、次のとおり市内産農畜産物や流通品について、放射性物
質の検査を実施しました。
なお、市内の舞岡公園(戸塚区)内で収穫、加工された乾シイタケから、暫定
規制値を超える放射性セシウムが検出されました。詳細はこちらです。
公園で栽培・加工していた乾シイタケの放射性物質検査結果について(続報)
~追加測定結果をお知らせします~
1 検査結果
・公園名 舞岡公園(戸塚区舞岡町1764)
・分析対象 乾シイタケ
2 検査対象について
舞岡公園で収穫・加工した乾シイタケは、以下の2種類です。
(1)10月中旬に収穫し、10月下旬に加工したもの(約240g)
(2)3月下旬に収穫し、4月上旬に加工したもの(約800g)
※(2)の乾シイタケは2つの検体を回収していました。
3 検査経緯
舞岡公園(戸塚区)を管理している指定管理者である「舞岡公園田園・小谷戸
の里管理運営委員会」が、自主事業である収穫祭で活用するため、乾シイタケ
(上記検査対象の(1))の検査を、民間検査機関に依頼したところ、食品衛生
法上の暫定規制値を上回る1,181Bq/Kg(No.1)のセシウムが検出されました。
それを受けて本市衛生研究所で乾シイタケ(1)を測定し955Bq/Kg(No.2)、
乾シイタケ(2)を測定して2,770 Bq/Kq(No.3)のセシウムが検出されてい
ます。(以上11月4日記者発表内容)
◆【記者発表】公園で栽培・加工していた乾シイタケの放射性物質検査結果に
ついて (11月4日)
本件について、追加で検査をしたところ、乾シイタケ(3)について、新たな
測定結果が出ましたので報告いたします。
No.4 乾シイタケ(2)について、指定管理者が本市とは別に依頼し、11月3
日に民間検査会社が測定した調査結果は290Bq/Kgでした。
No.5 また、本市で回収した乾シイタケ(2)の検体は2つあったため、民間
検査会社の調査結果を受け、本市が残りの1つについても調査をしたところ、
393Bq/Kgのセシウムが測定されました。
No.6 なお、乾シイタケ(2)を水で戻した状態で調査した結果は、50Bq/Kgで
した。
4 備考
※ No.3~No.6の乾シイタケは、田植え等で登録ボランティアの活動参加者へ
炊き出しとして一部提供しています。計45回の炊き出しを行い、約1,800gを炊き
出しの汁物として使用しており、延べ794人が最大2回食しています。従いまして、
1人が1回乾シイタケを2.27g食べたことになり、2回食べたとして大人で0.000197
mSv、子どもで0.000140 mSvとなります。これは、1日当たりの食品による自然被
ばく(内閣府食品安全委員会 引用 年間約0.41mSv)約0.001123 mSvの8分の1か
ら6分の1程度です。
※ 11月4日に検査したNo.5、No.6の乾シイタケは、11月3日に検査を行わな
かった残りの検体になります。乾シイタケと乾シイタケ(水戻し)は、そのまま
の状態で検査したものと、乾シイタケを水で戻した状態で検査したものになりま
す。
※ 栽培地周辺の地表から1cmの放射線量は、0.06~0.08μSv/hであり、市内
の他の空間放射線量と同等です。
横浜市環境創造局公園緑地管理課 - 2011年11月08日 作成 - 2011年11月08日 更新
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横浜市記者発表資料 平成23年11月4日
環境創造局公園緑地部南部公園緑地事務所
公園緑地管理課
農業振興課
公園で栽培・加工していた乾シイタケの放射性物質検査結果について
このたび、舞岡公園(戸塚区)を管理している指定管理者である「舞岡公園田
園・小谷戸の里管理運営委員会」が、自主事業である収穫祭で活用するため、
10月に収穫・加工していた乾シイタケの検査を、民間検査機関に依頼したところ、食品衛生法上の暫定規制値を上回る放射能が検出されたとの報告を受けました(セシウム134+137:1,181Bq/kg)。 そこで、同じ検体について、本市で検査を行うとともに、3月下旬から4月上旬に収穫・加工していた乾シイタケが保管されていましたので、あわせて本市で検査を行いました。 その結果、食品衛生法上の暫定規制値を上回る放射能濃度が測定されたため、次のとおり報告いたします。 なお、この乾シイタケは市場へ流通するものではありません。しかし、3月下旬に収穫したものについて、一部を炊き出しで登録ボランティアの方々に提供いたしました。この炊き出しで食した登録ボランティアの皆様に対しては、指定管理者から順次連絡をしております。
が検出されたと発表した。
2011/05/11 【共同通信】
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